すっごい台風にすっごい闇映画。 | まりのブログ

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性同一性障害者の私が、思いのままに生きるために頑張って生きてます。
性別適合手術をしてから2年になりました。
私はトランスジェンダーとして誇りを持って生きてます

週末、関東は台風に襲われました。
すごい突風で庭木はめちゃくちゃ。ひどいものです。
近所の森もばたばた木が倒れてます。カーブミラーも曲がり、未だにあれこれ爪痕が残ります。
運良くか、私のところは、水道は少し水圧が落ちたくらいで、ガスも大丈夫でした。
でも。停電しました。
私はテレビ無し、電気無しは好きです。静かですし、雨の音や車の水はねの音、人の声がそっと耳に届きます。ぼ~っとして幾らでも時間を楽しめます。
私だけじゃなくみんなも活動が落ちていて町が静かなんですよね。しとしと雨や雪の日の静けさのようです。良いですよ。
しかし。この蒸した時期に冷蔵庫が動いてない。
ヤバイ!おおお...オラに...オラに電気を分けてくれ!
と、部屋でひとり天を仰ぎ祈りながら、焦れた5時間を過ごしました。日本のインフラ駄目だなあ...
同時に...電気に私たちは縛られて生きているなあ...と思い知ります。
ふと...電話も扇風機も止まっているなら、携帯電話を持っていない方がこんな時に熱中症になったら...どうすればいいのだろう...ひとり暮らすいつかの私を案じたり。
それにしても、台風の過ぎた朝、救急車と消防車がひっきりなしに走りました。テレビでは言わないけれど、思ったより怪我人出ていたみたいです。
台風のせいか、停電のせいかは分かりませんが...

で。台風の日、停電前に観た映画、ちょっと癖あり、でも良い映画でした。
「ザ・マミー」メキシコ映画です。
エストレヤは誰も帰らない家で、ただ母の面影を想う日々を過ごしていた。そんなある日、学校は近隣の銃撃事件を機に休校になってしまいます。
エストレヤは寂しさに思わず、願を掛ける。
「母が戻りますように」
その夜、母が家に姿を見せる。
夢か幻か...しかし母の姿はかつてのものでは無かった。
エストレヤは逃げるように、屯する子供らの元に身を寄せる。しかし、リーダー格のシャイネがチンピラのカコから銃と携帯電話を持ち逃げしていたことから、一番幼いモロが誘拐されてしまう。
エストレヤはそそのかされて、カコのアジトへ。しかし、カコは死んでいた。エストレヤはモロを救出する。
その夜、母の声がした。「カコを殺した人があなたを捜しに来る。私のもとへ連れてきなさい」
エストレヤ達は廃墟に身を隠すが、追っ手は着実に迫っていた。
大まかなストーリーからもわかるように、この作品は銃による事件と誘拐が横行するメキシコの現実を下敷きに、そこに起こる、暗いおとぎ話のような物語が展開します。
口々に語られる子供達の境遇は悲しく、胸に来るもの。町は荒れ、誰彼も不安に怯え、引っ越す人達も少なくない。
そんな時に起こる事件。それは、まだ学校に通えて、私はただ母の帰りを待っているだけだ...と信じていたエストレヤも、巷の孤児と同じだと知らしめる。
常に付きまとう母の気配。母はエストレヤを抱くつもりか導くつもりか、エストレヤを誘おうとする。
しかしエストレヤは母を避け(真実から目を反らし)、シャイネ達と共に執拗にそこにある現実に挑んでいく。しかし、道を見失い、友の死も...
非情な現実は彼等を逃がそうとはしない。
この映画、「ザ・マミー」はやりすぎだ。トレジャー映画に見るようなミイラは出てこない。きっと安易にトム・クルーズの映画に便乗したに違いない。しかし、映画の質は遥かに明らかに高い。
映像は闇と寄り添う不気味さに彩られていますが、廃墟で見せる水溜まりの金魚や流れ落ちる雨水など、廃れた世界に遺る生命力の美しさは光輝いて美しい。暗く、暴力と貧困が溢れる町に、生命の力を見せつける。
多くのホラーは光を食いつくす闇を描くが、この映画は逆に闇に霞む世界の中に、光を見せる。
ホラーとしての不気味さは弱いけれど、時にはぞっとするほどのものを目撃する。中盤にエストレヤの前に現れる死の気配を孕んだ一団は、まるで映画「パラダイム」の死に取り付かれた人達のよう。そんな屍達の造形はおぞましいが、その由縁があまりに物悲しくて怖さは感じない。
エストレヤの元には亡き人達が寄り付く。それは母の死を受け入れられないエストレヤの心のせいだ。
しかし、この映画では現実を受け入れることと、おとぎ話を信じなくなる、そのふたつを同立させる。
屯う子供達は願いの力を信じない。何故なら現実はあまりに非情だと理解して諦めてしまったから。
エストレヤはまだ受け入れていない。だから彼女は願いの力をまだ持っている。しかし、現実の非常さを目の当たりにする度にエストレヤの力は失われていく。彼女はおとぎ話の摩訶不思議な奇跡は現実には無いと理解し始めてしまう。...母は戻らないと受け入れ始めてしまう。
しかし、絶望と失望の淵で、エストレヤには新たな信じるものが育まれていた。信頼や絆だ。今度はそれを守るために、エストレヤは願いの力、生と死の狭間の力を奮う。

力とは、非情におぞましいものだ。それは現実。銃であり、死であり、生きること。
エストレヤは力に晒され、力を奮い、その果てに、答えを見出だす。
この映画は、「テラビシアにかかる橋」のようなシニカルなファンタジーです。痛ましい現実の中で足掻く孤児達の姿を描きます。そして、彼等を助けるのは愛であり絆であり、そして、信じる心...
実は非常に愛らしい作品でもありました。
もう少し...おとぎ話を信じていたい...でも逃げてばかりはいられない...そうしてエストレヤは現実を歩いていく...
"こんな悲劇は、まだおとぎ話を信じていて良い年頃の子達に与えられるものではない"
そんな作り手の、"信じる心が失われないことを願う"そんな思いが込められた映画でした。

凄く良い映画では無く、凄く面白くも無い。でも、心に忍び込み、小さな痕を残す映画でした。
原題「Vuelven」意味は"彼らは戻ってくる"。


また闇映画Blu-rayを購入してしまいました。
「ピラニア」
以前、観たような気はするのですが、あまり覚えてなくて、買っちゃった。こちらリメイク版です。 

ビクトリア湖はフェスの真っ只中。多くの若者達が集って大騒ぎ。そんな中、ジェイクは妹と弟の世話をしなければいけない。同窓のケリーとの再会も果たすが、良いところは見せられず、落胆していた。
しかしセクシーサイトの監督デリックに誘われて、湖の良いロケーションに連れていく事に。そこにケリーもデリックのクルーザーに乗船する事になって嬉しい限り。
しかしその頃、湖のあちらこちらでピラニアによる死亡事件が発生していた。そしてその食欲はクルーザーに、フェスに襲い掛かろうとしていた。
地震による湖の湖底落盤によって、共食いで生き抜いて来た太古のピラニアがフェスで大騒ぎの若者達を食いまくる!
と、シンプルなパニックホラーなのですが、そこそこコメディなノリ。容赦なく食われる人達の阿鼻叫喚な地獄絵図の合間には、無数の美女と呆れるほどお馬鹿な男達が荒れまくる。女の子達は惜しみ無くその色香を振り撒き、男達はこれでもかとばかりにふざけまくる。
まあ、女性達が美しい。その動きから所作から、これ以上無いほど色香を振り撒く。溜め息ものです。
まあ、映画だから物語も大事です。...そちらはよくある展開です。故に問題なくカタルシスを程好く晴らす、王道展開。だから身構えず、彼らの馬鹿騒ぎを頭空っぽにして楽しめば良い。物語は後から付いてくる。
映像は衝撃的なほどセクシーで、同時におぞましい。
殺戮シーンはブラックジョーク並みですが、凄惨、悪趣味なくらい。試したい殺され方をあれこれやっちゃった...くらい片っ端から大放出。
脚を食われるは当たり前、腕から腹から、何処からか体に入って口から出てきたり、剛腕筋肉質だろうが、美人も誰も生きとし生けるものに、ものすごいスピードで襲いかかります。もう修羅場はハイテンポノンストップ。ただ、被害を広げるはピラニアの食欲だけならず、人のせいもある。ボートでひとり逃げようとした悪ガキが、助けを求める人を構わずボートで牽き、更にボートのスクリューに女性の髪を絡ませてしまい、「助けて」と言う声なんか無視をして、スクリュー回して、髪を顔の皮ごと剥がしちゃったり...
そんな特殊メイクは見事なもの。「ジョーズ」と対局の壮絶さで恐怖を描きます。
「Megザ・モンスター」は見習うべき。あれは柔過ぎです。私は個の死は嫌いだけど、集団の死には警鐘を孕むと思うから。愚かなりし奢れる人類よ、と大自然は私達を嘲笑う。
撮影も素晴らしい。恐怖を煽る水の中からの映像や混みあったフェスの熱気、ビクトリア湖の風景もよく撮れていて、私達の求めるものを妥協無く画面に溢れさせています。
ドラマも程好く描かれて、ちょっとした恋愛要素や母子の話、子役の使い方も程好く、物語を気持ちよく運びます。何しろ話配分も話運びも絶妙、上手い。お馬鹿な台詞もウィットが利いていて面白い。
充分に飽きずに観られます。
役者もなかなか揃ってます。
存在感は薄いですが、おそらく準主役ノバク役のアダム・スコットはヒーローなのかギャグパートなのか...私、彼の穏和な感じが好きです。ちょっと彼の雰囲気、トム・クルーズっぽいかな...なんて...
フェス参加者の救出シーンは見せ場で、トム・クルーズばりに大活躍してくれました。まあ...オチは泣き笑いものでした...
主役ジェイクはスティーヴン・R・マックイーン。そう、あのマックイーンのお孫さんです。平凡な駄目思春期青年を好演します。
同主役クラス、ジェイクの母で保安官ジュリー役をエリザベス・シュー。かの映画「カクテル」で、水場でトム・クルーズを前にブラを取り「タラ~♪」と綺麗な胸を披露した彼女です。ちょっと老けて体がゴツくなりました。保安官には不足無しです。露出無し。
ヒロインのケリー役はジェシカ・ゾア。周りが巨乳揃いなので地味めに見えますが、血脈のせいかエキゾチックな印象があります。ちょっとツンした感もあり、そこが性格を立てていて可愛らしいです。なかなかのセクシー挑戦してました。
セクシー映像監督デリック役のジェリー・オコネルのおふざけっぶりが笑えます。かつて「スタンド・バイ・ミー」のおデブのバーン役を演じていた彼とは思えません。彼、ピラニアに酷い目にあわされますが「俺の大事なところまで食いやがった~」と嘆き、なかなか死なない憐れな最後も...笑わせました。
警官ファロン役のヴィング・レイムズも、脚を食われながらボートのモーターで大量のピラニアを倒します。序盤からそれなりに活躍し悪くないのですが、吹き替えは出川哲朗。軽くて白けます。
「ジョーズ」のリチャード・ドレイファスや「バック・トゥ・ザ・フューチャー」のクリストファー・ロイド、「スターシップ・トゥルーパーズ」のディナ・メイヤーも出演。チョイ役ですが彩りを足します。
フェスの進行役をイーライ・ロスが演じました。猟期映画「ホステル」シリーズの監督で、しばらく監督業を停止して役者を楽しんでいたみたい。最近、また復帰したとか。私は彼の作品はあまり好きではありません。:p
で。私の贔屓。ワイルドワイルドガール、ダニー役のケリー・ブルックが非常にいい。左の子。彼女の胸元に顔を埋めるもうひとりのワイルドワイルドガールのクリスタル、そんなときのダニーの動きが、まあ、プロフェッショナルです。すごく美しく麗しい。あの動きは...試したい...
笑顔から動きから素敵で、頭空っぽ女優役で無いところも良かったです。体力を使う際には「ポールダンスしてたから」って意気込み満々だったり、可愛いの。

監督はアレクサンドル・アジャ。
かのフランス映画「ハイテンション」の方です。この映画、大好きです。田舎を旅行していた女の子ふたりが謎の殺人鬼に追い回される作品でした。アメリカに来てからは精彩に欠いていましたが、アレクサンドル・アジャよ、やってくれました。
まあ、殺戮映像が強烈ですが、何より記憶に残るのは..女の子たちの解放映像です。すんばらしい。"無修正"の華麗な水中ダンスを堪能あれ。
「おっぱいの付いてるお魚ちゃん」
まさにです。
彼女達だけで無く、全編に渡り水着の女性達が画面を彩り、まあ華やかです。
実は既に正規続編も有りましたが、そちらは少し覚えています。今度はプールリゾートで惨劇が起こります。更にピラニアに足が生えるのですが、その歩きっぷりにゲンナリした記憶があります。
ですので、購入を躊躇っています...って言うくらい「ピラニア」を楽しんじゃった。
デリックのクルーザーの名前は「バラクーダ」。次は海か?!と期待しちゃったりして。アレクサンドル・アジャの再投に期待。:p


☆昨晩は強烈な雷雨に成りました。23時くらい?もう稲光が止まないし、長い時間、爆裂音が鳴り響きました。
ちょっと怖かった。短時間でしたが停電にもなりました。
先日、パリにも嵐が来たようで、アンナが身を竦めているとゾーイは喜んでいたそうです。子供おそろしや。強いね~。
そんなアンナいわく。「嵐は地球を洗う」
フランスでは季節がわりに強烈な雷雨(オラージュ)が有るそうで、あちらでは恒例なんですよね。
でもそんなアンナも数年前からは「異常気象」と言う言葉を何度も口にしています。
私達もそこそこ口にしていますよね。また、今年は極んでいます。これからどうなるのでしょう。
先日の台風の後、私は自転車で買い物に出ました。道にはたくさんの葉や枝が敷き詰められていましたが、一番気になり危なかったのは、散乱するペットボトルでした。ゴミを道や植え込みに捨てる人が居るからです。
先ずは私達の環境対策はそこから始めましょう。手遅れ何て事はない。安全を守り、更に環境破壊を遮れるから。無駄だだなんて言わないで。
私達は嵐に晒されても、子や孫は穏やかに生きられるかもしれないから。
近所の高圧線の塔に雷が落ちた~!!ヽ(゚д゚ヽ)(ノ゚д゚)ノ!!