寒いのでお家で映画とタイドラマ。あとゲーム。 | まりのブログ

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性同一性障害者の私が、思いのままに生きるために頑張って生きてます。
性別適合手術をしてから2年になりました。
私はトランスジェンダーとして誇りを持って生きてます

太陽は出ても寒い日々が続きます。
先日は近所の数キロを買い物行脚したのですが、気づけば体が冷えきってしまい、帰宅目前でふらふらに。足取りおぼつかず、何とか帰宅しました。冬の始まりにはタイツを履いて歩きに出て、脚の動きが制限されていたからか、いつもの数倍疲れ、その時も帰宅目前で汗だくふらふら。母に支えられて帰宅したのを思い出します。
人って脆いよね。私がタイで卒倒した時を思い出します。10日間ベッドに居たら、立って、まともに歩けず、シャワーを浴びたら目眩がしてくらくら。その後、奇妙な悪寒に駆られ、このままブルッと来たら何か良くない事に成りそう...そう思って、あの温かいタイで暖房を最大温度にして身が震えるのを抑えました。
温かさ。非常に人間には大事なものだと実感します。また、させられてしまいました。

悟った後はやはり映画を。温まりましょう...と思いきや、本作は心も体も温まりません。
「累、かさね」日本映画。
累(かさね)は母を失った。母は舞台女優として名を馳せた淵透世。そんな母はもうこの世には居ない。それからの累はひとり、引き篭るように生きてきた。親族にも疎まれ、累はただ心を潰して生きていた。
何故、累はそうなのか。
それは累には顔に酷い傷が有った。
母の十三回忌の日。累に羽生田と言う男が話し掛けてくる。彼は、累をある場所に誘った。そこは舞台演劇場。
そこで女優、丹沢ニナと出会う。彼女は憐れな累を笑い飛ばすが、累は塞き止めた心の箍が外れたかのように、ニナの舞台での台詞を演じて見せる。そして母の唯一残した口紅でニナに口付けし、ある願いを胸に思う。すると...
本作はある意味、ファンタジー映画。ですが真は、女の情念渦巻く泥沼劇。タッチは結構なホラーです。
何がファンタジーかと言うと、累の母の残した口紅に願いを託すと、願いが叶うと言うこと。累は口紅を着けてニナに口付けをし、ふたりの顔が入れ替わります。
...しかし、口付けをすると...そんな事をしなくてはいけなかったんでしたっけ?なら叶う願いは少ないですよね...先日のタイ映画「呪信999」と同じで、もう少し上手く願えば良いのにとつくづく思いますが、本作の"出来ること"は誰にもよく分からず、実は顔を入れ換えるくらいしか出来ることは無かったのかもしれません。口紅ですしね。でも、そうなると偶然にも成功した力の発動?いや、もしかしたら、口紅こそが欲望を唆せ、そう仕向けた?
...まあ、ファンタジーですから。その点は良いとして、見せ場は女の情念入り乱れる"いさかい"ごと、それは非常に私達を惹き付けます。

この呪い?のミソはタイムリミットが有ること。そして顔だけしか入れ替わらないこと。
劇中ではそのあたりを駆け引きにしてサスペンスフルなドラマが繰り広げられるのですが、意外にも上手くは活かされていなくて、更に"口付けで入れ替わる"なんて小技を設定したものだから、時々「何故?」と疑問が湧くことも。
また、リアル視点で観てしまうと「杖を振ると何でも出てくる」ネタはやはりちょっと荒唐無稽に感じさせられてしまいます。漫画原作の実写が、多く、アニメ以上に漫画っぽく感じてしまうのはそのせいですね。
「呪怨」などに言える、アメリカ映画の"理由付け"を嫌う人は少なく有りませんが、そうしたアメリカ映画は、やはり多く、リアリズムが嗅ぐわうものです。
もとい。本作。
口紅の力で顔を変えたニナと累は、舞台に立ちたい累の夢を叶えていきます。それは結果として、ニナの役者人生に弾みを付けるとニナも考え、ちょっと危ういトレード関係は出来上がります。またニナは累の出る舞台の演出家、烏合零太に好意を抱いていて、その点も得に成ると考えています。実は累もそのニナの思惑には気付いています。
累は何より、演劇が楽しくて仕方がありません。更に、演技の才能を遺憾無く発揮し、烏合の信頼を得て行きます。その想いは信頼を超え、沸き起こる"愛"のようなものだと気付き始めます。望みを手にして行く累は、瞬く間に表情を変え、発言も行動もアクティブに成っていきます。
そんな浮いた印象の累に生活を振り回されているニナは、次第に興味や損得より、ただ、気に入らなくなって来ます。そしてニナは"累と烏合"の関係に踏み入ろうとします。

ここからは想像通り。二人の女による、顔だけならぬ、人生の奪い合いが始まります。
ただ、安易に出来ない事が有ります。
それは、ニナより累の方が演技が上手く、累の異質感こそが烏合の心を惹き付けていること。そして、累が動く度に"ニナの人生"までも良く変わって行っていると言うことです。
初めは累を鼻で笑ったニナが気付けば累によって人生を良い方に変えられている。しかしそれは自分が得たものじゃない。そしてどんなに自分が烏合に慕われようとも、それは"私"では無い。
さぞや、ニナは複雑な気持ちだったことでしょう。だから。

ニナの、"奪い返そう"とした目論見は容易く失敗してしまいます。邪魔されたからでは無く、やはり"違う人間の底"。
見た目が同じでも、違うのだ。
展開は、さらけ出される欲望の向こうへと堕ちて行きます。
安易に「奪う」「返したくない」とは成らず、変わる感情から、そうしてしまう、そう成らざるを得ない...そんな心理描写と伴って、崩れて行くトレード関係は説得力が有りました。
やはり漫画っぽさは有りますが、その漫画も、不健康少女漫画っぽい。泥沼愛憎、俗欲系で、更に善きホラーとして程好いファンタジーと恐怖が織り混ぜられていて、繊細な人ほど魅入られるかもしれません。「サスペリア」とかが好きだと、ちょっとだけ日本映画に未来を感じてしまうかもしれません。
また、演出も非常に良く、日本映画に多い"引き画長回し"なんて無く、映像がよく動いていて、映画に"流れ"を醸します。
手間を掛けて作られています。シーン配分やテンポも良く、話が停滞する中盤に少しだけダレますが、飽きることは有りません。
終盤はいわく有りき舞台「サロメ」。
この頃には、ニナの顔を得た累は演技の才能を爆発させているので、悩むこと無く挑みます。しかし、欲望によって心が取り付かれたように成っている累は、過信からか演出家に納得を貰えません。初心を見失った結果のようです。
更に累は、烏合をも捨て、ニナなど存在しないかのように労る気も持たなくなります。
そんな累の前に立ち、遮るのは、やはりニナ。
... ちょっとこのあたりはテンポの良さが私達の感情移入の邪魔をします。話の導入としては累の不遇さに感情移入させられる私達。しかし彼女自身を知り尽くす前に累は悪女の顔を曝し、ニナに非道な行為をし始めます。ならニナを見れば良いかと言うと、ちょっとそれも違う。累の傷付いた顔を嘲笑い、また累が累の心ゆえに手に入れた烏合との縁を、私欲の為にぶち壊そうとしました。
...もう、誰に想いを託せば良いのか、分かりません。まさに泥沼です。

そして明かされる真実。
憐れなり累の過去、その傷の秘密、そしてその母の真実までもが明かされます。それにはニナすらも複雑な想いを抱えます。
しかし、今の累は、顔以上に化け物と化しています。ニナはそんな累の手中に飛び込んでしまいます。
累は、如何にしてニナの妨害を交わすのか?
ニナは如何にしてしっぺ返しを与える事が出来るのか?
ニナはある作戦を練ります。そして累はある罠を仕掛けています。どちらに感情移入をしても変わらず、ある凄惨な結末まで辿り着けます。
想像を超えて...とは言いませんが、なかなか巧みな罠が待ち受けています。
そんなクライマックスは「舞台サロメ」の舞台上と舞台裏で繰り広げられます。
その駆け引きは、なかなかの見応えです。

舞台そのものも、ビジュアルとして良く出来ていて、非常に目を惹き付けられました。
主演の土屋太鳳さんもバレエ経験からか、演出が望むビジュアルに良く応えていたかと思います。何しろ演出家の力がこの映画を彩ります。内容も勿論ですが、映像を観ているだけで飽きる事は無いでしょう。

しかし。
あえて難を言うなら、役者の演技。"上手い演技と言うものを演じるのは難しい"。それを、またもや証明してしまいました。
サロメが、溺愛するヨカナーンをその手に出来ないと知るや、その首を持ち帰らせます。
そして口にされる想いの満ちた「ヨカナーン...」は、練習風景からずっと、幾度も繰り返されるのですが、正直...白けます。
ニナは登場シーンからその軽薄な話しっぷりがちょっと好感を感じさせません。初めこそ演技でニナを軽薄にしているのだろうと思いましたが、役者本人の地のようです。正直、酷いレベルです。
貶してしまいましたが、そんな彼女による気迫の演技はメリハリが有り見応えも充分。中盤以降、舞台の「ヨカナーン...」以外は概ね、私達の傾かされた気持ちを忘れさせてくれます。
累も気迫の演技中はなかなかなのですが、鬱を抜けると瞬く間に演技が軽く成ってしまいます。
また子役もね。尽く相変わらず... 。
比べて、大人の俳優たちが、そんな若手二人の拙い演技を安定した演技で支えていました。
終幕。
実は累を舞台に立たせた羽生田にも、深い思惑が有るように感じていましたが、特に有りませんでした。執着も彼には無く、ちょっと残念。それ以外にもこれと言ったオチも無く、終幕はさっぱりとその幕を下ろします。
また、舞台の閉めに、二人は"二面性"だと言わんばかりに"入れ替わる二人"を印象付ける、一人に二人の姿を被せると言う小細工演出が入ります。それが、今、舞台に立っているのは累?ニナ?と分かり辛く、困惑させられるのが非常に残念でした。
最後こそ、もっとスッキリ爽快に終えて欲しかったです。観客は頭を巡らせて観ています。特に終盤はひときわです。私、しっかり作り手の悪きミスリードに振り回されてしまいました。

映画は面白かったです。演出もラスト以外文句無し。しかし素材が多少なり足を引っ張ってしまいました。無念です。
しかし、映画は挫けません。
私、こう言う映画、好きです。


もうひとつは、戦争映画です。
最近はイランやセルビア、トルコなどの戦争映画(何故に戦争映画ばかり?)をよく見掛けますが、多く駄目でした。映像だけは逸品ですが、露骨な愛国感傷シーンが、今時では無くて見るに耐えません。
しかし、その中にも良いものが結構、有るんです。
「Uボート235、潜水艦強奪作戦」ベルギー映画。
時は第二次世界大戦最中。ベルギーはドイツとの徹底交戦を展開する中、多く、有り余るドイツの侵略に甘んじていた。複雑な状況に置かれていたベルギーの頼みの綱は連合軍。
ベルギー政府はある作戦を実行する。
それは、強大な力を有するプルトニウムをアメリカに輸送すること。
本作の主軸は、ベルギーのレジスタンスによる対ドイツ戦を描きます。実話を基にして作られています。
そんなレジスタンスは、ベルギーにさえも"見付けたら処刑"と言った状況らしく(ドイツの支配下だから?)、レジスタンスは立ち位置が悪いようです。
しかしベルギーは自らが動けない為に、ある特殊任務を彼等に委ねなければ成らなくなります。
レジスタンスの面々は粗野で冴えないが、意気込みだけはなかなか。政府は信じず、絆と情には熱い。ユダヤ人も居て意気は荒い。そこに舞台故のコンゴ人も混じり、キャラ立て含めて駒フリは良いです。
描写は結構なリアルで苦い映像も。殺害シーンは露骨では無いながら、結構なものを見せられます。
ただ、不思議とそんな数々のリアルも、例え血しぶき上がるような凄惨な状況にも、笑いが込められています。何と無く... 「特攻野郎Aチーム」みたい。音楽もそんな感じです。
もしかすると本作は楽しいエンターテイメントを作ろうとしていたのかもしれません。
それが良いかは何とも言えませんが、悲劇に彩られた教訓映画は他で。先ずは楽しんでください。テーマは後で、楽しみの先に待っています。そんな感じでしょうか?
正しいと思います。重いばかりが善きテーマを伝える訳ではありません。
ただし船出してからはそんな軽薄要素も概ね無くなります。真の善きエンターテイメントです。
ハリウッド製でない戦争映画の魅力は、私達が見慣れない歴史の真実や事実がたくさん描かれること。本作にも奇抜な奇襲作戦からUボートでのトイレまで描かれます。海は珍しいのか、結構な浮かれ具合だったりします。
舞台はベルギー領コンゴ。レジスタンスはウラニウムをUボートでアメリカまで運ぶ任を任されます。
...あれ?題名...強奪作戦では?既にUボート、盗んじゃった後です。題名は嘘です。

コホン...o(T□T)o
レジスタンスは船乗りでは無いので、海の女神などお構い無しで、女性も乗せちゃいます。
以前、潜水艦映画「ビロウ」では遭難した女性を助けたは良いものの、みんな「不吉だ」と口々にし、良くない事が起こる度にパニックに成りました。本作では、そんな迷信的感覚はゼロでした。
当然、レジスタンスはUボートなんて操舵出来ないので、捕虜のドイツ人が訓練する事になります。みんなドイツになんて教わりたくない!と腹を立てますが、他に教える者も無く...
しかし彼等の作戦は緊急事態から即時開始、たくさんの問題を抱えたまま、降りる筈のドイツ人も乗せて出港することになります。
Uボートのセットはなかなかなものです。決して狭くは無いけれど、息苦しさや圧迫感はしっかり。駆動音は凄いし、水は漏れるし軋みもあげます。
旅の途中では交戦も有り。今まで観てきた潜水艦映画のセオリーをこれでもかと詰め込み、しっかり楽しませます。
敵機が襲ってきて、潜航はしたいが潜航速度から被弾の危険は避けられない。すると隊員のひとりが潜航する潜水艦の甲板の銃座に残り、敵機を撃墜しようと撃ち続ける荒業をこなします。当然、潜水艦は構わず潜航、彼は溺れる直前に敵機を撃墜し、海に放り出されます。
また更に更にとたくさんのトラブルやアクシデント、戦闘が彼等を待っています。
序盤に披露される特殊な弾丸が、いつ使われるのかとドキドキさせられました。ここぞと言うところで彼女が大活躍です。

まあ、ハリウッド作に比べたら地味ですし実話なのでド派手なバトルとは行きませんが、地上のスパイ戦(拷問とかで見せる情報戦ですが)も絡め、展開はなかなかのサスペンスフル。
更にささやかなロマンス、父娘の絆、ベルギー人とドイツ人の情の変化も楽しみのひとつです。
さらりと終えてしまいますが、クライマックスの隊員たちの決死の行動と、遺す想いは、非常に胸に来ることでしょう。

最近の戦争映画は概ね、実話や実在した人物を描くものが多いです。本作もベルギーによる我が国の太平洋戦争終結に"貢献した事実"を讃えます。残念ながら"振り返る憐れみ"や"未来へ手渡しする受け継ぐ想い"は有りません。
ただ、核への危惧として「ドイツのような暴虐な国が先に持ってはいけない」と語り、4年後に皮肉としてアメリカが大量虐殺兵器として使ってしまったと報じ、映画は終わります。
それを聞いたベルギーレジスタンスの反応が描かれないのは、"力こそがこのアメリカ、そして世界の豊かさを作った"とベルギーが答えを出したのでは無いと信じたいですね。


☆タイドラマ「I'm tee, Me too」の第一話を観ました。
ある事情で自宅をシェアしなくては成らなくなったTee君が、同じTeeと名に持つ人を条件に部屋を貸すのですが、やって来るみんなが、各々ひと癖有り。更に問題が次から次へと山積し、主人のTee君を悩ませる...そんな話です。
私の愛ドラマ「2gether」の製作会社が作ったので、そこの常連俳優が勢揃いしているようです。何人かは見た事が有りますが、まだタイの芸能事情に甘い私では、二人が良いところ...恥。
ドラマは軽快なドタバタ喜劇のようですが、それなりにキャラ立ては良く、まだ認知がきちんと出来ていないキャラも居ますが、思った以上に楽しめそうな予感はしています。
これ、一応、BLで良いのかな...?
タイの良さは等身大の好青年が揃うところでしょうか。
でも...方向が違うとは言え、やはり「2gether」には敵いませんなあ。ホホホ

で。私、まだちょっと足が痛むので、もう少し、ゆっくりお家で休む日々です。全治3ヶ月くらいかなあ?ちょっと苦労しています。
なので~「ドラクエビルダーズ」三昧してます。第三章が非常に辛かった。木材管理が駄目で詰んでしまい、一度やり直し。
二度目は順調...かと思いき、なかなか大変、またボス戦が...泣きそうに成りながら奮闘し、死に物狂いで倒しました...
現在、最終、第四章。灰と成った王都を復活させます。まだ始めたばかりですが、今までと全く違った条件に戸惑うばかりで、故に手応え抜群です。
第三章の街。名前...なんだっけ。奥の大砲は位置が高過ぎて、撃つと奥手の遥か先の大地を破壊しまくります(*T^T)。
中央の私こと、ビルダー"まり"は鎧が壊れて下着でうろつき中。:p
随分、凝った街作りには成っていますが、驚きの!とまでは行かず、あくまで妥当。
...クリア後はフリービルドで頑張ります。