時は常に明日へ向かっている...世界の報せも映画も、そう私達に見せてくる。 | まりのブログ

まりのブログ

性同一性障害者の私が、思いのままに生きるために頑張って生きてます。
性別適合手術をしてから2年になりました。
私はトランスジェンダーとして誇りを持って生きてます

パリはノートルダム聖堂の火事に涙を流し、まるで希望を失ったかのよう...
いいえ。私達はたくさんの"失い"を経験しながらも、常に新しいものを得、続けているのです。
いいえ。失うこと。それこそが与えられていることの喜びを再確認する、最たる切っ掛けと成ることでしょう。
...それでも、この失う寂しさは私にも、堪りません...
頑張れ、パリ、フランス。

不謹慎にも、春なので。

世界には無意味だ。
...日よりも暖かくなりまして、ちょっと遠出をしてきました。
全部、芝桜です。
そして目が痛くなるほどの黄色。
ちょっと自転車で長旅をして来たのですが、冬場の"鈍り"が効いていたらしく、ものすごく疲れて、今、ぐったりしています。体調はすこぶる良いのですが、疲労感が纏わり付いています。
そんな昨晩。眠っていると...あの恐怖の音が耳元に...
蚊です!4月18日、深夜3時頃、蚊に襲われました。
もうそんな季節が来てしまいました...


まだまだDVDにさえ成らず眠る新作映画が多い、焦がれアリシア・ヴィキャンデル。
何気無く知ったささやかな報せ。
おそらく「フォー・ウェディング」の続編。
アンディ・マクダウェルとヒュー・グラントも映像の中に。その娘役?もしくはその相手か。関係無いかも。:p
そう。同性結婚なのです。前作でもゲイのふたりの結婚が描かれていたので、思えば、なかなか先んじた作品だったのですね~...と、感慨深く。確か、話は切ないオチを持ちますが...
アリシア、カッコいいです。やっぱり大好きです。
何かしらいつも、彼女の役はテーマを孕む。だから、焦がれるのよね。意志の有る人は、例え凡庸な人生を送ろうとも、素敵に違いない。彼女は万丈。


人生は今日、変わるかもしれない。映画は予言か覚悟への啓示か...
「インフィニティ、覚醒」
ショーンは勝ち気な弟オスカーと病気で日に日に弱る祖母と暮らしている。意気揚々と親友とつるんだりしているが、日々の生活は厳しく、更にかつての恋人アレックスへの未練がたっぷり。
ある日、パーティでアレックスと再会。話をしたいと願ったが、もう関係は過去の事か...押し付けるようにアレックスの腕に電話番号を書いて別れる。
アレックスは恋人と水溜まりの池で泳いでいると、薬のせいで溺れてしまう。そして彼女を包む光...
アレックスは道をさ迷い歩いている所を、通りがかった、謎の飛行物体を追う男性カルにドライブインまで運んでもらう。アレックスは記憶を失っており、彼女は腕に書かれた電話番号にコールする。
電話を受けたショーンはアレックスを連れてひと先ず自宅へ連れ帰る。彼女はそのまま眠り込んでしまう。
翌朝、アレックスが目覚めると、ショーンの祖母は元気に買い物へ。驚いたオスカーは不審者の気配に包丁を掲げるが、その包丁は宙で静止する...
題名もDVDパッケージも超能力アクションみたいな感じですが、その実際は「未知との遭遇」新世代版です。ただし、残念ながら映画レベルは下方です。
しかし、それでも健闘してます。
最近のB級映画は2000年ちょい辺りから盛んに成ったPOV映画(手持ちカメラ映画)の良いところを取り入れて、秀でた作家性や美観を奮ってくるものが多い。この映画もそう。
映画は主観で進み、情報も目撃、不安、理解、展開、決断...を繰り返す。だからこそ映画的な丁寧さに欠きますが、主人公達との同調と体感は抜群で、"目撃"は常に衝撃的で、"理解"はとても心に響きます。
そして今作の"美観"は、おそらくドローンで撮られた空撮の美しさと効果。これが本当に素晴らしい。美しいだけじゃない。心理や予感を私達に投げ掛け、時にぶつけてくる。
それは本編でも無駄にされません。ささやかなシーンにも人と人との繋がりや関わり合いが描かれています。
さ迷うアレックスにすれ違う人達は、皆、彼女に手を差し伸べる。善意だけじゃない。各々の想いや欲も入り交じる。起こった事態に困惑しながらも、ショーンは好きな彼女とふたりに成れて、更に秘密を共有出来ているのだから、口にはしなくとも嬉しい時だったに違いない。序盤の冴えない彼に比べ、展開してからはあまりに嬉しそう。
そんな気持ちの動向を、ゆったりとした時間の中に描こうとする。そのせいでちょっとテンポが緩いと感じるかも。
でも、練られずその場で吐かれる凌ぎの台詞は、生々しく拙く、良い感じ。
「俺達、ボニーとクライドみたいだ」
「...それ、誰?」
そうして、過去の離れたふたりの心は、歪みを直し、繋ぎ合わせられて行く...
キャラクターの性格付けも程好く、愛らしい。ショーンは勿論、アレックスもいい。ふたりの素直に成れない姿はいじらしい。アレックスは「もう過去のこと」とばかりに素っ気なく振る舞うが、名前を呼ばれる度、場を離れようとする度にショーンに振り返る。声を掛けてくれれば...強引に切っ掛けを作ってくれれば、いつだって...と言葉無く訴えているよう。そんな記憶を失えば、アレックスは躊躇うこともない。
そんなアレックスにショーンは嘆く。「羨ましい。俺も忘れたい記憶がある。祖母の病気のこと...そして君とのこと...」望まぬも別れ、拗れたふたりの関係を取り戻せたらと呟く。相手の心を伺うように...
何とも愛らしいのである。
特に弟オスカーは抜群に愛らしい。突っ張って喧嘩ばかりでスケボーと粗暴な態度で意気がってる。だけどさっぱり強くないし、頼りにも成らない。でも祖母を見捨てて遊び歩かないし、遊びに行く兄にさえも愚痴らない。
そして彼等の祖母は、ちょい役ながら最高に愛らしい。無気力で今にも臨終の時を迎えてしまいそうなくらいだったのに、アレックスと有った途端に30歳くらい若返って見せる。登場シーンが少ないのが残念。
更にカル。これまた登場シーンは無いのですが、過去に色々有ったろう...と感じさせ、もしアレックスとショーンが彼と先に進んでいたら、また違った展開も有ったろう...と期待させられました。勿体無かった。基本は、アレックスと同じ状況に在った人が居たと言う事と、その運命、ふたりの行くべき場所への道標となり、そしてショーンがさらされる危険を提示する役どころでした。
重要ですし魅力的な役なのですが、展開には絡まず、ちょっとご都合的だったかな...
事態が動き、困難に苛まれる度に、アレックスの異常はかたちに成ります。そこは見せ場です。どんなかたちか...映画「アイアム・ナンバー4」と言えば分かる方も多いでしょう。
POV的主観の見せ方が効果的で、とても刺激的かつ、わくわくさせられました。しかし、力は状況を打開する為や人に恩恵を与えるだけではなく、副作用も生じます。それは被爆です。
映画は全体的に地味に淡々と右往左往しているばかりなので、道程感は少なく、盛り上がりに欠けます。ずっと映画「スターマン」を思い出していました。目的地までただ移動するだけで、合間に些細な揉め事や追っ掛けっ子が有るくらいでした。軍隊が出てきてアレックス達を拿捕しようとする辺りも、似ていました。
ただし、ショーンの徹底的な献身さだけは敵いません。クライマックス、ショーンは被爆に身を震わせながら、アレックスへの想いと勇気が試されます。
物語は一気に終盤へ。砂塵を散らし走る車列...緊張高鳴らせる音楽...目的地となる施設...
の施設の外観の美しさと妖しさ、そこで行われる目的の達成...映し出されるものは宇宙の成り立ちか、故の"曼陀羅"か。その様は一見の価値があります。
基本、この映画は情感を留めません。ただ成り行きに流され、展開は急ぎ、瞬く間に終局へ。
お陰で映画としての味わいに欠きますが、そのランタイム90分の中には、作り手の意欲がふんだんに画面を彩り、愛らしくも魅力的な原題「First light」の物語が成し遂げられます。
テーマは有りません。提言も有りません。
どう見ても劣化版「未知との遭遇」です。なので、見せ場を期待すると呆気なさに気を落とすかも知れませんが、私達がごく未来に体験するかもしれない、新たなる時代への第一歩を目撃出来るでしょう。
私は琴線に触れたようで、とても満足出来ました。

アレックス役はステファニー・スコット。
2015年と2018年製作の「インシディアス、チャプター3」と「インシディアス、ラスト・キー」にクイン・ブレナー役で出演していたようです。これからの子なのかな?
カナダ映画、中国資本...
新味は有りませんが、この映画のようなセンスの有る映画が最近多く作られている事に、とても嬉しく思います。


テキサス州ダラスで複数の男性によるトランスジェンダーへの暴行事件が発生。逮捕された男性によると、200ドルで暴行を依頼されたとのこと。
酷いことです。依頼の過程より、出来てしまう事実に嘆くばかりです。
とは言え、最近、マイノリティによる過多な「偏見」に対する権利要求の活動が高まっているように思います。
何事にも"禁止、禁句"が働き、過剰なまでに生き辛い世の中に成りそうです。
「同性愛者に配慮を」と夫、妻の呼称を取り上げ、「トランスジェンダーの為に」と街から性別表記を取り去る。
...ある映画のマイノリティの登場人物がこう語ります。「偏見を利用して自らの権利を得ようとすることは、何より許されることではない」
灰色の線上をさ迷うマイノリティの居場所は、誰彼の満足だけの為に消費されないことを、切に願います。