性別適合手術には意志の力が必要です | まりのブログ

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性同一性障害者の私が、思いのままに生きるために頑張って生きてます。
性別適合手術をしてから2年になりました。
私はトランスジェンダーとして誇りを持って生きてます

私はGid、性同一性障害です。
先月、タイのガモン・コスメティック・ホスピタルにてSRS、性別適合手術を受けました。
私の術後はあまり芳しくなく、女性器の一部が定着しなかったり、回復が遅れ、帰国後1週間でも、治癒を遂げていません。


良い報告をしたいと願いながら、どうしても出来ないのが、心苦しいです。
私の性別適合手術後の状態は、多くの人の状態より悪いものだと思います。ですので、私以下には成らないと考えて良いでしょう。
だからもし、私が成し遂げられたなら、あなたもきっと成し遂げられる。
私、弱々ですが、挫けない...つもりです。

しかし。まあ、辛いです。
誤魔化したりオブラードに包んだような言い回しをしたいのですが、たくさんの言葉を積み重ねてみても、最後の述語はみんな"辛い"になってしまいます。
動きたい。遊びたい。人に会いたい。
そんな事すら楽しめない。
「なんて私は不幸なの」と嘆く人を見聞きする度、人並みに生きる事すらもままならない人も居るんだよ、と渇を入れたくなります。
Gidはたくさんの"可能"を奪います。だからこその性別適合手術。でもそれが私から"可能の達成"を阻むとは思いませんでした。
何も出来ない、これこそ私の最たる不幸です。
その上、体を自由に動かせない為に、自分に費やす努力も怠り続けています。
生える体毛は伸び放題。日本の乾燥具合に肌は荒れ放題。
女子力?生きる事で精一杯。
お尻が痛い...お尻からお肉が無くなっているのを感じます。女性ホルモンが体から無くなっている証拠だよね。
ガモン先生は「女性ホルモンを再開してもいいよ」とは言ってくれましたが、出血も有る現在、怖くて再開出来ません。
ますます肉付きが減っていく体。顔も丸みを失い、胸の膨らみも危うい。
鏡を見る度に虚しさと悲しみを感じます。
女性ホルモン...私の私足る活力の源。
救いにすがろうと伸ばした手を、私の意志が躊躇わせます。
「女性ホルモンは血に影響を及ぼす場合がある。だから今日まで堪えたんじゃないさ」
私は、患部の痛みに顔を歪めながら、ただただ、回復を祈るばかりです。


あ。そう言えば、話は違いますが、タイの性別適合手術に際し「病院食だもんね、きっと痩せるよ」と期待しましたが、2キロ減と言う呆気ない結果に。
たくさん食べたから。
病院で天丼とか豚丼とか出し過ぎです。
ガゼルかバンビに成れるかと思ったら、雪だるまのオラフで終わりました。(○´∀`○)ゝ))

窓から差し込む夕陽の光を見ながら...


11月1日は酷い1日でした。
朝から患部が腫れ、膣内は熱っぽくダイレーターは入らない。
頭痛がして体はだるく、私は苦悶の声をもらすばかり。次第に体全体も熱を帯びてくる。
そろそろダイレーターも3号に上げなくてはいけないのに、2号で未だに悲鳴が上がる。
気持ちはますます傾きだして、悲観な言葉を必死で飲み込んでいる。
ダイレーション(膣の形状保持をする為のリハビリです)の辛いところは、絶対に休めない事です。
体調を崩そうとも、休めない。
少なくとも5号まで進み、ダイレーションが楽になってくるまでは、休むべきではない筈です。
体がいつも重く、ダイレーション後は患部が腫れて、もう、私の動きっぷりは如何にも重病人です。
トイレに行きたくないからと水を飲むのを控え、そのせいか節々は痛いし、活動力は落ちるし、良いことがありません。
頑張って動こうと努めてみても、立てば患部が重くなり、更にダイレーションを気にしながらでは出掛ける事もままなりません。
トイレは大丈夫だろうか...患部は擦れて傷んでしまわないだろうか...
癒えない辛さは私から様々なものを奪います。

夜のダイレーションは、また、きつかった。
入らないは勿論、皮膚がひりひりして時々、つ~んとした鈍い痛みが貫きます。
膣内の熱っぽさは相変わらずで、ダイレーターを挿入すると皮膚が絡み付くようで、いつも以上に狭く感じます。
大概は2インチほど入れてしまえば、5~10分くらいを掛けてゆっくり4インチくらいまでは入れられるのに、今回は1インチから動きもしません。押してみても、元より膣が1インチしかないかのようです。
そんな時、私は足を使います。足は手より"躊躇い"が少ないからです。
気付けばダイレーターも3インチ程には入っていました。
いつもならほっとする所ですが、今回は苦しい。絡み付く皮膚と熱っぽさは私を不安の井戸に落とします。
1時間半。
私は口をつぐみ、歯を噛み締めて過ごしました。


11月2日。
今日は転じて順調でした。少し出血があり患部に痛みが有ったので案じていましたが、ダイレーションそのものにはあまり影響が有りません。
調子に乗った私は、今日なら行けるとばかりに2回目の最後の30分を3号にアップ大作戦を画策しました。
1時間の2号は問題なし。少し膣の中で2号を動かして3号を入り易くしたつもり。
よし、行ける。ダイレーター3号よ、私に自信を下さいな。
3号は私の膣に押し込まれると、1インチで詰まりました。でもそれはいつもの事。
もう少し...しかしダイレーターは微動だにしません。2号だって毎回、躓くじゃない。
これも同じな筈なんだ。
でも3号には、はち切れんばかりの苦痛が伴います。押しても骨に遮られているような気がします。
入らない。しかし、この辛さは何?今までのとは全く違う。辛すぎる。
でも、いつも慣れてきた。辛いは初めだけ。
収まる、収まる。
そう願い続けましたが、全く収まりません。
なら、せめて、無理にでも入れてしまいたい。
そう思って捩じ込みました。少し捻りながらぐりぐりと押し込みます。
2インチ弱。
私は必死な思いで堪えました。全身で悶えながら、堪えました。
「負けられない。前例を作れない。挫けたら、私はこれからずっと、少しだけ、これくらいならって諦め続けちゃう。もう、諦めるのは嫌だ」
でも...
私は噛み締めた歯の隙間から「堪えられない」と洩らし、ダイレーターを抜いてしまいました。
15分。たったの15分。
1度鈍ると鈍りはエスカレートするばかり。だから挫けたくなかった。
1度も休まず、例外も作りたくなかった。
でも、私は諦めてしまった。

それから3時間は患部の腫れと痺れに苦しみました。張り切った患部は、重く、私を肉体だけでなく、心をも戒めようとする。
床に入っても、体はざわざわとざわめき続け、その脈動が私を眠らせようとしません。
体が痛い...何処もかしこも...
いつの間にか疲れが痛みを越えて、眠りに落ちます...

翌朝。まだ体は重く、患部はびりびりと痺れています。
今日のダイレーションは休みたい。
つくづく思います。
でも、諦められない。
私は女として生きたいのです。
だって女だから。

当たり前な事。何度も私を鼓舞してくれた言葉。でも、今は言い訳のように聞こえてしまいます。


朝、苦しい2日間でも流さなかった涙が、意思に反して流れ落ちました。。゚(゚´Д`゚)゚。
挫けた自分が情けない。それに進めていく勇気、自信を維持できるのか...考えれば考えるほど、怖くなってきます。
挫ける人が居るんだって...と他人の話にしていた私。今、その真っ只中で、私は立ち尽くしています。