熱が下がる | 逆境を逆手に

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脳腫瘍の夫と、小学生兄弟育児日記

翌日の朝、熱を測ると、37度。
熱が下がった!!これでもう大丈夫だと喜んだ。
でも次男の様子は元気がない。まだ呂律が回っていない。なにより座れない、立てない。
子供って熱が下がったら、だいたいケロッと元気になるはずなんだけど、しんどいと言う。
先生や看護師さんに聞いても、
「昨日まで高熱だったので仕方がないよ。経過観察も大切な治療です。」と言われ、またも引き下がってしまう。

お昼になっても夕方になっても夜になっても、元気がない。それに固有名詞を忘れている気がした。まくらとかふとんとか、そう言った言葉が出ず、本人もイライラし始めていた。

体温計を脇に入れたり、汗で髪が濡れることや、血圧計をまかれることや、体にサージカルテープをつけられるのを痛い痛いと言って極端に嫌がり、感覚が過敏になっている感じがあった。

その日はお昼から脳波検査もあり、その検査の後の洗髪もお湯が熱いと言って、水のシャワーを看護師さんや私にかけて怒ってきた。
そんな感じで、性格も激しくなり、いつもはおだやかで可愛い次男が、私に「うっさい!あっちいけよ!!」と、普段使ったことのない言葉をいうようになった。

脳波検査の結果は異常なし。
起きたら頭についているコードを怒ってとったようなので、寝ている間しかデータが取れなかったとのことだった。
「今のところMRIも脳波も所見なしなので、診断が出ないので経過観察ですね。次は1週間後にMRIの検査の予定です。」と言われた。

しかし、安心のデータが揃っていっても、次男の様子は悪くなっているように思えて怖かった。

その夜、とうとうネットを開いて調べてしまった。脳症や脳炎、脊髄炎、怖い病気の症状と似ていて、恐ろしくなった。どの記事にもすぐに処置しなければならないと書いてある。それならなんでまだ次男はなんの処置もしてもらってないの!?もう間に合わないんじゃないの?来週の水曜日まで待たなきゃいけないの!?
先生にも看護師さんにも何度も何かおかしいと言ってきた。

私は過呼吸になり、ナースセンターに助けを求めた。
看護師さんはナースセンターの入り口に椅子を置いて、「大丈夫ですか?血圧測ります」と言って測ってくれ、「問題ないですよ」と言った。
私はもう弱っていく我が子のとなりで、寝れない夜を暗闇で過ごすのが怖くなっていた。

みたくない、でもみていたい。
部屋に帰りたくない、でもそばにいたい。
この葛藤。
母親ならわかってくれるだろうと思う。

だけど、看護師さんに「ここ入り口なので、ねぇ…」と言われ、5分ほどでそこを離れた。そこからは信じられない暗闇。
誰が助けてよ。

でも幸い私には、生涯の親友がいる。
どんな時間でも話を聞いてくれた。
何度慰められても、また思考はネガティブなほうに持っていかれ、でもそのたびに彼女が助けてくれた。
そして、家族もその他の友達もみんなが気持ちを共有してくれ、長男の世話も協力もしてくれた。

親友や家族がいなかったら、私は多分狂ってた。。

世の中には病気が違えど、私のように暗い病室で心を痛めるお母さんがいらっしゃるはずです。
もしかしたら、頼れる家族や友達も近くにいらっしゃる状況じゃなくて、ひたすら耐えていらっしゃるかもしれません。

このブログを読んでくださっている方もそうかもしれません。気持ちとてもわかります。
誰にも分かってもらえない気持ちに、このブログを読んでもらうことで、寄り添えたらと思います。