55.覚悟。。。 | 小さなハート〜天使になった息子と地上の娘〜

小さなハート〜天使になった息子と地上の娘〜

先天性心疾患(左室型単心室・大動脈縮窄・完全大血管転位)をもって生まれた息子。病気と闘う姿は勇敢で誰よりも頑張り屋さんでしたが、2014.12月天国に旅立っていきました。精一杯生きた命、生きた証を残しています。天使ママとなり、2人目育児に奮闘中です。

10月19日。

不安な気持ちが増す中、病院へ

ヒサ君の浮腫みがさらに酷くなってました。
オシッコも1時間に2~3ccしか出てない…


心拍数も170~180前後と早いし、血圧は50/30位と低い
呼吸器の設定も上がって、酸素濃度は23%から30%に
それでも、サチュレーション85%と、いつもより低めでした

痰吸引すると血圧はさらに下がるし、見ているだけで心配

いつもより状態が悪いのは一目瞭然でした


K先生に、昨日の造影検査の結果等、話があると言われ、奥の部屋へ。

聞くのが怖い……


上大静脈と下大静脈のどの辺がどう閉塞しているかを画像を見ながら説明を受けました。

原因は中心静脈カテーテルを長期間入れていたのもあって血栓ができてしまったこと。
感染症になってしまったことで、血栓がよりできやすくなってしまうのだそうです。

赤ちゃんの血管は細くてモロいので、ワイヤーを通して血栓を取り除くことはできない、と言われました。

大静脈は閉塞しているところと、閉塞しかけているところがあって、
かろうじて、狭くなっている血管を通って血液が心臓に送り返されているそうです。

血栓を取り除くには手術しかないのだけど、ヒサ君の今の状態から手術をするのは難しいとのこと。


血圧が低く、昇圧剤を使っているけど、反応がみられないし、以前よりも急変する可能性が高まってきている、と告げられました。


そして、ついに恐れていたことを…

「覚悟しておいた方がいいかもしれません…。ご主人と延命処置についても一度相談してもらって…。これから家族との時間も大事にしてもらいたいなぁと思っているので、また看護師の方から話させてもらいますね。」


ショックが大き過ぎて言葉にできませんでした。

どうしたらいいのか分からなくて…
覚悟という言葉が頭の中でグルグル回る…


ヒサ君のところに戻って、ヒサ君の顔を見ると涙が止まらなかった。

ヒサ君、大丈夫だよね??
こんなに頑張ってるのに、なんで…。

手を握って、頭を撫でて、沢山ヒサ君に触れた。

同席していた受け持ちナースさんがやってきて、泣いていた私にティッシュを差し出してくれた。

「ヒサ君、とても頑張ってくれてますね…。先生が言われていた通り、ヒサ君ともっと一緒にいれる時間を作ってあげられたらと思ってます。明日からは面会時間に関係なく、朝からでも来ていただいて構いません。24時間いつでも大丈夫ですので。」と。

いつもより長く今日は居させてもらいました。

覚悟っていったって、どうしたら覚悟できるんだろう?
覚悟の仕方がわからない…
覚悟なんて出来るはずもないよ。

帰り道、何度泣きそうになったか分からない…自分達が世界で一番不幸なように思えた。


ヒサ君、ママを置いていかないで。
神様、ヒサ君をどうか連れて行かないで…!

涙を拭いながら、ひたすら、無事を祈って帰った。

そして、仕事から帰ってきた旦那にも、今日の話を報告しなきゃと、喋ろうとすると涙が溢れる。

旦那も相当ショックだったようで、しゃがみ込んで泣いていた。

二人で、一緒に泣いた。。。