驚きの軽さ!パーカーFLYのフレット接着! | ミュージックポケットのブログ=ポケログ

ミュージックポケットのブログ=ポケログ

音楽文化から繋がる世界っ!愛知県一宮発、とみちゅうの日常

新春一発目の修理ブログはパーカーFLY

アメリカ製のこちらのギター重量は約2キロ!

ウッドマテリアル(バスウッドだったかな?)に、カーボンを衣にして成型される。

ピエゾも内蔵されててアコギな音も出てしまうスグレモノ!

しかし、カーボン製の指板ゆえ、そのカーボンの強度を保つために

フレットは全て接着なのだ!

持ち込まれた時点で、24本中4本のフレットが剥がれ落ちてしまっていた。

通常、溝に同じ大きさのフレットを打てば直るんだけど、

この4本だけを溝を切って施工するのは問題がありすぎる。

それに溝をきれば、そこだけネックの強度が落ちるし

カーボン繊維が断たれて立ち上がりの音が少し丸くなるとか噂もある。

しかし、接着材の種類によっては、それ以上に音が劣化する可能性だってある......。

 

結果からいうと、実にこの作業は半年以上掛かってしまったのだ。

 

元の接着剤を剥がしたりの下地作りが1日、翌日位置決めして接着する。

接着剤はエポキシ系のものを使えば問題ないだろう。

そして、3日もすれば出来上がる予定でいた。

 

完成して検品していると(1日2時間ほど弾いた)3日目......ポロっ!

 

フ!フ!フレット〜!

 

下地を作ってもカーボンには接着相性が悪かったようです.....

で、接着剤選び直し→施工→検品→ポロっ!このルーティンを数回繰り返していると

5本目6本目のフレットが落ちてしまった....

最終的に12本のフレットを施工することになった(苦笑)

指板のアールが付いているから、向きも合わせて保管せねばなりません!
それぞれ長さが違うことは勿論のこと。施工には正確な位置、接着剤の厚さ、接着圧力など

こんなに大変だと思いませんでした。

圧着には1本づつカポタストを使いました。カポが少しでもずれてると硬化前の接着剤が潤滑剤の役目をして滑るんですね。だから、マスキングテープを何枚も重ねて支えのジグを作り、フレットがずれないようにします!さもなければ、ズレたまま固定されてしまいます。

そんな感じで一本ずつ進めて行ったわけですが、どんな接着剤が良かったか!ホームセンターに売っていた昔から売ってる「セメダインスーパー」

「陶器用のエポキシ2液遅延硬化タイプ」これでした!

「何でもくっつく!」とパッケージに謳われた最新のボンドよりもいい仕事をしてくれました。

重要なのは、5分や10分で硬化するでなく1時間以上して効果が始まるものをよく混ぜて使う事。ガラス・陶磁器と金属を強力に固定できます。

 

そこから地道に作業を続けて完成しました!

この軽さ!ソフトケースよりも軽いです!

 

お疲れじゃった(笑)