甘味なエンターテインメント・ホラー。そして目撃した女の世界。 | まりのブログ

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性同一性障害者の私が、思いのままに生きるために頑張って生きてます。
性別適合手術をしてから2年になりました。
私はトランスジェンダーとして誇りを持って生きてます

台風の傷はまだ街に残されている千葉。
裏の森林公園に行ってみたら、まあ、酷い。木々は倒れ、秋満ちる頃のように大地には落葉が敷き詰められていました。紅葉では無く枯れ葉ですから、荒んでます。一見、荒廃した近未来みたいです。
そんな中、公園の端に、彼岸花が咲いていました。すっごく綺麗でした。
人間、挫けてられません。
うちの橙色の彼岸花、初めて花を咲かせるか楽しみなのですが、まだ球根から頭を出したくらい。遅れているので咲かぬかな?...期待して待っています。
痩せた~でも、やはり若干、胸が消えた...

病院が第二の家のように成って、もうふた月に。
こんなに長くなるならタイの病院だったら良かったなあ...なんて我がままを胸に抱きながら、お陰で母と約束したタイ旅行。
ふふふ。楽しみです。でも早くて来年秋かなあ。
まだまだ。家に帰れたとしても、リハビリ生活は続きますから。
ご近所、庭先の彼岸花。これから赤が咲きます。

ふう。やっぱり映画だよね。
かつて。「ポルターガイスト」は私の中ではトップクラスで傑作だと思う映画。
駄目だと分かっていたけれど、リメイクのBlu-rayを購入してしまいました。!!ヽ(゚д゚ヽ)(ノ゚д゚)ノ!!

父と母、長女ケンドラと長男グリフィン、そしてマディソン(マディ)の5人家族は郊外の一軒家に引っ越した。
家計は火の車。家族の仲が良いのだけが支えだった。しかし、グリフィンは神経症なくらい物事を上手くこなせずに悩んでいた。新居に来て、グリフィンは不思議な感覚に囚われていた。しかしその源は分からない。
その夜、マディはテレビに話しかけていた。そしてこう言った。「迷っている人達が、こっちに来た」
翌朝、ケンドラのスマホが故障、庭を掘っていたら骨が出て来る。
更に木の上に引っ掛かったボールが突然部屋に転がって来たり、漫画本が積み上がったりと、奇妙な現象が発生する。グリフィンは必死で両親に訴えるが、誰も相手にしてくれない。
翌日。両親は食事会に出掛け、子供達は留守番をする。
初めはケンドラのスマホが上手く動作しなくなった。雷が轟き、奇怪な音が響く。スマホは奇妙な音を拾い、ケンドラの傍らには驚くべき者が目を光らせていた...
それは、グリフィンとマディにも手を伸ばそうとしていた...
この作品に特別なものを求めるのは酷だ。だってオリジナルが素晴らしすぎるから。
始まって、さっぱり感性に響かないスコアに気を落としました。オリジナルは映画史に残る逸品です。また、若干、オリジナルに似せようとしているから厄介でした。
オリジナルと比べてはいけないと、何度も自分に言い聞かせて観ましたが、どうしても比べてしまう。何しろ似たシーンがある度に劣化しているのだから仕方がない。
はあ...溜め息ばかり零れます。
先ず、予算はそこそこだった筈なのに、何故か街、どころか、ご近所さんさえ人の気配が無い。オリジナルだってそんなに描いてはいないけれど、ささやかに描く「何故、うちだけ?」と言うところに感情移入が産み出されたもの。それはキャロルアンと言う特別な存在へと繋がって行くのだ。
しかし、更に今作ではマディに特別な標が無い。何故、マディが異界の存在に見入られたのかが無いのである。無垢だから...力があるのかも...とは言うが、漠然としてしまっている。原因は同じなので、マディは成仏する為の導き手であり死者には光のような存在。しかし、それは"おそらく"でしかない。
オリジナルではタンジーナが語り部となった。全てが正しかったかは分からないが、すごい説得力があった。今作ではキャリガン・バークと言う心霊番組のホストである霊媒師が出てくる。彼は強い霊感があり、何度も霊と戦い、体に無数の怪我を負っていた。オリジナル2作目のテイラーに似ているだろうか。
オリジナルを観た人はタンジーナのインパクトに囚われていることでしょう。そうだとキャリガンはいかさま臭く見える。ですが、このキャリガンは意外にリメイクの核と成ります。良いキャラなんです。グリフィンとの掛け合いもウィットに満ちていて、更に強いと言うか、挫けない。神通力や超能力を持ち備えているわけでは無く、勇気と洞察力、そして知識をフル活用して家族を導き、適切な結果を導きます。タンジーナの代わりに不足はありません。タンジーナの決め台詞「この家は、清められました」も、ある意味、受け継がれています。
オリジナル同様に、大学のパウエル博士と研究員も力を貸します。そのキャラもとても良かったです。ちょっとウィット出し過ぎですが、彼等が集い、霊現象に対して準備しているシーンが、とても面白かったです。キャリガンも参加して、やり取りが逐一、面白い。ポルターガイスト現象が起こらないで良いから、彼等の話をしばらく聞いていたいと思うほどでした。
オリジナル同様、研究員は一家のやらせを疑います。今回はどぎつい冷やかしをぶつけて来ますが、その何倍も酷い目に...
ただ、今回の博士は性格が立ち過ぎていて、一見、遣り手なので心強いですが、オリジナルの、手が震えちゃったり「助けを連れて、私はまた、絶対に来ます」のような人間性はちょっと薄れてしまったかも。意外とキャリガンと共にギャグパートを担っていました。
オリジナルではお母さんがキャロルアンの為に命さえも省みず霊に挑んでいきます。あの母の力は、衝撃的なほどでした。
しかし今作はその役割をグリフィンが担います。オリジナルでは役立たずだったお兄ちゃんが、今作では妹の為に頑張ります。その姿は涙腺を刺激されそうな良いネタに思えるのですが、どうも、演技の力が活きてくれない。キャラが上品過ぎて弱いんですね。
大人が怖がったり、子の為に!と悲鳴を上げながら立ち向かう姿を期待してしまうのは、私が大人だからかもしれません。母は研究員達と、グリフィンとマディの帰還を待つ役割に格下げされてしまいました。
キャロルアン救出後にお風呂に入れて息を吹き返し、母の腕の中のキャロルアンが弱々しく「ハ~イ、ダディ」と口にし、家族一同ほっとする、そんな姿がオリジナルの素晴らしいところでした。
そう「ポルターガイスト」はホラーと言うより家族ドラマだったのです。
今作も決してホラー寄りに成ったわけではありませんが、隙間に無数に観た家族の反応が印象に残らないのが残念で成りません。
VFXのせい?ギャグのセンスが悪いから?
それでもやはり、グリフィンが「僕がマディをひとりにしちゃったから」と異界に飛び込む様は、間違いなく良いシーンです。折角なら、グリフィンの後天性障害をテーマにし、父か母に「あなただから出来たのよ」と誉め、家族が一体になるようなシーンが有ったら良かったと思います。
マイノリティの良い映画表現にも成った筈です。

オリジナルの、霊界から帰還してひと時の安らぎ~怒濤の霊の大暴走は、リメイクでは帰還後一気に襲ってきてしまい、ママの天井這いずりや廊下が長くなる錯覚は有りません。棺が飛び出すのもプールも有りません。あのプールでの、音割れしてる怒濤の低音が大好きでした。静けさから一転して最大の悪夢に陥るのも、衝撃的で大好きでした。
でも休ませもせず、「ポルターガイスト2」級のパワフルさで全てをひっくり返されてしまいます。
新味としては、オリジナルよりお姉ちゃんが"出張り"ます。ちょっと性格がイマイチなので、ケンドラ、好きじゃないなあ。オリジナルの、からかう作業員に中指立てちゃうお姉ちゃんの方が良かったです。
そう。何より残念なのはオリジナルの印象的なシーンがことごとくカットされてしまったこと。
犬。母の執念、居間を歩き抜ける光る霊たち、子供部屋のポルターガイスト、母の体をキャロルアンが通り抜けて「あの子の匂い」、研究員の震える手、椅子のポルターガイスト、アメフトヘルメットを被って床を滑るキャロルアン、テレビの砂嵐、ママの白髪...
非常に残念です。どれも素晴らしかったから。
代わりに新作ではドローンやGPSが活用されます。物語が人ありきなので、あまり活躍しなかったのは勿体無かったです。一発逆転に利用しても良かったと思います。
展開としてマディ奪還作戦が山場なので、終盤の溢れる霊現象は呆気無く終わります。せめてランタイムが2倍は有れば...
キャリガンのラストバトルも見たかった...
終盤が物足りないのです。
↑キャリガン・バーク、この人、好き↑

主演...一応、パパかな?エリック役にサム・ロックウェル。「スリービルボード」の駄目警官の彼です。寒いジョーク連発です。
グリフィン役カイル・キャトレット。可愛い子ですが、味わい弱く、良く言えばイケメンです。
マディソン役にケネディ・クレメンツ。キャロルアンに勝らず劣らずに可愛らしい。しかし映画での扱いが悪く、あのヘザー・オルークの輝きは見えませんでした。ちょっと気になったのは、マディソン、ピアスしてるの。
ママ、エイミー役ローズマリー・デウィット。オリジナルより活躍しません。オリジナルのダイアンみたいに、キャロルアンを夫の前で床滑りさせた時の大の字ジャンプくらいの可愛らしさが見たかったです。
ケンドラ役はサクソン・シャルビノ。キャラが可愛くない。いつも愚痴愚痴。
キャリガンはジャレッド・ハリス。荒々しいのに品も兼ね備えた良い役者さんです。意外に見ている俳優さんなんですよね。
「ポルターガイスト」と言えば映画にいわくがあります。姉役の子は公開時に交際していた男性に殺害され、2作目のケイン牧師やネイティヴ・アメリカン祈祷師のテイラーは病死、そしてキャロルアン役ヘザー・オルークの病死。
1作目で予算の節約をする為に本物の死体を使ったから呪われた...なんて話も聞きますが、火の無いところには煙はたちません。製作スピルバーグ、大丈夫かい?
リメイクでは今のところ、噂は聞いていません。

購入してから20回ほど観ましたが、ある時から急に「面白いかも?」と思うようになりました。この作品のミソは如何にしてオリジナルを脳から捨てられるか、でしょう。
今はグリフィンとキャリガンのキャラクターを中心に物語を楽しめるようになりました。
そう。そんなに悪い映画では無いんです。
死人は出て来ても人が死なない映画。愛らしい家族の一体感溢れるドラマを、ジェットコースターに乗った気分で観られます。
ソフトだと94分劇場版に101分の完全版が収録されています。ちょこちょこカットされているようです。完全版だと、無駄に長いシーンが心地よくカットされていて、どちらが良いのか...でも全体的には101分でもカットされているように感じます。
まあ、オリジナルは勿論、「死霊館、エンフィールド事件」を観れば、この「ポルターガイスト」のリメイクが何故、物足りないのかが分かるでしょう。
欠点ばかり書きましたが、「ポルターガイスト4」と思えば、愛も湧きましょう。


ちょっと気の早いハロウィン。でも今の私は365日ハロウィンです。で。
「ペイ・ザ・ゴースト、ハロウィンの生贄」
ハロウィンの日。一家は夜の街に出て、パレードを楽しんでいた。
父マイクは不思議な気配に苛まれるが、息子チャーリーの楽しむ顔に親心は緩みます。
しかし、息子が居ない。ふと目を離した隙にチャーリーは行方不明に成り、そのまま見付からなかった。
一年後。夫婦は別れ、マイクはまだチャーリーの失踪に囚われていた。ただ、脳裏に焼き付くは息子の面影と「ペイ・ザ・ゴースト」、"霊に償え"と言う言葉。
マイクは小さなヒントを頼りに、ハロウィンに失踪が続いている事実を解こうと闇の街道へ足を踏み入れる。
ハロウィンと言えば、やっぱり王道「ハロウィン」。あの精神異常なのか悪魔なのか、マイケル・マイヤーズが、ハロウィンを楽しむ若者達を刃に掛ける「13日の金曜日」タイプのスプラッターホラーでありました。
こちらもジェイソンよろしく人から悪魔へ転換し、次第にマイナー映画に墜ちて行きました。でも意外に志有りながら作られ続けた為にジェイソンよりも見応え有りました。私はドワイト・リトル監督の4がお気に入りでブルース・ウィリス主演の「ラスト・ボーイスカウト」で好演した子役ダニエルちゃんがマイケル・マイヤーズと戦いました。
...で。「ペイ・ザ・ゴースト」はどうか。これが意外と悪くない。胸を張ってお薦めはし辛いですが、主演ニコラス・ケイジが私達の興味を惹き付け、物語を導きます。
ニコラス・ケイジが出ていながらも、多くのビッグタイトルにあるような軽薄さは控えめです。まあ、深みには欠きますが、ニックがなかなかの演技を見せてくれます。
子供が行方不明に成り、更に奥さんとも離縁してしまうのだから、尋常じゃないくらい心を病んでしまう。
忘れないで。ニックは「救命士」や「月の輝く夜に」のように心の演技が出来るんです。
今作では人生を狂わせてしまうほどに心を潰した男を演じます。
映画を彩るはハロウィンの行列。パレードが街を妖しく彩りますが、ゴシックな雰囲気も南部のブードゥや黒人風土の香る怪しげな雰囲気もあまり出ていません。何故ならハロウィンの原点ケルトの儀式を基礎にしているから。この映画の舞台はニューヨークですし、ケルトの祭事伝承者も事件に関わります。
まあ、正しいのですが、ちょっと失敗。やっぱり雰囲気の力は映画を印象付けます。ハロウィンは南部の雰囲気の方が似合うので、ニューヨークよりはミシシッピー流域の街の方が良かった。例えば「ゾンビ伝説」や「サンタリア」に有ったブードゥの雰囲気はそれだけで恐怖を醸したものです。
ケルトとまで話を広げながら、実はこの映画、都市伝説級のスケールなので、ちょっと物足りない...
しかし、そう覚悟して観れば、故の新味は映画を引き立てます。刑事や学者、霊媒師、盲目の男に誘われ、引き摺り込みながら、謎解きを楽しませようとしてくれます。
ホームレス、壁の文字、ケルトの印、女の声、気配、似たような失踪事件...
それらが次第に主人公達をあるいわくの根源へと導いて行きます。
序盤の家族の触れ合いや雰囲気は「ポルターガイスト」に合っていたと思うくらい良いです。マイクは助教授に成る為に深夜まで働き、そのせいで家族はいつも溜め息ばかり。でもマイクの家族への愛情も強く伝わり、その歪みがいつか無くなるだろうと、同情も込めて期待させます。しかし、チャーリーはいつも肩を落としてばかり。
だからこそ、霊はチャーリーに目をつけた。
子を守れなかった霊が、愛の足りない親から子を奪う。そんな教訓も。
その辺りは振りだけではなく、ちゃんと描き、"死"の理由にきちんと結び付けて欲しかった。折角、理由があるのに直接関係無い人を殺しまくるような狂行は違和感が有りますから。...有るのよね。霊媒師や同僚教授の顛末は呆気ないどころか、意味を残さず勿体なかった。
それだけでなく、鍵は振られど流されてしまうものが多く、残念。どうしても家族ありきで済ませようとした脚本が悪い。たくさんの人達が関わって、もっとたくさんの人の力が解決に導くべきだった。
そこは「ポルターガイスト」にも言えたところです。
特に刑事と霊媒師のキャラクターは物語には魅力的なのですが、さっぱり役に立ちません。残念にも数少ない"死"を嗅ぐわせる為の好都合なパーツと化してしまいました。
個性が無い訳ではありません。ケルトのハロウィンの始まりたる祭礼が"一部"見られたのは、興味深かったです。サムハイン祭と言うそうです。
"風土"と言うものはとても映画を活かします。
ただ、今作はケルトやハロウィンと言う素晴らしい素材が有ったのに関わらず、展開の中で忘れてしまうほど、映画を彩りませんでした。

今作も死によって怖がらせるホラーでは無く、死と闇の気配が恐怖を醸す映画。ラストは「ポルターガイスト」同様に家族万歳的な終局へ。
それなりに同情し、それなりに苦しみに嘆き、それなりにわくわくし、それなりに胸を満たします。
主演はニコラス・ケイジ。マイク役。
ちょっと役どころ「ウィッカーマン」に似てるかな。贔屓の監督ニール・ラビュートが撮っても駄目だったこちらもスコットランドのカルトの雰囲気を上手く醸せず微妙な結果。その点も似てました。
ニックは頑張っているのになあ。
妻クリステン役はサラ・ウェイン。
正直、私はこの女優さんがあまり好きではありません。いつも口を半開きでビビり顔。更に役がいつも悪い。自分が問題を拗らせたくせにいつも他人が悪いと責め立てる、そんな役ばかり。「ウォーキングデッド」では自分のした事の責任を男達に丸投げして知らぬふり。
今作でも子供失踪を夫のせいにしてとっとと新生活。執着する夫を見下す始末...チャーリーが居なくなりパニックのニックに「置き去りにしたの!」と嫌悪の表情を浮かべ怒鳴り付けるのは非常にゲンナリさせられました。普通は誘拐を疑い手分けして捜しましょう!となり、見付からなくて「あなたのせいよ」が限界。普段の家族より仕事優先のニックへのツケでもあるのだけど、頭ごなしはさすがの私もイラッとしました。
あんな女になりたくない。
そんなイメージには彼女の演技はぴったりです...ん?演技、上手いのか?いいえ。上手ければそれ以上の人間性を感じた筈です。
私好みの顎エラ系女性なのに。やっぱり演技が出来なきゃ駄目です。
ホラーテイストな割りに、ちょっと子供向けな雰囲気も。ただ、愛や労りを誇張せず、闇に触れた家族の苦悩が引き立てられています。
私としてはもっとダークに、更にもっとハロウィン色に満ちた映画だと良かったのですが、そうは有らず。スケールも路地裏に迷い込んだ程度の映画でした。でも何だか心に残る不思議。
影の扱い方、鏡による効果、街の雰囲気など演出もなかなか。大学教授や刑事もツボは押さえられていて人員配置も上級B。愛らしさには欠きますが、それを補うニックが醸す人間味も充分でした。だからこそ、個性が活きていれば...と悔やみます。
ハロウィンですよ、ハロウィン!
そう言う意味では同じニコラス・ケイジ主演の「ゲットバック」は良かった。
銀行強盗をし、捕まったウィル。現金は逃走中に焼いてしまったと言う。
出所し、ウィルは8年ぶりに娘アリソンに会えると楽しみにしていたが、8年の汚名は娘を変えていた。
そんな時、一本の電話が入る。12時間以内に盗んだ1000万ドルを用意しなければ娘を殺す...
この映画、南部の街並みがすごく良いです。そして時はハロウィン。チェイスの舞台は始終ハロウィンパレードの中です。また、映画はノンストップでハイテンション。
これですよ。いつまでも記憶に刻まれる映画と言うのは、内容より個性です。
更に、警察はウィルに目をつけていて、タイムリミットがあり、ウィルは何とか娘を助けようと警察を撒き、犯人を追い詰めるべく町中を走り回る。娘も助かろうとあれこれ足掻き、映画は先行き不明の緊張感に満ちています。
画面はハロウィンや南部特有の風土に溢れ、タクシーの飾りやバーの装飾なんかにも独特な雰囲気に包まれています。
残念を言うなら、犯人は序盤に自ら名乗り、更にチェイスチェイスの連続で、展開に意外性までは感じません。後半尻すぼみなのも「ペイ・ザ・ゴースト」に似てるかも..
ですが、雰囲気は観る者を異空間へと誘います。ハロウィンに賑わう街はひとつのキャラクターです。
止まらない緊張感も手伝い、更に警察が助けてくれない!と言う八方塞がりな状況と娘の為にと言うカタルシスは私達を飲み込んでいきます。
ショートヘアのひねた娘アリソンが可愛かったのも良いですよ。若干、エラ顎、ナスターシャ・キンスキーばりの童顔も愛らしく、守ってあげたくなるでしょう。さすればあなたもウィルに成りきれます。
元相棒で助けてくれるライリー役のマリン・アッカーマン。超絶美人では無いけれど、華を振り撒き、オチまでしっかり付き合ってくれます。もう少し活躍して欲しかった。
「ペイ・ザ・ゴースト」より2倍は面白いのは言うまでも無く、今作のハロウィンの描きが「ペイ・ザ・ゴースト」に欲しかった。
...あ、「ペイ・ザ・ゴースト」ボルテージ製作!?だからね。あそこはいつもツメが甘い。
後半、霊媒師の件からシナリオ都合を感じるほど、芋づる的に話が進み、終局へと雪崩れ込んでしまい物足りない。その惜しさを脳内で「こうだったら...」とイメージしながら楽しむのも映画の楽しみかも知れません。
レンタルで最後の一本にどうぞ。でも後半のイマイチは覚悟して。悩んだら「ゲットバック」を。:p


☆先日。隣りに40代の女性が入院してきました。息子さんも居て、ご主人とお見舞いに来たり、いい感じ。
ですが、先日、泣いているのでみんなで心配したら、息子さんが登校拒否をしているそうなんです。
え?お見舞いに来た時、あんなに元気だったのに...

最近、巷で、学校が嫌なら行かなくていいとか、保健室でいいとか言っちゃうから、子供はもうひとつ飛び越えるのが簡単になっちゃう。
人は子供に関わらず、概ね、してはいけない、出来ない...をひとつ越える。確実に。
だから登校拒否なんて今では容易いものなんです。
私は苛められていた。でも頑張った。病気以外で休まなかった。だから、悪い思い出を力に変えて、今、少しくらいの障害なんて乗り越え踏みつけ、ねじ伏せられる。

あなたのドロップアウトは母を泣かせているんだよ。忘れてはいけない。いつだって何だって終わる。いじめも辛さも...命さえ。
自分の人生は自分のため。確かに。でも誰かのものでもある。人生に意味を為せなくても、辛くても、絶対に無駄じゃないと思うべきだ。だってあなたの人生の一部はあなたの傍らの人のものだから。
口に出せばいい。登校拒否の前に「辛い」そして「でも母のために頑張る」って言ってあげて。きっと母は父は、あなたの涙を拭ってくれるから。

隣人の鼻をすする音を聞く度、私は胸が痛くなる。

でも。ちょっとがっかりも。
その方。涙ながらに同情を買い、私にも私の母にも隣人にも慰められ、私達は彼女の為に奔走し、部屋の事や様々な問題点を看護婦さんに掛け合ったり助けたりしてあげたのだけれど、彼女と同じ怪我であり同年代の子が「私、いじめられていたから息子さんの辛さが分かる」と言ったら、ふたりはベタベタ。置き去りな私達。
更に他の老齢患者に同情を貰おうとしたのか、休憩所で泣き言を言いまくり、彼女は味方を増やし、看護婦さん達は立場を悪くしてしまいました。
その上、今度は「婦長さんが、私を嫌っていじめてる」と話すようになり、彼女は上記のいじめられ女の子の隣りに部屋代えして行きました。
私達には挨拶無く去り、その日の最後にようやく来たけれど「部屋変わりました」だけ。母が激励の言葉を言いましたが、返礼無し、返事無し。目も合わせない。私には「あ、どうも」だけ。更に翌日からは挨拶しても、無視100%。
同室の女性は世話見心が増して、未だに案じて走り回り、あちらこちらで涙腺弱い老人達は涙混じりに同情し、看護婦さん達だけ釈然としない思いを胸に抱いて、ため息混じり...
そうして彼女は女神に成りました。
...これぞ、女の世界?
彼女。別病院からの特別待遇で来ていて、食事も別メニュー。ベッドも特別仕様。
向精神薬を服用していたけれど、看護婦に申告せず注意され、事あるごとに愚痴って泣いて...
「私はいつも辛いめに...この病院に騙された...看護婦は嘘ばかり...私にだけ態度が悪い...」と口にする。
でもご主人、子供もいる平和な家族持ち。
帰る絶対的居場所が有るから無敵なのか、したたか女は強いです。

どうでも良い話でしたが、看護婦さん達に感謝を込めて。お陰で母は元気に成りました。


おまけ。本日、私の誕生日。また1年が経ってしまいました。もう数は数えません。
良い一年にするぞ~(*´▽`)v