解説っていえるほど深い造詣があるわけじゃないので。(笑)
困ったことですねぇ。傭船社も船主も管理会社も配乗会社も全部困ってますよ、ホント。
欧州の傭船社が続々運航中止を発表してますね。これ、相当の決断だと思います。
ホルムズ海峡(ペルシャ湾)なら行かなきゃいいでしょ、で済むんですよ。
(中東は世界の燃料庫なので、実際には済まないけども)
バブ・エル・マンデブ(紅海の入口)だと事はそう簡単じゃないんです。
何故ならその先にスエズ運河があるからですね。
ここ通らないってことは、船は喜望峰を回らなきゃいけないってことになります。
そりゃもう、どんだけ余分な日数がかかることやら。
例えばスリランカの南端:ドンドラヘッドからバルセロナに向かうとします。
所要日数は約19.27日、20日として燃料が約260トン:約14万3千ドル。船員の給与及び食糧が約4万3千ドルになります。
合計で18万6千ドルですね。
(インド南端から紅海入口にまっすぐ向かわないのは、ソマリア沖の危険海域を極力回避するためです)
喜望峰を回った場合、所要日数は約35日、燃料が約390トン:約21万4千5百ドル。
船員の給与及び食糧が約7万4千5百ドル。合計で28万9千ドルです。
その差額10万3千ドル、日本円にして1千4百93万5千円です。
ただし、スエズ運河の通行料が通常の貨物船だと1千7百万円から2千万円くらいだと思いますから、
諸経費併せて実際にはトントン、というところでしょう(もしくは喜望峰周りの方が安い)。
コンテナ船だと燃料代の差額が34万6千5百ドル、日本円で5千24万2千5百円。
スエズ通行料は2千5百万から3千万円だと思いますので、大きな損になります。
ちょうど一昨日の夜通達がありました。
紅海入口付近の危険度をあげる(準戦争地域と認める)という内容です。
これにより保険料が上がります。
既に米国を中心に、各国の混成艦隊が展開していますね。
それは、ここがとても重要な海域になるから:欧州とアジアとを結ぶシルクロードになるからに他なりません。
ここを通れなくなると、欧州向けの原油タンカーやLPG/LNGタンカーも喜望峰を回らねばならず、
それは非常な、特に時間的損失になります。
では日本はどうかというと、産油国はペルシャ湾岸が多いこと、またインド洋東域はこのところ安定していることから、
近々の原油輸入にかかる問題は生じないと思われます。
そのためか、ソマリア沖の海賊対策に加わっている海自の幕僚長も、
今のところ海自が混成部隊:有志連合に加わることはないといっています。
けれどウクライナの小麦が輸出できない状況からの影響を見れば分かる通り、
今や世界は一体化しており、風が吹けば桶屋が儲かるは当然のことで、
この状況が続けば、半年後には原油のみならず、原油精製品を含むすべての製造原料に支障をきたすであろうという想像は難くありません。
従いまして、人道上の問題も当然のことながら、この戦、早急に停止に持って行かなければなりません。
日本は欧州諸国と共に米国に対して意見具申し、米国がイスラエルに強く働きかけるようにしなければなりません。
個人的には少々残念に思っているのですが、滅私奉公こそ、我が国の得意とするところでしょう?
以上あくまで、こぐの一考察でありました。
(でもまあ、卒論が湾岸戦争とかイランイラク戦争の背景がテーマでしたから、そう外れてはないんじゃないのかなぁ?と思っておりますよ。( ̄m ̄〃)ぷぷっ!)
ここから追記。
スエズ、めっちゃ値上がりって連絡が今来ましたわ!(単位US$)






