喜多方ラーメンのチェーン、坂内には、毎年出てくる夏限定のメニューがあります。「青唐うま塩ラーメン」、ワタクシ、これが大好きです。坂内は近所にないのですが、毎年それが始まるとわざわざ横浜か川崎まで食べに行きます。酸味のあるスッキリした塩スープにチャーシューとキャベツ、玉ねぎ、トマトなどの生野菜、そして青唐辛子が入っている、辛酸っぱくて夏にピッタリなラーメンです。今年はリニューアルして、酸味が生のライムになり、ふくらみのある辛さの表現のためでしょうか、ラー油が加わるようになりました。
ワタクシ、青唐辛子自体が好きなんですね。赤い唐辛子と違ってストレートでまっすぐ、何のひねりもない、だけど爽やかで強烈な辛さ、たまりません。ワタクシの冷蔵庫のフリーザーには生の青唐辛子が常備されていますし、旬で大量に買ってきた時には青唐醤油や青唐ナンプラーなんかも作ります。そしてラーメンに入れたり、青パパイヤが入手できた時にはソムタムを作ったり、ニラやニンニクの芽などを使ったグリーン麻婆豆腐とかに使ったりします。
一方しおらーめん進化は地元町田にある塩ラーメンの有名店です。いつも行列しているイメージなのですが、一度たまたま行列が無いタイミングに出くわしたので食べてきました。こちら、レギュラーメニューに青唐塩ラーメンがあるんですよ。スッキリした辛さの塩ラーメンでした。好みの味だったんですが、少し酸味が欲しいなぁと思ったんですね。でもその店、卓上調味料を一切置いていない。「もしや味を変えるなという哲学か?」という無言の圧力を感じ、また客も店員も無言を貫いているため「お酢ありますか?」とは聞けない雰囲気に飲まれ、黙って食べた思い出があります(笑)。
そんなしおらーめん進化監修の塩ラーメンを寿がきやは毎年この時期に出して来ます。ワタクシが知る限りではこれが4作目です。青唐の塩ラーメンは今までにもありましたが、今年はそれとはかなり変えて来ています。
小袋はかやく(小さなチャーシュー1枚)と後入れの液体スープ、かやく入り粉スープです。チャーシュー1枚だけ入れてお湯を注いで4分戻しです。
ふむふむ、鶏、鰹節、昆布なんかをバランスよくブレンドした、香りが強い塩スープです。そして鶏油やネギ油かな、油分も非常に多く、さらにフライドガーリック、それに焦がしネギなど、香りの強い具と併せ、非常に複雑な味と香りに仕上がっておりました。
青唐辛子は具として現れてはいませんが、青唐辛子特有のストレートな辛味が結構強いです。ココイチだと3辛位あるかも。辛い物が苦手は人にはキツイレベルだと思います。ワタクシは辛さ耐性があるので大丈夫ですが。
このスープにノンフライの細麺が実によくマッチしております。お店の青唐辛子ラーメンとは違って、もっとクセが強い塩ラーメンになっておりました。
ずっと気になってたんですが、名店監修のカップ麺ってお店の名前を前面に出す事がほとんどですが、この進化監修のカップ麺って店の名前が目立たないんですよね。そしてワタクシの認識では名店監修のカップ麺ってお店で味見をしたメーカーの開発者が、味の記憶を頼りに手元にあるエキスや調味料類を組み合わせて似た味を作っていき、お店がやる事って味見程度なのだと思います。ですがこの進化監修カップ麺の場合、お店で出すものとは別物(塩ラーメンではあるけど)で、かつ一般的なカップ麺ではあまり見ない調味料が使われていたり変わった組み合わせだったりするんです。もしかしたら進化の大将がカップ麺のためにレシピを考案し、寿がきやはそれをできる限り再現する、そんなプロセスで作られているのではないかと想像しています。このカップ麺は店のメニューの再現ではなく、あくまで進化の大将が新たに表現したラーメンなのではないか、そんな風に考えると、お店の名前を前面に出さない理由も何となく納得行くのです。毎年出てくる進化監修の寿がきやカップ麺は例外なく個性的なので、他の名店監修物とは一線を画しているなぁ、と思います。進化もいいメーカーと組みましたね。
何度でも言います、寿がきやに外れナシ!