アジアが世界を先導する...かもしれない、偏見を越えていく映画と、友情の物語。 | まりのブログ

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性同一性障害者の私が、思いのままに生きるために頑張って生きてます。
性別適合手術をしてから2年になりました。
私はトランスジェンダーとして誇りを持って生きてます

相変わらず雨が多い毎日です。そんな時は、質の良い映画が面倒くさく成る(不謹慎な!)時期で、「メアリーとエリザベス」とか「ブラック・クランズマン」が犠牲に...
良い映画なのは分かるのですが、ちょっと観ていてわくわくが湧いて来ませんでした。もう途中で"うつろ~..."としてしまいました。
...あああ、映画の道を過去に目指した私としては、自らに緋文字"A"を刻んでしまいたい。
厳かな映画愛を裏切り、軽んじ、英知と情熱の結集を邪険に扱ってしまいました。

なので意義ある愛の物語を。韓国映画?ドラマ?...です。
「君の視線が止まる先に」
財界首位のTBグループの後継者テジュは気ままに学生生活を満喫していた。そんな彼を影のように守るのは、ボディーガードのグク。ふたりは雇い主と雇われ人の関係だけで無く、信頼する親友でもあった。
そんなある日。二人の前に転校生のヘミが現れ、彼女のけしかけのような発言や行動に、ふたりの安泰な日々がさざ波立つように成った。
それ以来、テジュはグクとの絆を強く意識するようになるが、素直に向き合えず、余計な言葉や態度を必要以上に振りかざすように成ってしまう...

本作は、財閥の御曹司とそのボディーガードとして幼い頃から共に育ったふたりの、BLラブストーリーです。
話は非常にシンプル。粗筋まんまです。その後も想像する通りです。あえて言うなら、韓国なので、暴力有ります...
ですが、それを超えて、繊細な思いのドラマが丁寧に描かれます。
非常に設定は良いし、ふたりの距離感は見応えあり。テジュを演じたハン・ギチャンはアジア全体で通用する華あるタイプで、グクを演じたチャン・ウィスは如何にもな韓国人タイプ。また、この風貌の違いが非常に良いエッセンスと成って機能していて、良かったです。

...なのですが、どうも本作の描きに物足りなさが... 。行間が無い、必要なシーンだけを繋いだような展開なので、非常に表面的で、シーンがさらっと流れてしまいます。
言うなら、全く無駄がありません。そう言うと良くも感じそうですが、やはり、キャラクターを引き立てるシーンはその映画を道筋以上に膨らませてくれるものです。
例えば、学業や、生活の状況、何かを始めたら描くべきその過程、その変化などがさっぱりで、時間の観念や学生ドラマに有りがち...有るべき、タイムリミットへの焦れのようなものも殆んど感じられません。
終盤こそ、居ても立っても居られない!みたいな展開は有りますが、どうも"成るべきだから成った!"と言うより、そろそろクライマックスだから...そんな閉めでしかないような気がしてしまいます。「そんなに思っているなら、もう少し早く、上手くやりなさい!」と、"あえて振り返るなら"、そう思います。
まあ、あくまで"あえて振り返るなら"です。
非常によく纏め上げられた、ベタなBLドラマでした。

"あえて"欠点を言うなら。
変に周囲、それも女性がゲイを茶化したり、色眼鏡むんむんなのはナンセンスかと。
韓国ですよ!有り得ません。LGBTへの差別がトップクラスの国で、茶化して笑うなんて... 。
茶化すくらいなら、白い目で見るでしょう。

それから、主従関係がミソとは言え、財閥の御曹司設定もリアリズムを欠いて浮き世です。そのせいか乗り越えるべきカタルシスが薄っぺらいのが残念。高校生がボディーガード!それ以外の意外性はありません。
イベントらしいことも特に無く、ちまちまイタズラしていたらいつの間にか恋愛モード、そして愛を語りだす...
なんか切なくな~い。わくわくしな~い。嫉妬のエピソードなんて子供っぽ過ぎ。
手を伸ばせば届く距離で、トラブル起こしにわざわざ揉めて、離れては近付いて...そんな展開ばかりなのも微妙です。... まあ、良く言うなら、劇中で行われる柔道の組み手のよう?...なのかもしれません。

しかしやはり、"悲しい"、"辛い"の描きがいまいちで、いさかいは有りますが、子供がただを捏ねているくらいのもの。筋肉見せびからしてカッコつけてないで、きちんと向き合い、思いを積み重ね、溢れ零れる愛を、語って欲しかったです。
なんか子供っぽいんです。学生だから?
だから、財閥後継者なんて設定が邪魔をするんです。あんな厳しい父なら、教育もしっかりで賢く育ったろうに...そう言うところを活かして欲しかった。
世界は70年代物~90年代にそんなお粗末若者映画を観てきました。もう次の段階を描いています。本作はまた、"そこ"を繰り返します。普通過ぎて「まだここ?」と焦れます。
また、全体的にだらだらとランタイムを無駄に消費するばかりの展開で、厳しく言うなら...退屈でした。いちいち長いです。編集して45分でいいです。

しかし。韓国得意の糞便ジョークや暴言が無くなるとこんなにも愛が綺麗に見えるものなのか、と味わい深く、何より、ホッとさせられました。
駄目映画かもしれない。でも、「悪くない」と言いたくなるくらい良いベタさが有るんです。

前述、LGBT、中でもトランスジェンダーを異端のように扱う韓国社会が、もしこのドラマを受け入れているのなら、人が人らしく生きるための素晴らしき敷石となると期待しています。
出演したふたりにはキャリアの踏み台ではなく、旗頭に成って欲しいです。

終盤、テジュの父による「お前なんて育てなければ良かった」...この台詞は、全ての悩めるLGBTが一度は経験し、心を砕いた言葉です。
そんなシーンが有ります。非常に胸に来ました。... ですが、監督が見せたかったのは、暴力を食らっても思いに挫けずにいるグクらしく、残念ながら、これもさらりと流れてしまいました...

惜しい。なかなかです。次に作られる作品に期待は尽きません。必見ではあります。
しかし今のところは、良きタイBLの"紡ぎ"に負けていると感じました。
頑張れ!とエールを贈ります。


で。タイドラマ「Love beyond Frontier」がBSで始まっています。
ワンは香港から母を探しにタイへ。しかし、空港でウィンとプルとぶつかり、その際に鞄を取り違えてしまいます。
ワンは母が住んでいる家に行きますが、そこに母は居なく、代わりにパットと言う女性が住んでいました。彼女は自分の母に、強く独り暮らしを否定されていて、「直ぐにでも帰って来なさい」とパットを追い詰めていました。そんなパットは「生きたいように生きたい」と焦れますが、なかなか思うようには生きられていません。
そこに現れたワン。パットは彼を追い返してしまいます。行き場を失い途方に暮れるワンは、酔っ払いに絡まれて大怪我をしてしまいます。
そんなワンを憐れに思ったパットは、ひと先ずワンを家に泊め、母探しを手伝うことに。
そしてウィンとプルと再会します。
プルはルームシェアをするシェアハウスの責任者で、そこにウィンは住んでいました。だってウィンはプルが大好きです。しかしそのプルは、ワンとのちょっとした運命の繋がりが有った事で、ワンに心底惚れてしまっていました。またウィンとパットもちょっとした「気に入らない!」縁が有り、複雑な出会いとなりました。穏やかには行きません。
その時、実はパットは母の来襲にあい、ワン諸とも居場所を失っていました。
そこでアイデア。4人の同居生活が始まります。
果たしてワンは母親を探し当てる事が出来るのか?そして恋の行方は?

こちらはBLでは無いのですが、どうしてもタイBL勢が出演しているもので、ついついBL展開を待っている自分が居たりして。
基本は、思い抱えた若者による、青春群像劇です。
見所は、孤独なワンが、同世代の友を得る事で、素直に明るく生きられるように成るところでしょう。また、母探しとその再会も心揺り動かすに違い有りません。
...でも、母、意外に近くに居そうです。
で、ワンを軸に恋と人生ドラマを繰り広げ、みんなひとりで何とかやれる!と思っていたのが、友と一緒なら!に変わるのだと思います。
軽いノリながら非常に観やすく、愛らしいキャラクター手伝って、楽しいです。

タイの町並みや空港、寺院など、私の琴線に触れるようなタイ映像も見られます。

本作は2019年の作品で全13話。
現在、放映第2話。
ワン役に「Sotus」の、クリスことピーラワット・シェーンポーティラット。
「Sotus」シリーズでは非常にSな男性を演じました。更に以前お薦めした「I'm Tee, Me too」では母が亡くなりひとりに成った青年が同居人と心を癒していく姿を繊細に演じました。...心に傷や空虚感を持っている役が似合うのかもしれません。
クリスの、結構、お茶目な演じが有りそうです。

ワンはあれこれ足りない子です。きっと大人に囲まれて育ったのかと思います。ただ心は非常に無垢なので、それが周囲に影響していく様は楽しみのひとつです。
プル役にナムターンことラミダー・ジーラノラパット。歌手だそうです。

目がくりくりで、表情がころころ変わります。いつもニコニコほんわり、仕草が非常に愛らしく、なんだか"ペコちゃん"みたいで、可愛らしいです。
ウィン役に「ダーク・ブルー・キス」の、ニューことティティプーン・テーシャアパイクン。
ちょっと詰まり気味の話しっぷりが特徴で、故か甘えキャラが多いような...今回はプルとの距離感に悩む繊細な部分を見せながら、実はなかなかのボケキャラしてます。
パット役にジェーンことティパナリー・ウィーラワトノドム。新作ドラマで、ちょっと日本でも話題に成りそうな「Who r U」にも出演しているようです。
個人的にはヒステリー気味のパットが心内の優しさを溢し始めて、それが彼女らしさに代わって行く様が楽しみです。まあ、ウィンとのあれこれのせいで、さっぱり変わらないのが彼女!...そんな展開も有り得ます。

はてさて彼らの思いやり故の珍道中が、どんな結果を生み出していくのか、非常に楽しみです。


中国畑は相変わらず、ドラマ三昧しています。どっぷり填まっていますが、やはりいまいち展開しているものもそこそこ有りますね~。
そんな矢先、ちょっと気になる作品を知りました。
「陰陽師」です。映画?でしょうか。NetFlixなんて関連情報も...
原作が夢枕獏と記載されているので、まさにあの「陰陽師」で良いと思います。

しかし、やはり、原作日本映画を忘れるほどのハイクオリティぶりで、まあ、凄いです。
今時ならではのVFXが圧倒的で、またそこに中国武侠のダイナミックさが画面を彩ります。
妖しい女術師?、黒い羽根の生えた何者か、巨大な蛇を操る者...

日本映画をさっぱり覚えていないので、符合するのか分かりませんが、非常に雰囲気のある良きリメイクだと思われます。
楽しみでなりません。

もひとつ、最近音沙汰の無かった、焦がれのアリシア・ヴィキャンデルの「アース・クウェイク・バード」(あの、日本で撮影されたラブストーリーです)の映像を何気無く発見。(過去に観たかもしれませんが)
おそらくNetFlixユーザーはもう過去の作品なのでしょうが、私にはまだまだ期待の待ちわびている作品です。Blu-rayにして~。
映像的には広がりをあまり感じない、地味な映画のようですが、楽器演奏や写真など、ちょっとセンシティブな小道具がちらほら、更に地震も重要な要素のようで、想像逞しくしてしまいました。
しかしまたもやNetFlixか~ネットばかりで最近、観られない作品多すぎで悲しいです。
アリシアの新作は未定の「トゥームレイダー2」とか。ビッグタイトルじゃなくて良いのに...と思いながら、それならBlu-rayも出るね~と楽しみです。


☆先日書いた、右手の火傷痕、ゲルマニウムテープを貼っていたのですが、なかなか良くは成らず、でも諦めず、剥がれても貼り続けてみました。
すると、ぺりぺりとケロイドが剥がれ出し、肌が綺麗に成りました。100%回復とは言い切れませんが、肌に皺が出来るような状態にすると、ちょっと波打ち具合が左手とは違っているくらいです。
ゲルマニウムテープ、ありがとう...(*T^T)。

寝惚け中。

「ドラクエビルダーズ2」も順調...で良いのか!と頭を抱えながらも、チャイナタウンが広がっています。
関所に庭園有りの屋敷、未完成の塔風建物、橋、寺、鳥居の在る風光明媚な池、薬堂を、作ったり手直ししたりを繰り返しながら、より風情ある町作りを淡々としています。

肝の橋が山の向こうでした。薬堂も僅かしか見えません。でも、悪くないでしょ。
でもそんな矢先にダウンロードコンテンツの和風パックを導入した方による、超絶すごい中国風の町を見てしまいました。...圧巻です。
提灯が羨ましい~。
くそ~...でも負けないもん。そんなパック無しでも豊かなチャイナタウンを作ってみせる!と、ちょっと涙ぼろぼろで頑張ってます。
そんな感じで、贅沢に堕落してます。:p