記憶に残るふたつの傑作。タイドラマ「HappyBirthday」と中国ドラマ「瓔珞」 | まりのブログ

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性同一性障害者の私が、思いのままに生きるために頑張って生きてます。
性別適合手術をしてから2年になりました。
私はトランスジェンダーとして誇りを持って生きてます

超絶イケメンによる、超絶面白いドラマに出会ってしまいました。

タイドラマ「Happy Birthday」全13話、現在4話。
ターンナムは自ら命を断った。その頃、彼女には弟が生まれていた。
「Happy birthday トンマイ...」
17年後。トンマイは順風に育っていたが、姉を失った家族は悲しみを背負ったまま、今日まで生きてきていました。
17歳の誕生日。トンマイは父に部屋を貰います。それはかつての姉の部屋。
トンマイは新しい部屋に喜々としますが、その夜、彼の前に姉が現れた。

凄いです。...いえ、非常にオーソドックスなドラマです。しかし、テンポは良く、更に笑い、胸に来るエモーショナルな綴りまでたっぷり、また、サスペンスフルな要素もあり、非常に満喫した時間を味わえます。
素晴らしいです。機会があれば何とかしてでも、第一話だけでも、観て欲しい。もし、タイドラマってまだまだ未熟...なんて思っている方が居たら、目を開かされます。
第一話だけでしっかり胸を掴んできます。


過去を引き摺る家族に、日々、満足至らぬトンマイ。決して悪い家族では無いけれど、うちに無いものは、一年の、ある一日に強く実感させられる。
それは僕の誕生日。
何故か?それは姉のターンナムが命を断った日だから...
父はトンマイの言葉に返事すらしません。まるでターンナムを失ったのがトンマイのせいであると言っているような...そんな責められているような気さえしている。母はいつも辛そうだ。
僕は...幸せなのだろうか...
また17年も悲しみと遣りきれない思いを抱え続けている、芸能人のティー。夢を叶えようと必死で頑張って、今やマルチで活躍し大人気。しかし、彼の心はもう限界でした。

事務所側の意向を無視して休養宣言をしたり、お酒に溺れ、仕事もまま成らない状態に。彼は幾度もターンナムの夢を見ていて、その夢でティーは必死でターンナムへの想いを語りますが、ターンナムは「どうやって信じろと?一度、約束を破られたのよ」
罪悪感から救われたいティーを、奈落に落とします。
彼に寄り添う大学時代の親友でマネージャーを担うルックゴルフも、そんなティーの姿に胸を痛めていました。

しんみりムードが漂い、切なさが私達の胸に染み始めた時...トンマイの前にターンナムの幽霊がが現れます。
その時のジョーク一発は快感でした。
タイらしい、まさにの"笑い"が堪りません。
タイのアーティストたちは、観客視点を理解して、私達ために作ってます。アーティストぶった作家の自己主張など有りません。この作品は私達が楽しむために提供されていると感じます。

トンマイの前に現れたターンナムは満面笑顔。比べ、慄くトンマイは大パニック!
「オバケ~!」
慌てて逃げ出すトンマイにターンナムは飛び付き、髪を引っ張るわ振り回すわ。
「お姉ちゃんよ」
「!姉さんは死んだ!」
そして揉み合ってタンスに頭をぶつけて脳震盪。

「...変な夢だな」
しかし傍らには「へへ」と満面笑顔のターンナムが。
「怖い」
「何もしていないのに怖いの?」
「存在が怖い!」
「私が見えるとは驚いたわ。他の人には見えないから。父さんは部屋に来ても気付かないもの」
「ずっとここにいたの?」
「うん」
「どうして生まれ変わらないの?」
「出来るならとっくにそうしてるわよ」
...ここでトンマイ、ターンナムにそっと手を伸ばし、頬をパチンと叩きます。すると条件反射みたいにターンナムもトンマイの頬をパチンと叩き返します。ふたりはその手応えに驚愕。
で、もう一回、トンマイは姉を叩いて
「再確認」
ターンナムも逆襲します。

ここに母が登場。
「見えない?」
「何の話?」
ターンナムはにこにこ笑っています。
トンマイは逃げるように食卓へ。しかし階段の上ではターンナムが、にこにこ。

ターンナムはトンマイにしか見えないことも分からず、自殺に纏わる理由も覚えていません。
...これがサスペンス性を醸します。第四話まで観ても、その謎はさっぱり分かりません。ただ、ターンナムの死に関し、ティーが異常なほど悔やみを抱えていて、それは「もう待ちきれない」と残したターンナムの遺書にある、待たせ、支えれなかったティーの力不足には有るようなのですが、それが、あの明るいターンナムを自殺にまで追い込んでしまうものか?と不思議に思います。
そして、トンマイの母が夫との口論の中で口にした「ターンナムを死に追い詰めた理由はティーでは...」そんな言葉が気になります。

...それから作品のエッセンスとして?タイの宗教観?そこでは、故人の為に物を燃やすと、それが故人に届きます。
トンマイはターンナムに頼まれて、学校の制服や幾つもの洋服を焼いてあげます。しかしそれは、まだ過去に縛られる父の怒りを買ってしまいます。
姉のために...
それがまた、より、家族の繋がりを複雑にしてしまいます。
この父、非常に頑固で、ターンナムの死から乗り越えられず17年も塞いで生きてきた人。しかし、怒りに任せてトンマイが幽霊のターンナムから貰った腕時計を取り上げたりしてしまいますが、後にそっと電池を交換して棚の上に置いておいたりと、優しき父の側面は失ってはいませんでした。
とは言え、この父は非常に厄介な人で、感情が高まると止めどころを見出だせず、ティーは勿論、トンマイにさえ罵詈雑言浴びせかけてしまいます。
つらいのはあなただけじゃない。

...本当に、本作にある"家族崩壊"は厳しい。
必死で平穏を振る舞っているけれど、涙混じりの母、狭間で苦悩するトンマイの姿は、始終、胸が痛みます。
ターンナムは
「ごめんね。全部、分かってる。私はあの部屋で全部見てきたから」
縛られる続け、ターンナムの部屋で泣き崩れる父の姿に、どれだけターンナムも胸を痛めてきたかが分かります。
「私が家族を変えてしまった...あなたの誕生日も祝えなくしちゃった...ごめんね、トンマイ」

トンマイには幼馴染みの女の子、ノイナが居ます。実はトンマイはノイナが好きでした。しかし、ノイナは束縛の強い恋人が居て、トンマイはいつもノイナの前では、ひねてます。
そんなノイナは明朗快活で元気いっぱい。悩むときは非常に悩みますが、一転、前向きに成るのも早い、めげない健康優良少女。また、ティーの大ファンで、いつもティーの話ばかり。
更にノイナはターンナムの同級生で親友のチョンプーの娘で在ることが発覚。ターンナムは全力でトンマイとノイナの縁結びを手伝います。
...このチョンプーさん、凄い弾けてます。確実に口から生まれてます。ノイナの性格の礎だと説得力抜群です。
それからノイナを演じたのはドラマ「Who Are You」で主人公マインドを自殺にまで追い込んだいじめっ子、ティダーを演じたプローイションプー・スパサップ。...そのティダーのイメージは最悪(演技ではなく役柄ね)で、「ハッピーバースデー」での初見、悲鳴をあげてしまいました。しかし、このノイナ、非常に愛らしく、肩を落とすばかりのトンマイを姉に次いで救ってくれる善き友でした。
「Who Are You」と言えば、トンマイの父と「Who Are You」でクリスが演じたナのお父さんも同じ俳優さんが演じています。ちょっと不器用な役が十八番っぽいのかな?
他にも何人か「Who Are You」の役者が出ています。

そんな時、"同窓会"と言う、スターが母校を訪ねると言う企画があり、ティーが来訪することに成りました。ノイナは浮き浮き。トンマイは気にしていませんでしたが、ターンナムがティーと同級生だと知り、会いたがっていることを知ります。
ティーが来て、誇らしげに彼を見守るターンナム。
ティーはインタビューの際、好きで付き合っていた人が居た、と語ります。
幸せそうに微笑むターンナム...

そんなティーを見守る用務員のタイさん。体育教師でティーの同級生、更にトンマイの担任でもあるパナ。
彼等の些細な態度や言動は、もしかすると何かターンナムに纏わる真実の糸口に成りそうな気がします。
タイさんはターンナムと縁があり、おそらくターンナムは彼の高校?卒業試験を手伝ってあげていたようです。無邪気なターンナムはトンマイにその事を質問させたので、タイさんはそんなトンマイを恐れるような目で見返します。
パナ先生も、過去、ティーとターンナムの伝言を伝える役を果たしていたりしていたので、過去の真実に関わっているか、知ることが有りそうです...
ちょっと怖い事件がありそうな...この予感は外れて欲しいです。

トンマイとターンナムは、かつてのティーの家に侵入したり、幽霊の飼い犬ハトリと触れ合ったり?と、ちょっとした冒険を経て、更に心を近付けていきます。
トンマイは心残りのターンナムを見て「ティーに会いに行こうよ」と誘います。
ターンナムは奇声を上げて喜びます。
「あなたって最高に可愛い弟ね!」

そしてターンナムはティーと再会します。
感極まったターンナムは、トンマイの手を握り、涙ながらに溢します。
「ティー、ごめんね、待てなくて」

...本作の主題歌は切なげな、愛を振り返る歌です。それが肝のシーンに流れます。
ここでも。
♪昔、愛し合っていたのよ...
あの日から私の心はあなたを忘れられない...
私を覚えている?
復縁なんて望まない
ただ呼び戻したいの
消えてしまった思い出を...

ティーは、トンマイにターンナムの姿を見ていました。そして逃げ出してしまいます。
トンマイとターンナムはそれを"憑依"として理解しました。
想いの欠片が伝わった...しかし、ターンナムは非常に重い"辛さ"に心を痛めてしまいます。
それはティーも。
ティーは、ターンナムの父から毎年届いていた手紙を、ルックゴルフの元で受け取ります。
ルックゴルフは夢のためにとそれをティーに渡さず隠していました。
ティーは故郷へ足を向けます。

少しずつ露に成っていく其々の思い...17年間、如何にして生きてきたか...どうしようとしているのか...
そしてトンマイが動くことで、眠っていた真実への鍵が目を覚まし始めます。
封じたもの、目を背けてきたものが解かれます。
そして彼等が思い出し、振り返り、流れる回想シーンが、分からなかった"その時に起こっていたたくさんの真実"を浮かび上がらせていきます。

トンマイを演じたのはプリム・ラッタナルーァンワッタナー君。穏和な風貌を活かし、愛らしいトンマイを描き出します。彼が感情を隠す様も、溢れ出す様も切なさたっぷりで堪りません。ですが、笑いパートも魅せてくれます。
ティーを演じたのはプッチーチャイ・カセッティン。ドラマ「ニラの復讐」でニラを救い、更に愛し合うことに成る叔父を演じていました。泥沼のような展開の中でニラを演じたピムチャノック・ルーウィセートパイブーンと共に非常に美しい華でした。本作でも非常に美しい。以前書いたように、彼はいつも辛い状況を堪える役まわりなので、辛そうな顔をしている時が多く、可愛そうでなりません。イケメンアイコンなだけでなく、ぐっと感情移入までさせられてしまいます。
CS放送では、"タイが誇る超絶イケメン"とハードル上げて宣伝されていましたが、言い過ぎでは無いくらい素敵なのですが..."超絶"は彼に負担掛けすぎです。
ターンナムを演じたのはラパッサラン・チラウェートスントンクン。タイでは非常に人気らしいです。確かに可愛いんですよね。朗らかで愛らしく、誰にでも好かれそうなタイプ。
故に「自殺する?」と思いそうですが、彼女の朗らかさこそ、よく言われる「一見、そんな...そんなことをする子では...」そう思われる子、誰にでもあるそんな陽と、そして陰の部分、それが、あの日のターンナムなのかもしれません。
何故?それが私達をターンナムに引き寄せます。
ですが、やはり彼女の笑顔が、誰よりも煌めいています。

♪優しかったあの人が冷たくなってしまった
隣を歩いていたあの人が遠くに行ってしまった
親しかったあの人が、今では他人のよう...
どうして無視するの?私には分からない
2人の間に愛の炎が消えたから
そんなに冷たくなったの?
挨拶だけでも出来たらいいのに
私を覚えている?
昔、愛し合っていたのよ
あの日から私の心はあなたを忘れられない
私を覚えている?
復縁なんて望まない
ただ呼び戻したいの
消えてしまった思い出を...

ティーはまた、ターンナムの夢を見ます。
「なんで泣いてるの?」
「僕は死んだ方がいい」
「何故そう思うの?」
「...死は怖いかい?」
「怖くないわ」
「これからはお酒に酔わなくてもいつでも会える。だってずっと一緒だから。...もう苦しまなくていいし、傷付くこともない。...ずっと待っていたのよ。私のところに来て」

ティーは椅子を部屋の真ん中へ。その上に乗り、布を輪にして掲げます。
そして...

...感動必至とも謳われる「Happy birthday」
ここまでシニカルかつ繊細なドラマとして描かれていますが、まあ、非常に愛らしく笑いと共に観られるのが、ちょっと驚きです。
それでもここぞのシーンは涙を容赦なく絞り出させてくれます。それも「泣け!」と煽られるのでは無く、じわ~っと染み出て来ます。
気付けば、あなたもターンナムとトンマイと一緒に、たっぷりのハグを味わっていることでしょう。
「ハグしようか?ハグさせて!キスがいい?」
誰よりも辛い思いをして命を落としたくせに、ターンナムは非常に明るく愛らしく、作品の光と成っています。
いつか、彼女の死の真相が明らかに成った時は、ちょっとどころでは無く胸が痛いかもしれません。ですが、死してもなお続く人生をあえて暗く生きる必要はない。辛いのは辛いに決まっている。でもあなたの前に居る、あなたが遣りきれなくなるほどの愛すべき人を見たら、きっと微笑みが零れる筈。
だからターンナムは愛らしく微笑む。

でも...そうは行かない人がいる。
ターンナムが死んだ。
ひとりの死が17年間も人々の人生を狂わせた、そして止まってしまった。不幸で最悪の日々。
だから、皆がその真実に向き合い、認め、許し合おう。そうしたら、また人生が動き出す。
そんなラストに成る筈です。
第四話のラストは衝撃的でした。当然、ティーの人生はまだまだ終わりません。終わらない筈です。
罪悪感。そしてまだ出来る、誰かのための大切なこと。それに気付く物語だと思います。


中国ドラマ「瓔珞(エイラク)~紫禁城に燃ゆる逆襲の王妃~」全70話。現在6話。
魏瓔珞(ぎえいらく)は清王朝の宮廷に女官としてやって来る。
彼女は華やかな後宮に目を輝かせる事も無く、待つ厳かな世界に緊張している様子もない。その目は、まだ見えぬ何かを見据えているようだ。
同僚がミスをしても冷静に庇い、自分に嫉妬し邪魔や嫌がらせをするような輩には、容赦なくやり返した。
そんな彼女の秘めた目的とは。
後宮で命を落とした姉の復讐。姉は首に絞められた痕を残し、息絶えて、故郷へと戻った。荷物は無く、死の詳細どころか噂ひとつも告げられなかった。
だから。
恨みゆえ、家族にも見捨てられた瓔珞は、ひとり後宮に足を踏み入れる。

本作もまだまだ序盤ですが、その惹き付ける力は凄まじい。超絶面白いです。
ちょっと、瓔珞を演じたウー・ジンイェンに愛らしさを感じていなかったので、「瓔珞」に期待していなかったんです。
でも「天舞紀」のシュー・カイ出てるし、後には「蝶の夢」のローレンス・ウォン出るしと思って観てみた訳です...
そうしたら、まあ、第一話から圧倒です。
目的のためになら瓔珞は耐えるし、ここぞと言う時は躊躇い無く戦うし、姑息にも成るし。その切り替えが素晴らしく、どれだけ先を読み、考えて選んだのか?と感心させられるほど、巧みで上手い。
彼女は、彼女の道を遮ろうとする輩を次々と黙らせ、時には追い出してしまいます。
また、瓔珞の姉は、おそらく人格者だったので、彼女を知る人は、瓔珞の想いを知ると、味方こそしないものの、瓔珞を敵視しません。それはあくまで敵たる同僚さえも、瓔珞を一目置いてしまう状況に。また、瓔珞に追い出されようとする女官も、最後には瓔珞に忠告をするほど、瓔珞の気迫に圧倒されます。いえ、もしかしたら、その女官にも瓔珞の姉との良き縁があったのかもしれません。善き彼女の死を悼んでいたのかもしれません。
だから、瓔珞は敵を作りながらも味方を増やして行くことに成りそうです。
「白華の姫」のように、その誠実さと抱える悲運ゆえに気付けばみなが彼女に寄り添っている、そんな終わり方をちょっと期待してしまいます。
宮廷ものでは難しいかな...

宮廷の話なので、女官の話ばかりでは有りません。話の鍵は皇后と貴妃、側室たちのいさかいの中に真実が隠されていそうです。
ある事件から、瓔珞はその世界に口を出してしまいます。それは側室の中でも最たる力を持つ高貴妃に目を付けられます。
この方、唯一、京劇や清王朝映画などで見聞きする、"調べ"のような独特な話し方をされます。それが非常に嫌らしい。
まあ、見て聞いて、如何にもな最後の敵。化け物めいています。
しかし、ちょっと聞いた話では、実話に当たるものか本作にあたるものか分かりませんが、この高貴妃、実は瓔珞の姉が死んだ際には取り乱し、その死に一番に疑いを掛け、死の真相を暴くべく動いたそうなのです。
え?この人が?あえて言うラスボスなのでは?
ちょっと...圧倒されます。
人の思いは、複雑で、計り知れないもの。
それを一番に体現されるのは、この方なのかもしれません。
皇后や他の側室の方々も一筋縄では行かないような、秘めた思いや策謀を抱いているようです。如何にも誠実そうなお方も、PVを観ると、なんとも怪しい表情をされていました。
流石に70話も有るので、泥沼の気配は、瓔珞の爽快な勝利をしても拭えません。

高貴妃。インパクト強烈です。

私の記憶では清王朝あたりの話と言うと「西太后」が思い出されます。「さらば、わが愛」や「芙蓉鎮」は文革あたりの話だったでしょうか?どれも重苦しく、映画としての質の高さは文句無しなのですが、何せ痛々しい。赤裸々で壮絶、凄惨。
なので中国近代史はちょっと抵抗が有りました。しかし、私は「宮廷の茗薇」を観ていて良かった。お陰で非常に取っ付きが良かったです。
茗薇の名字、雅拉爾塔(やらるた) に通じる似た名前も並び、また愛新覚羅(当時は満州語で、あいしんぎょろ)や、茗薇といさかいを起こす一族、納蘭(なーらん) の名前も聞こえます。またもや性格悪い!
明確では有りませんが、茗薇の二世代ほど後の話のようです。当時はまだ50そこそこで亡くなられる時代でしたので分かりませんが、茗薇のキャラクターで生きている方も居られたのではないかと思う時代のようです。
そう思うと、また思い馳せるところが出て来ます。
"知っている"ことは、より見えるものが増し、作品や人への関心は勿論、愛着も数倍です。

瓔珞は実在の人物を基にしています。
彼女は、のちの孝儀純(こうぎじゅん)皇后、魏佳(ウェイジア)氏です。
彼女は身分の低い生まれだったそうで、その父親は官僚でしたが、官位は低く、その名は記録にも残っていません。
また、乾隆帝が詠んだ詩の内容から、彼女は富察(フチャ)氏(孝賢純皇后)の下で教養や礼節を学んでいたとの説があり、「瓔珞」ではこれを踏まえて、刺繍工房の宮女だった瓔珞がやがて富察氏の侍女となり、富察氏から後宮での処世術を学んで成長していく、そんなサクセスを経ていくことに成るようです。
1745年、乾隆帝にその美貌を見出された魏佳氏は、16歳で魏貴人に、そして3年後には
令嬪となり、さらに11年後には令貴妃にまで昇格します。
この「令」と言う字は「美しい」という意味で、乾隆帝が彼女の為に中国最古の詩篇「詩経」の一節から取ったと言われています。
それは、彼女が乾隆帝に寵愛されていた証明なんだそうです。

ドラマ「瓔珞」では創作の部分も有り、よりダイナミックかつロマンティックに人の縁が紡がれます。
シュー・カイ扮する富察傅恒(ふちゃふはん)も登場しました。彼は衛士ではありますが、皇后の弟なので、立場は高く、また宮女らは必死で縁を作ろうと策を練っています。
...瓔珞は密通を疑われて死罪にまで成り掛けたのに、この宮女たちは問題無し?...
まあ、彼は女性など目にも入れないほどの高潔漢のようで、どんな女性でも、さっぱり相手にされません。ですが、どんな切っ掛けが有るのか、彼、瓔珞を溺愛してしまうようです。瓔珞は愛と復讐の狭間で悩むことに成りそうです。
シュー・カイ、またカッコいいんです。
ドラマ「招揺」で門主を演じた時くらいイカしてます。国宝級イケメン(CS放送告知による)ですからね、名に恥じぬイカした立ち振舞いが素敵でした。
ちょっと童顔なところもまた良いのかなあ...

「瓔珞」魅力以外感じないほど、魅入ってしまっています。
中国のドラマの良さに「時代の流れに揉まれ、いろいろ有りました。でも幸せでしたね、今も幸せです」と時の流れを振り返り、また続く時を思う、そんな哲学が有るように思います。
戦乱に勝ち、愛する女と結婚すれば太平、そのくらいではまだまだこの人類の達観には届きません。韓国も日本も「瓔珞」を観ましょう。

このシーンは記憶に残るシーンです。
側室、愉貴人(ゆきじん)が妊娠をしたのでそれを高貴妃に知られると、某かの策謀を働くのではないか?と疑っています。
親しい側室、怡嬪(いひん)が彼女を守ろうと嘘を吐き、高貴妃を近寄らせないようにしますが、結局、疑った高貴妃は見舞いとして乗り込み、体のためにと偽り、毒を飲ませようとします。
怡嬪はそれを止め、策謀を暴こうとしますが、本の知識しかない医師はそれが毒とは暴けませんでした。
その為、怡嬪は私の責任だからと全ての罪を背負う、と、顔が腫れ上がり傷を負う程の殴打の罰を受けます。
その際、愉貴人は彼女の前に出て「これ以上、彼女を叩くなら私を叩きなさい」と立ち塞がります。
侍女は笑いながら「私にはあなたを叩けません。お子に何かあったらどうするのですか?」
結局、彼女は罰の後、首を釣って命を断ってしまいます...
跡継ぎを生めば、お家の名誉に。そんな時代に、女たちは友情の為に命を投げ出し、友の為に涙を流します...

(まだ序盤なのに無責任ですが)「瓔珞」は、ある真理を描き出すのでは無いかと思います。もしくは私達がそれを悟り得られるような作品だと思います。
心から、期待しています。


☆先日、体が痛み、顔が浮腫む、と嘆きましたが、未だに変わりません。ちょっとばかり痛みは無くなって来ましたが、顔の浮腫みが人に見せられないレベルです。
ネットで調べてみると、鼻腔など耳鼻科周りの器官に細菌が入って起こす炎症に可能性が有りそうです。
こんな時期ですし、どうも医院に行かないで解決したいと願い、苦痛にも耐えていますが、ちょっと...大丈夫かな...
自律神経まわりの問診票でも3つ以上当て嵌まれば...と有るところ9つ当て嵌まってしまいました。痛みがあるなんて項目もあるので、実際はもう少し少ないと思うのですが、これがコロナ禍における"体の変調"のひとつ?なのでしょうか?
...私、顔がむくれるとパタリロです。まさに"潰れあんぱん"です。

...まあ、それも有り?パタリロ好きだし。:p
うにゃ!マライヒがいいよ~!
無念。