一週間前の続きは不甲斐無く、でもトランスジェンダーの恋はまだまだ未知数です | まりのブログ

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性同一性障害者の私が、思いのままに生きるために頑張って生きてます。
性別適合手術をしてから2年になりました。
私はトランスジェンダーとして誇りを持って生きてます

あなたに一番近い猫は…

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私の猫ちゃん占いは、なんと野良猫ミャオレちゃんタイプでした❤
地味に嬉しい...


さて。
私、実は一週間前のあの日から熱を出して倒れております。先日、ちょっと調子がまあまあだったので買い物に出たのですが、家に着いた途端、ぐったりして寝込んでしまうほどぐったりしてしまいました。そして頭が重く、ひどい倦怠感と喉の痛みに苦しみました。
天候が不安定とは言え、こんな時期にこんな重度の風邪をひくなんて...
何と無く、私の心が風邪を理由に水曜日の再会を避けようとしているのかもと、思わずにはいられません。
こう言うのを、知恵熱とでも言うのでしょうか?
本当に私は、人にこんなにも露骨に行為を向けられたのは初めてで、それも女として生き始めてからと言う事が、とても、とても…上手い言葉が浮かびませんが、感動的だったんです。。゚(゚´Д`゚)゚。
つい「また会えるかしら?」「どう話せばいいかな?本当の事を言うべきでしょうか…」と考え過ぎたのかもしれません。
運が良いのか図太いのか、食が滞る事は無いので、常に体調が悪いながら生活が滞る事は無く、それなりに家事もこなしていました。
しかし、こんなにも薬が効かないなんて…効く筈も無い?恋の病かもしれないのだものね... :p

で。
水曜日のこと。なんと運命めいた良い天気。どうしようどうしようと悩み嘆いて時間を稼ぎ、やっぱりこのままではいけないと思い立って、出会いの河原へ参じました。
親友のアドバイス「正直でなくてはいけないぞ」を胸に、頑張りました。
ただ、熱は有るわ、頭痛はするわ、喉は痛くて、体を何とか持ち上げて、今思えば、ちょっと見るに堪えないゾンビ状態だったかと思います。緩い坂にも息があがり、信号で停止する度に軽い目眩がするほどでした。
ようやく河原に辿り着くと、暖かい陽気のせいか歩いている方も多く、とてものどかです。少し暖かめの服は着ていましたが、汗をかきそうなくらい日差しは暖かでした。
あの思い出の場所に到着。彼は居ません。
野良猫ちゃんたちは相変わらずの無防備状態で私を迎えてくれました。でも残念ながら今日は近寄れません。風邪をうつす訳には行かないものね。
私は猫ちゃんの視線に抱き付きたい欲求を必死で堪え、周囲を見回しました。
男性の影を見る度、彼かしら?と胸をときめかせました。...ときめいているの?いいえ、きっとそれは"焦り"か"動悸"に違いない。そうよ。
私はしばらくその場で、擦れ違う人達に照れ笑いを配りながら、陽射しにあたっていました。刻は11時少し前。よく考えてみれば「昼頃」と言っていたのに少し早かったかな…
その時、ぐらりと暗転しそうなくらいの目眩が私を襲いました。私は「か…帰れないかも…」と心が悲鳴を上げてしまい、退散しようと決断しました。心の中では会う事への恐れと、会いたい欲求がせめぎ合って、もう辛いの何の。
私は自転車を引き、猫ちゃん達の「マリちゃ~ん、いかないでぇ~」との叫びにも応える力無く、それでも何度も振り返りながら帰路に就きました。
その足取りはフラフラで、ひとりの年配女性に「大丈夫?」と声を掛けられる始末。「ちょっと無理しちゃったみたいです」と照れ笑いしながら、辛い思いとちょっとの安堵を胸に抱いて、家路に就きました。

一週間前のあんなにも心に残した最悪の失敗に、更に無意味な大失態を追加してしまいました。
家に着いて、薬を飲んで、少し落ち着きましたが、鏡を見ると酷い顔、目の下は紫色で、やっぱりゾンビだ…会わなくて良かったかもしれません。
でもね。1時頃になって、何をしていても、私の心の中に不安ばかりが満ち満ちてきました。
「もし彼が来ていたら…このまま誤解を解かないでいいの?真実を伝えないで居ていいの?」って私は自問自答を繰り返しました。
ぐったりと寝転んで、気だるい目でテレビを見ながら、ただ、心は落ち着きませんでした。
そうだ。ちょっと友達にメールをしておこう。その内、時間は過ぎるもの。
私は何故かピンクのマニキュアを爪に塗り、乾く間、メールを書いていました。
メールを送信し、そろそろマニキュアも乾いた頃かな…と息を吹きかけ、そのまま鞄を手にし、家を飛び出しました。

そう容易く運命の女神は私に素晴らしい時をくださりはしないので、私はそんな上手くは行かないんだと諦めていました。まだまだ喉は痛いし、辛いと思ったらいつでも家に帰れる、それにどうせ彼は居ないから、だってもう2時だもの、今日、会う約束をしたわけじゃないし、また来週があるし…
心も体もぐたぐた。それでも私は必死で自転車を駆り、河原へと再び参じました。
薬が効いたのか、私の心が浮かれているのか、頭の痛みは消え去り、時間なんてものが無くなってしまったかのように気付けば河原に辿り着いていました。
刻は2時。
私は必死で見回しましたが、私達が時を過ごした野良猫ちゃん達の住処には誰も居ませんでした。
私は肩を落とし、猫ちゃん達に慰めを求めました。
すると先ほど来た時に居なかった一匹の猫がそこに居て、私を見上げていました。
その子、彼とベンチで私の膝に乗せて一緒に撫でた、あの猫ちゃんでした。
私はちょっと嬉しくなって「彼、来てなかった?」と両腕を広げて近付いたのですが、その子、そそくさと逃げてしまいました。追うと更に逃げ、瞬く間に草むらの中に姿を消してしまいました。
私は取り残されたように立ち尽くし、自分が失ったものを強く実感させられました。
それからしばらく…いえ、日が傾くほどまでの時間をそこで過ごしました。人が通り過ぎる度「彼?」と期待しましたが、私の記憶する面影はどこにも見当たりませんでした。

しばらくすると畑仕事をしていた家族が、こちらにやって来ました。彼等は私が猫ちゃんと遊んでいるものだから、こちらを気にしているようだったので、勇気を出して話しかけてみました。彼等は午前中から直ぐ裏の畑に居たそうです。
「あの、正午頃に、背の高い男性が、ここにしばらく居たりしたのを見かけませんでしたか?」
「車がここに置いてあるから、誰かがここに長く居たりすると気にして見ていたけれど、気付かなかったよ」
「そうですか…」
私は、立ち去りがたかったのですが、彼らと猫ちゃん達に別れを告げ、その場を去りました。
泣きそうにはならなかったけれど、ちょっと悲しかった。でも、さっきの家路とは違います。不思議な清々しさがありました。
見上げれば桜があまりに美しく、私を包み込むように咲き乱れていました。
私は擦れ違う人達に全力で笑顔を振り撒き、時に怪訝な顔を返されながらも元気いっぱいな私を振る舞いました。そうでないと胸の中の足りないものを思い出してしまうからだった、かもね。

それはもう昨日のこと。悲しくはありません。
今はちょっとだけ「だるさ」が戻ってしまいましたが、喉の痛み以外は割合、元気です。



あの日は良き思い出です。忘れませんし、まだ終っていません。
一度くらい運命は私に光り輝くのよ。そう信じて、もう少し期待しておこうと思います。何より、この私が得た、自信か過信かは、明日の私にすっごい力と成る筈です。そう信じています。
で。あれから実家に行ったらば、母が私に「顔が優しくなったみたい、どうしたの?」と言いました。私の女性ホルモンが何やら悪戯をしているようです。胸は張ってサイズも95cmに返り咲くし、肌はいつも以上にすべすべ、そしていつも以上に私の体からいい匂いがしているそうです。
これが「恋」の魔力でしょうか?
って、私、恋してるの?
年上の紳士のささやかなアプローチに、お馬鹿オカマが動揺しております。

でも、分からない筈は無いと思うんだけどね。彼は視力が悪いのかな…そんな事も無いよねえ、猫ちゃん追い掛けていたし。
う~ん…本当に私ってマシな方なのでしょうか…
人に友情以外で「好意を向けられる」アプローチは初めてなので、分からない事だらけです。
あれから何枚か自撮り写真を撮ってみましたが、どう見ても「男」くさい。どうして「これ」に惹かれたのかしら?
勘違い…って事は無いでしょうけれど、きっと、ちょっとした気紛れだったのよね。今度会っても、どうにもなる事はないよね。
ねえ。

さあて。気晴らしに…すね毛の処理を。
…あああ…完全に囚われています。街に出れば、いつ再会しちゃっても良いようにとばかりにしずしずと歩いてしまうし、鏡を見れば髪を直して化粧を気にして…
お陰で女子力強くなったかも。:p
体に気を遣ってウコンと牡蠣エキスとしじみエキスたっぷり入った健康食品を購入してみちゃったり…。
あああ…でもこうして女は美しくなっていくのね。

地で映画「クライングゲーム」やっちゃった。:p



爪に塗られたマニキュアを見て、心を温めています。だって、あの日、彼が私に「マニキュア、綺麗に塗れているね」って言ってくれたんです。
だから焦りながらもマニキュア塗って行ったのよ。
あの日は実は左手しか塗っていなくて、言われた時、慌てて右手を隠したっけ。:p

やっぱり、私、馬鹿ね。