新年。事故りまして。「フォルトゥナの瞳」と駄目映画。 | まりのブログ

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性同一性障害者の私が、思いのままに生きるために頑張って生きてます。
性別適合手術をしてから2年になりました。
私はトランスジェンダーとして誇りを持って生きてます

あけましておめでとうございます♪しっかり遅くなってしまいました。
今年は着物はひっぱり出さず、きままにお正月しましょ、と、やうやう気分でしたが、私、ちょっと事故りまして...1日から未だに傷病中です。
左半身が酷い痛みで動かせません。
その晩になんとか仰向けには成れるように成りましたが、初めはそれすら無理で、今でも寝るとき、起き上がるときにばたばたもがく必要があります。
髪もまともに洗えず、梳かせず、ぼろぼろ生活しています。
"ゲーム正月"にしようと思ったのに、しばらくはコントローラーが握れませんで、寂しい正月を送りました。スマホを操作するのもし辛いし、体勢を維持出来ず、直ぐに疲れてしまいます。あれもこれも出来ないことばかりで、正直、辛いです。
母もまだまだ癒えていないのに。よれよれの母に看病を受けております。ちょっと自分に悔しくて、ひとり泣いてしまいました。
でも身障者はみんなこうなんだよね。何か有ってもそう考えれば明日は暗く有りません。私に課せた試練なのかも?と思いながら、痛みにあえぐ毎日を送っています。
私、ある意味、運命論を信じています。起こること全てには意味があり、必然。良いことも悪いことも意味があり、私を形作る。だから常に心のままに笑い、心のままに怒り、心のままに泣いてます。
お陰で諦めが利きやすい。
今、"生きる"と言う事を強く考えさせられます。気楽に生きられる、不自由無く生きられる喜びを忘れないで。


"生きる"を大切に。
年末に観た、なかなか良かった
「フォルトゥナの瞳」
日本映画です。
木山慎一郎は幼い頃に飛行機事故に遭い、その生き残り。生き残った事に少なからず罪悪感を感じながら、質素に暮らしている。今は自動車修理工場で働き、真面目な働きを認められ、経営者に二号店を任される話がある。
そんなある日、体が透けて見える人が居る事に気付く。彼の後を追うと、目の前で車に牽かれて亡くなってしまう。
不安の中、同僚の嫉妬から携帯電話の画面が割れたので携帯ショップへ赴くと、そこで受付をしてくれた女性、葵の手が透けて見えた。
彼は思いきって彼女を誘い出す。すると彼女の手の透けは無くなっていた...
事故を機に運命を司る神(フォルトゥナ)の眼を持ってしまった青年の決断の話。
...と聞くと堅苦しそうですが、それなりに軽快なタッチで描きます。
幼い頃の事故以来、身を小さくして生きてきた青年が、ある日に知った自分の持つ能力。そしてそれをどう奮えて、どう成るのかを知ってしまった。その力は人の運命を変える。
しかし、容易くはない。代償もある。
"そんな時、あなたならどうする?"
を問い掛ける。
映画は登場人物に、さほど悩ませません。その辺りはちょっとズルくもあります。
お察しの通り。誰だって決断してしまうほどの"ひと"に纏わる事だから。愛する人ね。それでやらない筈はないものね。
でも、私にはその設定に"優しさ"を感じてしまいました。
人は何より自分が一番。口では違うと言いながら、やはりそうしてしまうもの。でも。
なかなか出来ないけれど、もしするなら...今だ!と、私達の優しさや善意を優しく掬い上げてくれる。誰もが「私だってそうするさ」と、胸に抱くささやかな決断を主人公が受け取ってくれる。
それがあまりに清々しく、素敵で、ありがたかった。この主人公は私達にもある"心の素敵な部分"の代弁者なのだから。
映画はサスペンスフルでは有りません。ただ、扇情的な音楽で感傷を引き出そうともしない。適度で地味で、時に爽やかで、そして拙い。甘ったるいメローとささやかな絆を土台に、小さな小さな現実の疵を癒そうとするだけの話。
とは言え、成し遂げるのはなかなかの困難。何より「あなたの未来が分かります」なんて言う人を信じる人は居ないから難しい。
だから、主人公は諦め、軽く考えてしまう。仕方がないんだと思おうとする。しかし結果を知り、罪悪感を抱え込んでしまう。
「僕なら、良く出来たのかもしれない」
彼は悩む。ただ、悩み、良かれとした決断を導こうとする。そして失敗も。
それがまた事態を複雑にしてしまい...
この映画は感動的では無いかもしれない。でも、心を感じさせる何かが次から次へと生み出されていく。その様はとても気持ちよく、更に不思議と緊張感を伴っていて、スリリングにすら感じさせられます。テンポも気持ちも途切れる事無く、最後まで主人公に自分を宛がいながら観られる映画でした。
故か、時が常に流れ続けているように感じさせられたのはこの映画の美点だと思います。失敗はやり直せないのです。
運命が過ぎるとは思いますし、神木君の配役を否定はしませんが、ちょっと彼のイメージにステレオ感が有るのは唯一の残念かもしされません。それでも不足無く"慎一郎"は存在していました。
ヒロイン葵役の有村架純は相変わらず華が有ります。いつも考えているような表情と"嘘めいたような笑顔"のコントラストが良くて、オチまでしっかり味わせて頂きました。
同僚役の志尊淳は、私、「女子的生活」での彼の演技があまり良く感じ無かったもので...ですが、今作はとても良かったです。キャラクターのビジョンがハッキリしている方が、彼は演じやすいタイプなんでしょう。ヒネた役柄でしたが、生き生きしていました。
終盤はもっと上手く危機回避出来たのでは?との指摘も有ったようですが、事前にした電話に関するミス、直前の電話が繋がらなかったこと、そして何より、この映画の題材である"知ってしまうこと。そして伝えること、伝えられること"への恐れと畏怖から、彼はあの"決断"をしたのだと思います。
完璧なものじゃない。彼は常に怯え、誰かを犠牲にしてでもと考えてしまい、ただ、最後に、今出来る、一番と思える決断をしただけ。覚悟はしながらも、きっと楽観もしていたに違いない。そんな不完全さが人間らしさだったかと思います。ただ、やはりそんな人間を演じるには神木君は誠実に見えすぎて、最後の決断をヒロイズムのように感じさせてしまったのは勿体無かった。
そんな事、気にさせないくらい充実しながら観られる作品で有りました。
展開は読めます。でも、オチも贈り物のように素敵でした。
「人は朝起きてから夜寝るまで9000回何かを選択している」
これは、例え神の摂理に反しても、人が人らしくあろうとする物語。
お遊びカット。

年初め早々に観た至福と失望を感じさせられた作品を。
先ず「ジュラシック・エクスペディション」
はるか未来の話。宇宙探査船は、人類が生存できる可能性がある惑星を発見。居住の可能性と資源調査のために、レンジャーとバイオロボットからなる調査隊が派遣される。
一見、星は穏やかだったが、そこには未知の生命体が潜んでいて、調査隊は様々な危機に陥ってしまう。
先ず。パッケージとは印象が違い過ぎます。レンジャーは良くて強化ユニットを背中に背負い、ひとりはサイボーグ。それくらい。基本、ジャケットやピチピチスーツで活動します。
星では天候はほどよく、空には幾つもの天球が見え、太陽もふたつ、頻繁に流星が確認できます。大地は荒れ、少ないものの水があり、植物も確認できます。
そんな星に移住が出きるか?そして資源はあるか?の調査に6人が向かいます。
探査船の事故が地表面に辿り着くと、調査開始。ちょっともたつきは有りながらも、良い感じ。何しろ映像がBにしては志があって圧倒的、目を刺激します。そして映画を引き立てるのは6人のキャラクター。とても個性的で愛らしく、また演技も素晴らしい。宇宙船に居た時の他のクルーもとても魅力的です。
そして何より秀でてミステリアスで魅力的なバイオロボット。彼女の、無い筈の"感情"の見えてくるシーンが良いんです。時に一貫性がないように見えますが、演技の限界では有りません。演出の限界なんです。
本来は彼女の人間では無い秀でた部分と欠点がテーマのひとつだった筈です。
「機械は必ず壊れる」「直せば良いだろ」など機械と人間の違いは挙げられていました。主人公が酒場での喧嘩でロボットを破壊してしまうエピソードも後々を期待させました。
しかし、それを活かせなかった演出と脚本がいけない。伏線とかちゃんと回収して欲しかった...
ロボットが痛みに顔を歪めております...
...この物語は未来の話。きっと機械も故障には顔を歪め、感情のような表現もします。
機械側の理論を越えた反応をする人間に、"理解不能"と判断し、時に首を傾げ、瞳の色(おそらく対応モードで色が変わる。悩めばころころ色を変える)で状況を判断しようとする。ちょっと間抜けにも見えますが、全てC3PO級。誰もが気づけば彼女に親しみを感じているでしょう。
...多分。
レンジャーたちも、悩み、考え、虚勢を張ったと思えば謝ってみたりと非常に人間くさい。ポリシー有る出で立ちも有り、とても愛らしいです。が。反して描きが足らず、無駄に数を減らしてしまうレンジャーたち。非常に勿体無い。
プリズム現象や地震、微生物、流星、巨大恐竜など、たくさんの不安材料に晒され、期待させながら、みんな無駄に終わってしまう。
もうあれこれ未解決な不安ばかりなのに、更に仲間も命を落とし、危険極まりない星と分かっても「調査」とばかりに出ていく主人公たちは、逞しいと言うより、ちょっと滑稽。まあ、居住は無理でも資源が欲しい。切実だったのかと思います。
フォローは必要ですが、映像の美しさを伴って、なかなか面白いんです。間違っても低予算映画レベルでは有りますが、下っぱたちの情熱に満ち溢れています。
が、しかし。その中盤からは展開が驚くほど劇的に鈍化してしまう。不可思議なほどに盛り上がらない。アクションもスロー多用でテクノ音楽流しても、映像上滑りで観ている方の愛や笑いも絶えて行く...
"人間のための機械を救うための人間の犠牲"
こんなすごい展開を映像にしているのに、語りにもシーン的にもさっぱり活きてない。
意外とドラマもしっかり振られているんです。状況判断やリーダーのトラウマに対するアンドロイドの答え方なんてのもきちんと描いているのに、関連付けを失敗し、うまく印象つけられていないのです。
...前半は本当に素晴らしい。しかしリーダーによる"過失の事故"以降、別物のように空っぽになってしまいました。後半は、意義を感じない展開に、ただただ空しくなります。
それでも全編に流れる80年代映画のようなテクノ音楽や、セットやポンコツマシーンはイマイチでも、スーツやファッション、細かいオブジェはなかなかで、引き立てられなかったたくさんのテーマも「下手な鉄砲、数撃てば当たる?」で雰囲気を生み出し、映画の質を上げているように思えます。
ただね~またラストなんですよね。ここぞと言うところで終わるのは、ある意味「ジュラシックサバイブ」...いえ「明日に向かって撃て」のラストに通じる志。しかし、盛り上げに失敗してしまってはカッコ良くなるものも、唖然、ひと言「え!ここで終わり?」
お薦めはし辛いけれど、作り手の想いと意欲だけは、私の心にひしひしと伝わりました。
もし、駄目映画を許せるキャパシティを心にお持ちで、良い部分を拾える特異な愛があるなら、挑戦も良いかもしれません。
責任は取れませんが...

で。もう一本。
「ザ・トランスフォーム、地球外生命体」
はそんな私の甘々映画愛を打ち砕く酷い作品でした。(。>д<)。
がっくりです。
ごく近しい未来。世界各地では未確認飛行物体が目撃され、アブダクト事件も発生していた。そんな時、ロボット工学科の学生、ヘレン、クロエ、ルークは救助ロボット"ホーネット"を作製、山奥で実験を行っていた。
しかし、そこに未確認飛行物体が出現、操られたかのように襲い掛かる人々から必死で逃げる羽目に...ホーネットこそが救いの鍵だったが、そのホーネットに襲い掛かる未確認飛行物体。そしてホーネットに異常が起こる。
この映画、手持ちカメラ映画、POV映画でした。 3人のウェアラブルカメラと手持ちカメラ、そしてホーネットのカメラの4台?で映画は進行します。
始まりに世界の緊迫した事態を見せられながら、あまりに呑気な学生たち。まあ、平凡なPOVの、自撮りで巻き込まれる学生たちの雰囲気で映像が綴られます。設定はいづこ...
そしてホーネット起動!
パッケージを見ると、何と無く"あれ"を思わせます。劣化版でも構わない。巡る想像は、脳内で期待に浮き足立ちます。さあて、圧縮収納されたような箱形ホーネットが伸びて拡張しました、次は立ち上がり、腕を伸ばしてくるぞ!
...あれ?終わり?まあ...低予算ですから。
ルークがホーネットの背面の汚れを拭いてる。意外に合成面と遠近感は見事です。ホーネットが本当にそこに居るみたい。
走れば時速80キロ?1秒で80キロに達する早さ。しかしホーネット・アイではどう見てももっと遅い。木の上の人形を人に見立てて救出!は、ジャンプ?飛行と言ってる?
まあ...低予算ですから。
しかし、ヘレン、高音の声で酷くうるさい。厳しく言ってしまおう。「耳障り」です。

やたらと盛り上がる3人の元に、森林警備隊が来て追い返され、そこに未確認飛行物体が!操られた人たちに襲われて、小屋に逃げ込み、ホーネットに警備隊員を巻き込んで、バタバタ。
新展開も有りながらも、結局していることは、逃げて休んで逃げて休んで。
...風景変わらないし、ホーネットはまあまあ活躍すれど事態の解決には至らず、更に話が事態の確信に迫らないので、基本は「怪我した」「何あれ」「何が起きてるの!」「逃げろ」「ホーネットが故障した」みたいな嘆きばかり聞こえてくるだけ。...展開は淡白でも、それでもいい、我慢します。しかし、急にカメラが走り出して画面にひとりしか写っていなかったら、観客はカメラの主とふたりしか逃げられなかったと思う筈。だから多くのPOV では声が力を発揮する。
「クロエ!早く、ヘレンは前だ」
「私、もう駄目」
「君を見捨てられない」
そんな声が聞こえれば、カメラが誰ひとり捉えて居なくても、状況も人数も手に取るように分かると言うもの。
...この映画はそんな事しません。だから毎回、状況が分からず、あ~見捨てちゃった...と肩を落としていたら、気付けば画面にみんな居たりして、混乱必至。鍵のホーネットも、都合好く居たり居なかったり。存在意義が弱いのに更に異常事態に陥るホーネット...
360度何処から襲われるか分からない事を楽しませたいのか、ホーネットの危機と勇姿を楽しませたいのか、未確認飛行物体の秘密に驚嘆させたいのか...さっぱりです。
実はこの自撮り映像の合間に、撮影後日に行われた軍による主人公たちへの尋問の様子が挟まれるのですが、これがまた長い上に会話が非常につまらない。映像とリンクして秘密が明かされて行く訳でも無いので、尽くテンポが崩されます。オチも有るのですが、混濁した展開から私達を解き放つことも無く、ただ爽快感ゼロで、ストレスだけを残して終わります。
...誉めるところは、やはりホーネットまわりの合成力。ホーネットの動きに合わせて弾き飛ばされたりする人のタイミングは完璧、驚くほど見事に弾き飛ばされます。
でもそれだけ。
imdbの評価1.7/10の低評価。頷けます。
ただね。私の大好きな「ジュラシック・サバイブ」の面々が出演していたので期待していたのです。ロボットはバンブルビーに似てるし...言っちゃった。
でも駄目駄目です。観てはいけない。


ドラマ「殺人分析班、蝶の力学」の最終、第六話を観ました。
...程好く読め、程好く隙間を埋めてくれる主人公たちの推理が気持ちよくて、一緒に捜査をしている気持ちにしてくれました。
しか~し。
最終話だよ。なんじゃこりゃあ。故松田優作並みに嘆きます。
事件の唯一の謎が明かされるのですが、正直、取って付けたような違和感に、冷めました。更に散々と如月塔子の鷹野への気持ちを振り回してくれた鷹野の単独行動は、概ね事件の謎を察していたからしたこと、と言われてしまうと、塔子もちろん、ちょっと裏切られたような気持ちに成りました。
でも、まあ、それくらいなら嘆きません。
鍵となる菊池凛子嬢扮する監察医。ごめんなさい。あの!勘違い演技を止めてください!
舌っ足らずで20年前の演技。観てられません。
塔子に比べ、大人っぽいキャラは良かった。でも台詞が増えた途端、なんじゃこりゃあ。
最終話。ぐったりです。
ネタのオチも新味無く、心持ちません。大好きな作品だから...大好きな作品だからガッカリ100倍です。
彼女「47Ronin」の時も、悲しいかな、有り得ない駄演技を披露してぐったりさせてくれましたが、またもや...
「パシフィック・リム」はどうした!「バベル」は夢か?!
日本の俳優よ!認められたら終わりじゃないぞ。
でも...続編、期待しています。(*T^T)。

☆アンソニー・ウォン。誰もが「何処かで聞いたような」と思う名前。
「インファナル・アフェア」など、香港映画には欠かせない素晴らしい俳優さん。
彼が香港の若者たちによるデモにエールと支持を贈りました。素晴らしい事です。
彼は影響力と言うものを知っている。その力の奮い方を知っている。
ただ、最近は香港映画も中国資本が殆ど。彼の役者としての活動に影響しないことを心から祈ります。

はあ...私も何かを世界に遺したい。私たる私は名前すらも残らなくて良いから、世界が良い方向に進むための小さな石粒に成りたい。
体を治さなくちゃ。まだ、脇腹や腹部に痛みが走り、寝るとき起きるときの痛みは非常に辛いです。そして左腕は肩の高さから上がりません。
辛いです。でも、結構、楽しんでもいます。この世の何処にも私にも当たり前に完璧なんて無いのさ。