4月4日。フランス、パリで、アルジェリアの大統領アブデルアジズ・ブーデフリカへの抗議デモが行われました。その際、トランスジェンダーのジュリアさんが複数の男性に絡まれ、髪を乱され、アラビア語によるからかいを受け、殴られ、蹴りつけられる等の暴行行為を受けたそうです。
アルジェリアの旗を肩に提げた女性が仲裁を試み、警備員によってジュリアさんは保護されたそうです。
ジュリアさんによると「お前は男だ、何処にも行かせない!通さない」等と罵倒され胸を触られ、ビールをかけられたそう。
自由とは。出来る自由では無く、選べる自由です。間違いも選べますが、当然、それは間違いです。
フランスでは2017年、トランスジェンダーへの襲撃事件が、表沙汰に成っただけでも前年比54%増の186件。
今年に入っても既に複数件発生していて、問題になっているそうです。
そんな矢先、そのパリの親友アンナが映画「リリーのすべて」を観たそうで「感動したよ。観ている間、あなたの事を思っていたよ」と伝えてくれました。
更にタイ料理にも挑戦。見事なガパオを作り上げていて、アンナは女子力無敵です。
最近、ゾーイちゃんも公園デビュー。すたすた、ちょっと躓きながらも歩き回り、時に拗ねたり、時に喜びに狂喜乱舞したり。
私はそんな姿を観ながら、ほくそ笑むお馬鹿な叔母さんしています。(ღ˘⌣˘ღ)らぶらぶ♥
お出かけ後はゆっくり。
日本映画はよく観ているのですが、多く20分持ちません。それでも頑張って観て、観られても、会心の映画はあまり有りません。残念です。
最高なんて求めてない。かつての角川映画が駄目でも愛があったように、あんな煌めきを楽しみたいのです。
「坂道のアポロン」
実は過去にアニメ版を観ていて、とても良かっただけに、厳しい目で観ました。途中断念覚悟でね。
医師である父が亡くなり母は失踪、横浜から九州へ来た薫。彼の心の支えはピアノだけ。彼はストレスに弱く、自分の事を噂するクラスメートを気にして閉塞感に苛まれてしまう。
外へ。逃げるように屋上へ出ようとすると、そこは物で塞がれていた。取り除こうとすると、そこには男性が寝ていた。彼の名前は千太郎。喧嘩っぱやい札付き。
更にクラスメートの律子に誘われてレコード店に行くと、そこに千太郎が居た。彼は言う。
「クラシックはダサい。ジャズこそ最高だ」
薫は負けん気でジャズを弾き始めるが、次第に心を解き放つかのように鍵盤を心のままに叩き始める。
先ず驚かされたのは千太郎を演じた中川君の演技。風格こそ軽くても、そのしゃべり方から動きまでアニメまんまでした。再現を望んでいる訳では無いのですが、あそこまで"似たもの"を見せられると、圧倒されます。それは、惚れるほど。(*^^*ゞ
文化祭後のだっさい走り方なんて「あれ、再現するんだ」と2倍微笑ましく観ていました。
まあ、キャラクターに頼りすぎで、初めこそ原作を知らないと愛着が湧きづらいかなあ...と思いますが、ジャズが始まれば後は乗れます。いえ、乗せられます。
カット繋ぎに見通し線も微妙。演出としては悪くないけれど、指摘したいほど技巧的に悪いカットもちらほら。でも引き画ばかりのダサい1カット長回しなんかに頼りません。アニメ的に誇張したカットも上手く馴染んでいて、それどころか効果的で胸に来ます。
素敵でした。
アニメ版に無い机上のセッションや、アニメより良い初セッション。アニメを観た後に実写を観る場合、多く実写の鈍調さにガッカリするのに、今作は例外!面白いのなんの。
基本、ストーリーは、悩める青年が一歩先を行っている人達に出会い、気後れしながらも頑張って互いに与え合う仲に。しかし、焦がれこそ感じていた彼等は実は複雑な悩みを抱えていて、自分と同じ悩める青年だったと知る。
そんな王道。「スプリング・ブレイク」や「ウォールフラワー」と同様の、まさにの青春映画。
そして更に、この映画にはジャズがある。
聞き覚えのある曲が跳ねる度、心も体も湧き立つはず。
決められた旋律に添うクラシックでは無く、即興を粋と味わうジャズ。そこに物語の真意がある。そして感じる若者の無力感。選ぶ人生...
堪りません。青春は敗北ぞ。しかし続く。
「俺がやってる」感を見せ付けるような過剰に技術を見せ付けたりしない、昭和ものに多い、3輪自動車ミゼットが始終画面に居るような古き時代をくどいほど見せ付けたりもしない。
だからこそ、作り物感がしません。

電話、バイク、レコード、ジャズ...それらが自然なかたちでこの映画を、センチメンタリズムでノスタルジックに色付けしています。
メローは、あまり引き立てられていません。千太郎の焦がれの君なんて、キーパーソンなのに魅力的に描かれていなくて、題名の"アポロン"の話を持ち出すだけの為に居るみたいでした。演技の問題かも。
とは言え、結ばれるだけが恋じゃない縁の紡ぎ方も程好く、薫の告白シーンもひと技有る愛らしいものでした。
喧嘩シーンも本格的。あまりにダイナミックで「あれ、当たってない?」と、ちょっと驚かされます。
懐かしい、良き日本映画の香りに満ちた、逸品でした。
ちょっとアニメの割愛なだけに"ジャズが繋ぐ"感が、アニメに比べて弱くなってしまったのは残念。でも見せ場は完璧です。中でも文化祭は必見。恋の行方と友情の行方が交差して、更に高みへと舞い上がる。
きっと誰もが溢す。「ジャズ、いいね」
主演、薫役は知念侑李君。モノローグはイマイチ、印象も弱く、個性が立ってない。しかし映画は彼の不満を越えて、乗せて、更に知念君を掬い上げてくる。
そうなったら彼の地味さはキャラクターとして乗ってくる。いえ、ジャズの調べのように生き生きとしてくる。知念君にしてやられた。演技は下手よ。でも彼は魅せた。
千太郎役は中川大志君。彼は前述、拾い物。良い演技をしてくれました。彼が何よりの貢献者。良い俳優に育ちそうです。
律子役は小松菜奈。清楚な面立ちで可愛らしいキャラクターを無難に演じています。無難?いえ、それが律子なのです。だってこの映画は恋心に振り回されながらも、それ以上に青春を活きようと足掻く、若者たちの残影なんだもの。
原作では"家庭の事情"が、もっと彼等の人生を追い詰めます。律子の家庭は中でも安泰であって、彼女のレコード店は安全地帯なのです。避難所。その役目は目立ちすぎなかった小松さんが充分に担われていました。
軽薄な兄貴分を演じたディーン・フジオカさんも役に不足無し。あれこれ脇役まで名の知る役者が配置された、オールスターキャスト映画が好みでは無いので、良い具合でした。
エンディングは小田和正氏の「坂道を上って」。アニメ版の秦基博の「アルタイル」があまりに逸品だったもので、足らず、普通で、イマイチに感じてしまいました。
私には映画「バトルロワイヤル」でわざわざ字体で「生きろ!」としてまで描かれた「いまを生きろ」のメッセージは、この映画の方が伝わり、温かいそよ風のようにまだ私の胸を暖めています。
そして実感する。人の縁は終わらせなければ終わらない。
おまけで「ヴァンパイア・アカデミー」を少し。
実はこの映画、Blu-rayはレンタルのみ。なのでレンタルからのセルスルー品を入手しちゃいました。
交通事故で両親を失ったローズ。彼女は人とヴァンパイアのハーフ、ダンピール。そして純血ヴァンパイア、モロイを守るガーディアン。彼女は王家の娘でモロイのリサと心が繋がっていた。リサはモロイの生命と名誉を守るアカデミー、聖ウラジミール学園から外の世界へとローズと共に逃亡していた。しかし追っ手であるダンピール、ディミトリに見付かり、アカデミーへ帰る事になる。
アカデミーに帰るが、何かがおかしい。彼等は正門前で狂暴で強力なヴァンパイア、ストリゴイに襲われる。
何とかストリゴイを倒し、アカデミーに戻ったローズとリサは、学園生活に戻ることになるが、良からぬ噂と虐めに苛まれる。
そして不思議な共感に驚かされる。リサはローズの夢を見、ローズはリサの視界を共有してしまう。
そんな時、虐めか陰謀か、血文字の脅迫や狐の死骸、そして更なる悲劇が2人を襲う...
話はなかなかの真面目ひと筋なのですが、目指したのは「トワイライト」や「ハンガーゲーム」、はたまた「ハリー・ポッター」。しかし予算が甘いのか技術にセンスが無いのか、どうもB級の香りが拭えない。
難しい名称が次から次へと出てくるので、ちょっと観ている方の頭も混乱ぎみ。しかしテンポ良く流れるテリングの為か、ぐいぐい引き込まれてしまうのが不思議でした。うん。楽しいみたい。
初めこそダサいと思った追っ手で教師のディミトリも、次第にイケメンにしか見えなくなるし、初見、イマイチなキャラクター達も、弱みや優しさを見せ始めると、途端に可愛く見える。虐めは嫉妬だし、親友はローズへの恋が叶わないけれど、いつも傍に居て助けてくれる...
ああ...これ、少女漫画なんだ。彼氏は初めはツンツンしていていけすかないけれど、次第に惚れてっちゃうんだよね。そうそう。それを"私が"味わっちゃってる。
次第に、滑るギャグも映画のチープささえも愛らしく見え始め、キャラクター達が喧嘩したり仲直りしたり、更に少女探偵「ナンシー・ドリュー」よろしく動き始めたら、もう先が楽しみでなりません。
恋愛あり、友情あり、学園ドラマあり、オカルト風味あり、そして運命の絆あり...
王位継承者リサと劣等ダンピールの立場を越えた絆...
これは...池田理代子さんの「おにいさまへ」や「マリア様がみてる」の姉妹(スール)の世界では...
ローズがリサを生かす為に自らの血を差し出す件りは、ちょっとドキドキさせられます。とは言え、恋の相手はちゃんと男の子で居ますけれどね。
フラッシュバックなどで徐々に明かされる力の秘密は、とても素敵なエピソードとして紡がれ、築かれたたくさんの縁と絆が結集し、全力で戦いに挑んでいく事になります。その為にガーディアンはストリゴイを倒す技を学び、日々鍛え、命を捨てる覚悟でペアリングしているモロイを守るのです。
また、ローズの師弟の絆も必見で、そのエピソードは、もう、切なくて、ついつい涙が溢れてしまいました。
続編製作を目指しながらも大不発に終わり、製作中止に成ったものの、なんとアメリカでは嘆願書集めが始まっていて、物凄い勢いで拡大中とか。TVシリーズも有ったそうで、マニア受けながら、実は人気のシリーズなんだそうです。
まあ、続編が作られても、ストリゴイとの全面戦争とかに成りそうなので不安は有りますが、恋の行方は見届けたいなあ...と思います。
主演はゾーイ・ドゥイッチ。経歴はあまりパッとしませんが、なかなかの美人です。スタントかもしれませんが、回転技がすごいキレでカッコいいです。
監督はマーク・ウォーターズ。実は私、この方を信奉するほど演出が上手いと思っていて、大好きな方なのです。今作でも話運びは良いし、アクション・シーンも着実、確実なカット割りで、隙無く巧みです。アクションのレベルはまあまあですが...
映画の出来と演出力は別のこと(。-∀-)アハ。
途切れない展開、愛着持てるキャラクター、そして盛り上がる友情と恋心...映画の出来よりエッセンスを楽しめるなら、充分です。
心地よい1時間44分を満喫しました。
春ですね~。毎年言ってる春眠、暁を覚えず。
ゆるり行きませう。
ヴァンパイアは昼眠る。( ⊃=﹏=C) .。O○