GW。花々とミス・インターナショナル・クイーンと映画。 | まりのブログ

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性同一性障害者の私が、思いのままに生きるために頑張って生きてます。
性別適合手術をしてから2年になりました。
私はトランスジェンダーとして誇りを持って生きてます

今更ですが、ようやく3月10日に行われた「ミス・インターナショナル・クイーン2019」を観ました。
結果は分かっていたので、わくわくの楽しみは控えめでしたが、それでも華やぎに満ちた祭典の高揚感をたっぷり味わうことは出来ました。
前回に比べ、遺伝子の影を感じさせない方々ばかりで、劣等・私には、やはり、ただただ溢れる涎をだら流し、見上げて焦がれるお子ちゃま気分でありました。
そしていつもの通り「私、ミスコンに出る!」と芋虫体型で無茶を言う、映画「リトル・ミス・サンシャイン」よろしく、叶わぬ夢と希望を僅かに胸に抱いちゃったりして。:p
放映版では本編を編集し、日本代表の紹介や抜きのカットを大量に足した為、以前より大会映像が減ってしまったのは残念でした。中でも各国代表の個々のオフショットや紹介カットが尽く無くなっていて、ミス・インターナショナル・クイーンはジェンダーだけで無く、国籍さえも越えて繋がろうとする願いを抱いているのに、残念でなりませんでした。
大会については概ねいつも通り。みんな最高。でもちょっとだけ日本代表の方の質疑応答が気になっちゃった...「あなたが居る世界とあなたが居ない世界で何が違うと思いますか?」との問いに、どう聞いても「あなたの生まれて良かった事は?」との答えを語ってしまっていたのは残念でした。中国の方もオールマイティーな答えを用意していたのか、活動家風の大演説をしてしまい、更に日本の方もそうでしたが、あちらこちらで「負けない」意欲を剥き出しにして、私の好みとしては、ちょっと微妙でした。
本来なら"美"は各々讃えられるべきで、勝ち負けで計ることでは無いからです。だからミス・インターナショナル・クイーンは、毎回違う、テーマが有るのです。
優勝したアメリカ、そして第二位のタイの代表の方の振るまいとその言葉はあまりに素晴らしく、アメリカの方のHIVに関する話は、身近の縁者の話をしているように感じられ、胸に来るものが有りました。
"勝つこと"では無い、もっと先を見据える彼女達の意識は世界に痕を残すでしょう...残して欲しいと心から思いました。私は彼女達を絶対に忘れません。
タイ、パタヤの夜は、優雅で素敵なトランスジェンダー達の饗宴は果てしない輝きに満ちていました。

...ただ...私って駄目ね...とちょっと肩を落としながら、ひっそりひと雫、頬を伝います。
あがき。:p
ダイエットはまあまあ。ちょっと止まっちゃったかな...体力回復大喰らいの時期に、つい忘れてしまっていた"1膳(品)控え"を思い出し、試したところ、瞬く間に計2kg減。
少し、体が軽くなった気がします。:p
大手毬。
山桜と藤の花。もう今年の春は終わりかなあ...


ミス・インターナショナル・クイーンを観ていたせいか、すっごく悩んで、映画「マーサ、あるいはマーシー・メイ」のBlu-rayを購入してしまいました。
以前にも書いた作品かもしれませんが、私の心の映画です。決して楽しい作品では有りませんが、人の心を描いた、意識高い作品である事は間違いありません。

マーサは友達と男性達に誘われてコミューンを訪れた。そこは片田舎の農園でカリスマ性の有る男性によって纏められていた。
初めこそ魅力の生活だったが、次第に危なげな一面を見せ始める。そして...
コミューンを逃げ出したマーサは、姉夫婦の元へ身を寄せるが...

この映画を観たのは、私が悩み、どうすれば良いのか分からなくなっていた頃でした。閉塞感を感じ、無性に誰かを求めていました。残念ながら私の周りには支えてくれる人は居らず、ただ、家族しか居なかった。
でも、私の家族は過去にもその時にも私の心の声に聞く耳を持たず...だから、当然、居場所や安らぎを得ることはなかった。
まるでマーサのようだったのです。
上のカットは姉夫婦の間ではどうしても素直に成れなくて、部屋に閉じ籠ったマーサ。そっとカーテンの隙間から覗き見て、羨ましく思い、そして声をかけてくれる期待している...
おそらくそんなシーン。
私もたくさんの言葉を待ちました。心に浮かぶたくさんの言葉を口にし、乞い、離れて父と母を伺った。時に自棄的に成ったかも...でも、叫びは数を重ねる度に、私を決め付けていく。
おかしい子。
家族のひそひそ話が聞こえる。心がざわめく。心の器が小さくなっているのを感じる。溢れ、こぼれ落ちる感情...
でも誰も助けてはくれない。あなたの、私の心を察した優しい言葉を心待ちにしているのに、決して投げ掛けてくれない...
あなた達は幸せそう...ここは楽園のよう...それが傾いたら気づいてくれる?壊そうとする私を見て、気づいてくれる?
私の穴だらけの心に...
そうしてマーサは本当に壊れてしまう。
マーサは居場所を失っていく。
"素直になれないマーサ"と"厄介者マーサ"が、姉夫婦家族との調和からズレ始め、著しく解離してしまう...
そして過ちを犯す...

この映画はマインドコントロールを題材にし、その恐怖を描いています。如何にもテーマのようですが、私はもうひとつ受けとりました。
この映画は家族、それも"姉妹"と言うものを描いています。
おそらくマーサはコミューンに行く前から家族に厄介者と思われたか、思われていると思い込むほど疎外感を感じていたかと思います。
そしてその疎外感を分かって貰おうとするあまり、夜遊びしたり反発したりするものだから、更に家族からの卑下や蔑視を受ける事となったと思います。
そしてまた失敗する...
心から悔やんだ。立場を失い、目も向けられない...
でも分かって欲しいの。姉さんだけが私の寄り添える懐ろ...初めこそ同情されるけれど、もう、そうもいかない。追い出される。私だけで立ち直るにはもっともっと時間が必用なのに。伝えなければ。怖い。助けて。気付いて。
でもそうしてマーサは、また、厄介者と成っていく。
姉を心から愛しているから、駄目な自分が恥ずかしい。でも、誇れるほどのものなんて何もない。駄目以外のものなど持ち合わせていない。たがら駄目を掬い上げて欲しかった。絶対無敵な"家族"で包み込んでいて欲しかった。

ある説には、コミューンの存在はマーサの虚言では無いかと言うものがあります。
誰かに認めてもらいたい時、多くの人が起こった物事を誇張する。そして同情や理解を得たがる。
そして無理だったと悟ってしまった時、人は自棄っぱちになる。怒る時も。泣く時も。逃げる時も。嘘を吐く時も。平穏な家庭を避け、あえておぞましき環境に身を投じ、安堵してしまう時も...
映画「ルーム」にも言えることですね。豊かな現実こそ最も息苦しい。
人を救う楽園は何処に有るのだろうか...求められること、なのかもしれません。
ラストはある意味、衝撃的です。
マーサの心が何を選ぶか。映画に、そしてマーサに期待したあなたの心は、きっと踏みつけらるでしょう。
やはり虚言なのか?マーサの救いは何によって与えられるのか?
私は、ただ、涙を溢し、終局には、溢れ出しそうな悲鳴を飲み込みました。
購入したBlu-rayは英国盤。パッケージのデザインが日本のより素敵だったので、そちらを購入しました。


私、昔からトム・クルーズが好きで、
「ザ・マミー、呪われた砂漠の王女」を観ました。
英国で十字軍の墓所が発掘された。その頃、イラク、メソポタミア文明の発祥地である遺跡が発見される。しかし、それはエジプト文明の遺跡だった。
そしてそこで発見されたのは謎の石棺。
遺跡を盗掘しようと目論んでいた男と考古学者の女は、棺を持ち帰ろうとするが、輸送機は鳥の襲撃に遭い墜落。女は生き残るが、男は命を落とす。
しかし、男は息を吹き返す...

昔からミイラものはロマンたっぷりで大好き。もうトムにミイラなら興奮間違い無し。と、わくわくしていたのですが、あれ?あれれ?
ずっとトムは考古学者だと思っていたのですが、なんと軍人。そうね、アクション性が高いってことね。と、思っていたら、さほど無いじゃない。
...なら、インディ・ジョーンズみたいな考古学ミステリーを楽しませてくれるのよね...が、謎解きや解明の高揚感なんて無い。太古のロマンスも無いし...結局、VFX頼みなんですね...
まあ、その辺りはクオリティ高いので、妖しさたっぷりなエジプトの姫の復活を楽しもうじゃない...
それに今作はダーク・ユニバース・シリーズの第一段。その始まりなんだから、少々、物足りなくても第二作目に期待できる筈...
それなりにミステリアス、それなりにアクションじみて...ミイラの移送、墜落...そして復活...
そんな時、トムが拉致され秘密の研究所へ移送される。そこでは大きめなイカや吸血鬼のものらしい頭蓋骨、半魚人の腕に狼男らしき頭蓋骨...
まあ、次回作は「魔人ドラキュラ」か「狼男」か「大アマゾンの半魚人」か...ささやかな振りに浮き浮き。ファンには思わぬ「あれあれ!」要素が満載。
しかし。突然のジキル博士登場に、唖然。
そして無茶な混乱に安直な力の解放...
怒濤のロンドン市内大パニック!
...なのですが、あっと言う間に次展開。地味な戦い繰り返し、奇跡と無謀な唐突決断でイメージ壮大、映像地味めで終局を迎えました。捻りは?意外性は?時空を越えた葛藤も愛憎の悔しさも無い...
...ミイラものは当たらない。残念ながら今作は期待ほどのヒットとはならず、第二作は暗礁に乗り上げているそうです。
ジンクスを乗り越えようとしたのか、作中アイテムとして画面を横切る鍵付きの本は、方向変えで珍しく成功した「ハムナプトラ」の死者の書か。
原作「ミイラ再生」は、知的でアクション性など皆無の映画でした。どうせなら難解で哲学深く、知的好奇心を喚起させるような方向性で観たかったと悔やみます。
でももっと当たらなかったかな...

私は昔の地味~なミイラ映画が好きでした。包帯ぐるぐるのが大好きです。近作でも2000年頃のラッセル・マルケイ監督の「タロス・ザ・マミー」はいい感じで、地味でも味わい深く、ミステリアスで怖さのある作品でした。古代の王の復活を描きました。
DVDはコントラストがきつく、黒まみれで後半、物語より「暗くて見えない~」と嘆いたことを思い出します。
1990年辺りではテレビ作「アメージング・ストーリー」の劇場公開仕様に挿しこまれた短編ひと話「パパはミイラ」は素晴らしいホラー・コメディでした。ミイラの英語「Mummy」とお母さん「Mammy」を文字って、奥さんが産気付いたと病院へひた走るミイラ映画俳優と、彼を見て「ミイラが出た!」と戦き倒そうと図る町の青年団が追いかけっこし、更にそこに伝説のミイラ、ラー・アミン・カーが現れて大騒動に!
演出がとても上手く、ラー・アミン・カー登場シーンなどなかなかの怖さ。とは言え基本は笑えるコメディなので、非常に面白い作品でした。
トム君。ミイラはホラーですよ。
それに足すのはアクションよりロマンと感傷です。時に笑い♪笑いに関しては相棒がそのパートを担っていましたが、「ハムナプトラ」のジョン・ハナ扮したお兄さんと被っていて、同様、うざったいです。
更に今作のミイラは「スーサイド・スクワッド」の敵と印象変わりません。エキゾチックで美人なのでとても魅惑的ですが、新味が無いのはいけなかった。
でも盛り上がりに欠き、期待を上回らなかっただけで、それなりには楽しいので、挫けず、ぜひ「大アマゾンの半魚人」版を作ってください。

ゴールデンウィークは平凡に過ぎていきました。
でも、私の心は世界各地を飛び回り、たくさんの想いを巡らしました。
いつかまたタイに行くぞ~♪その日まで、もう少し、映画と共に夢想してます。(*^^*ゞ


☆最後に。
南アフリカのアスリート、セメンヤさんは男性ホルモン値が高いため、女子アスリートとして参加する事が出来なくなる規程が新設されました。彼女は撤回を求めましたが、「差別的」としながらも彼女の訴えは退けられました。
先天的で有ることから、彼女に対してのこの結果はどうかと思いますが、でもこれからトランスジェンダーのアスリートも増えてくると思います。平等性を維持するためには必用かもしれません...