過ぎたけれどメリークリスマス(*>∇<)ノ
私のクリスマスは"おでん"を食べてしまいました。あれ、太るのよね~(;>_<;)
今年ももう少しで終わります。
今年は良い映画が多かったです。私のベストもたくさん追加更新。しかしその殆どがBlu-ray未発売と言う不幸は堪らない。メーカーさん、見る目がありません。私に夢が叶えられるなら、埋もれた傑作を陽の目に当ててあげたいです。
で。あえて"今年の1番"を「ナポリ、熟れた情事」にあげたい。この映画が醸す素晴らしさは言い様の無いもので、感性がじわっと彩りに満ち、色味に染まらない抜けた部分を埋めるもの探し求め、そして補完される、とても愛に満ちた詩のような作品でした。
酔います。しかし酔い潰しはしません。心地よい後味を心に残す事でしょう。
作り手の愛を感じる逸品として"私だけ満足するで賞"を「ジュラシックサバイブ」と「ワイルドクラッシュ」に贈り、称賛したい。あくまで"私だけの"、ですが... :p
そして日本映画の頑張りとして、賞味期限は有りそうですが「12人の死にたい子供たち」を記憶していたい。死にたい願望など容易く打ち消す事が出来、そしてその死にたい思いこそが生きる理由に成ることも有る...そんな"生きることに悩み続ける私達"へのエールのような作品でした。
来年も、良い映画を観る事が出来ますように...
そんな年最後に、また素晴らしいBlu-ray未発売のベストが来ちゃったかも。
「ホスティル」
ごく近い未来。暗がりには何かが潜み、生き残った人々は多くない。街は崩壊し、資源が貴重な世界。
ジュリエットはひとり資源を求めて車を駆る。仲間は身を守る領域に閉じ籠り、ジュリエットの帰還を待っている。僅かに生き残る人達は、荒野をさ迷い、ジュリエットと同じように資源を集め、必死で生きている。
そんな時、一枚の写真の為に事故を起こしてしまう。足を骨折し身動き出来ない。そしてそこに何者かが現れる...
映画は基本、車の中で行われる閉鎖的シチュエーションもの。生きるか死ぬかの緊張感の合間に挟まれるのは、まだ世界があった頃の話。それはかつてのジュリエットの愛の話。
その過去の話は非常に刹那的で、ジュリエットが自暴自棄に成りながらも、もがくように何かを求めていた事を見せつける。
ジュリエットは雨を避ける為だとは言うが、人が集まる画廊に足を踏み入れたのは、人恋しかったから。そんな彼女に声を掛けた画廊主も何かが心に足りなかったのかもしれない。
ふたりはいさかい、傷付け、傷付きながら、互いを求めてしまう。そこに強い労りが有ったから。似ていたから...
想いは幾度と無くすれ違い、しかし諦めず向き合い続けた。苦しい。傷付けたこと、想いを伝えられずに居ること、正直になれずにいること、あなたを全力で愛せない私の過去...
彼女は常に劣等感を感じている。それがふたりの関係を前に進ませない。例え同居しても結婚しても、繋がらない最後のひと瞬きがある。そして。
悲しみ。全てが崩れ去る。いや、壊してしまった。
何もかもが終わる。そう思った。
でも。悲しみはまだ終わらなかった...
映画は現在と過去を行ったり来たりしながら時を刻む。あまりに切なく危うげな過去。それが温かな色味に変わっていく。
比べ、現在は不毛なほど終わりに向けて堕ちるばかりの最悪な状況。
幾度と無く口にされる"運命"と言う言葉。
そして響く「諦めるな」と言う呪い。
ジュリエットは必死で生きようとする。その可能性が奪われ続ける度に、憤りを吐き、ぶつける。
時間を掛けて綴られる過去の愛とサバイバルのふたつのドラマが少しずつ影響し始める。そして、ゆっくりと何かが露に成っていく。事実はまざまざと有り、その先の大きく偉大な、ごくシンプルな言葉に纏め上げられて行く...
その様が、あまりに美しい。そして愛らしい。見届けたくなる。それは、恥ずかしいほど麗しく素敵で、この計り知れないほど広大な、不毛の大地の片隅で紡がれた、小さな小さな、誰も知らない"運命"の物語。
私はこの目撃に感謝します。
どんな貧富の差を乗り越える愛よりも、病気による生死に涙する愛よりもはるかに、私の心に痕を残しました。
...映画を観ていて、ある時ふと、誰もが「もしかしたら」と思う事がある筈。それは想像した通り。
かつて「フィッシャーキング」と言う素晴らしい映画の中の台詞を思い出します。
「素敵よね、全く関係無いと思っていたふたりが、地球の裏側で出会っていた...」
運命とは素晴らしきなりき。私達のささやかな出会いは本当に素晴らしい事だ。また再会する、そんな特別な事など、そう有りはしない。でも、時々、起こる。
これは、私達の知らない世界の片隅で紡がれた、ごく小さな運命の話。
観終えて、言葉が直ぐに出て来ませんでした。
素晴らしい余韻...
地味な映画です。寂しげで暗い映画。でも、そこにある心のドラマは非常に光に満ち、温かいものでした。
もうひとつ。全く傑作では有りません。
心を傷付けるようなシーンもあり、更に息苦しく、冗長で、都合甚だしい話運び。
でも。「ザ・プール」
貧しい生活をしているデイは映像撮影隊の照明担当。飼い犬をも撮影に参加させ、張り切っている。彼の悩みは糖尿病を抱えている事。そして、恋人のコイとの未来を明るく考えられない事。
今日の撮影は閉鎖前の郊外のプール。
撮影は終わり、片付けをしている際、つい眠り込んでしまう。
目を覚ますと水が半分ほど減っていた。このプールは深く、水が減ってからの出入りは外付けの梯子のみ。しかし梯子は引き上げられている。
助けを求めるが誰もいない。壁を昇ろうとするが体を引き上げられず断念。
どうすればいい?
そんな状態に気付かなかったコイがふざけて飛び込もうとし、頭をぶつけて気を失ってしまう。
更に先日の豪雨に動物園を脱走したワニが、さ迷い込んでしまう...
先ず。タイ映画ってこんなに巧みに撮っていた?と思うほど撮りが良いです。確かに「マッハ」も2あたりからは巧みな撮影に唸らせられましたが、今作もスローや寄り、引きの画格や細かく割ったカット割りが非常に映像の密度を上げていて素晴らしいのです。
観ていて何度も「日本じゃ無理」と唸り、嘆きました。
映画はシチュエーションものなので、内容はあまり深く有りません。基本、浄水場?と思うほどの深いプールのみ。
階段さえ無く、安全に慣らされた私達には、その異常な造りに「何故?あり得ない!」を連呼してしまうでしょう。しかし、これは映画。更に閉鎖前の"タイのプール"と言う事で理解しましょう。
それ前提で映画の見せ場は、与えられた状況の中で、どれだけの危機に苛み、どれだけの手段を講じ、それに観客が気を揉んだり興奮するか...
それは充分でした。
ワニも怖いです。結構、良く出来たVFXで、本物と使い分けているのか分からないくらい。
距離を保って、概ねじっとしているので、じわ~っと滲み出る恐怖が持続します。映画ですので、コイの頭の傷の出血を止めたくて撮影の時のテープを探すと、それが眠るワニの口の中に有ったりと、ちょっと笑ってしまうシチュエーションもありますが、まあ、基本、笑えぬ痛々しい映画です。
そう。何しろ怪我が絶えません。
ここで駄目な方は視聴は諦めて。私も身悶えしながら観たくらいです。
ランタイムの多くはデイが如何にして脱出するかを思案する事に費やされます。
排水溝や撮影に使った椅子、タオル、エアマット...落ちてきたもの...そんな僅かなものしか無い中でのギリギリの戦いが繰り広げられます。
焦れます。非常に焦れる中で、幾つものささやかな希望が、また次々と無駄に費やされてしまいます。
ある時は歩けないほど、ある時は跳び跳ねちゃったりと怪我の度合いが変わったり、ワニもここぞの時は見事に邪魔し、都合の時は何処に居るやら...そんな映画的な感も散見しますが、映像力の高さに気になりません。ただ、描かれる領域が狭く、出来る事も限られているせいで、似たような行動と危機の繰り返しばかりで、90分程度のランタイムでも長く感じました。
それでも"刺激的な映像"が生み出す緊張感はなかなかで、とても見応え有りました。
個人的には、タイと言う空気感は麗しく、更に役者の質も高い。デイ役のティラデート・ウォンプアパンはイケメンですし、コイ役のラットナモン・ラットチラタムは等身大の可愛らしさを振り撒きます。
少々、悲劇が過ぎる箇所(人によっては幻滅するほど)も有りますが、"倫理"と言う言い訳で現実を直視出来ない柔な日本人に渇を入れる意味でも、意義が有り、そしてぜひにもその悲劇に涙する主人公をしっかり見て欲しい。そしてその犠牲に私達も涙し、心で感謝するべきです。
まあ、 希望と絶望の綱引きは非常によく出来ているものの、地味な内容には少しランタイムが長かったとは言えます。
☆今年はいろいろ有りました。しかし人生を滞らせるようなものだったので、あまり実のある1年では無かったように感じます。
映画はたくさん観ました。
エンターテインメントはより刺激的に、ドラマは非常に質を上げました。
トランスジェンダーやLGBT、障害者の地位向上を牽引する映画も多く、人が人らしく生きやすい世界への可能性を、強く実感する1年でもありました。
明日は更に笑顔を導くような日々に成ることを祈ります。
で。「おっさんずラブin the sky」!最終回、ありがと~(pq゚∀゚*○)
う~獅子丸さんのエピソードをもう少し欲しかった。春ちゃんが最後の決断に至るタメのシーンが欲しかった。あれじゃ、右の恋がダメだから左、のようですもん。
あと1話、欲しかったです。
でも。良いドラマでした。閉めも感動的でした。私、ちょっとホロリしました。
黒澤機長、あなたに出会えて何より嬉しかったです。舞台で鍛えたしっかりとしたメリハリ演技を土台に、豊かな感情を、目に言葉に、そして躊躇いの中に"心"を浮かばせ、時に全身で溢れさせ、魅せた、非常に愛らしいおっさんを演じてくれました。
お陰でもう吉田鋼太郎さんのBlu-rayのチェックが止まりません。:p
千葉雄大君、素直に成れない子犬のような荒々しい男性を愛らしく演じました。彼の笑顔と涙するシーンは胸に来ました。
戸次重幸さん。私、この人はあの堅そうな風貌の奥に深い人間性を常々、感じていたのです。かつて料理イケメンと言われたどんな方々よりも素敵なイケメンぶりでした。
そして田中圭君。初めて認知したのは「包帯クラブ」でした。あれ以来、良い演技を見た記憶がありませんでした。テレビで名優、演技派と紹介される度「嘘だあ~」と見限りさえ感じていました。が。あなたの魅力は愛らしさです。あなたの一挙一動を、とっても楽しませて頂きました。
ああ...私、間違い無く「おっさんずラブ」ロスしております。(*T^T)ウウウ。











