2)緊張感と安心感の対比が魅力的な相沢咲姫楽さん
過去、女優を目指していただけに、初挑戦とは思えないほどの貫禄を見せている。作品を細かくチェックしていくほど、彼女がきっかけで、これが演技なのかと疑いたくなるほどの現実的な雰囲気を作り上げている。まわりの共演者まで巻き込まれていく現実的描写の引き金は間違いなく咲姫楽さんの力以外に考えられない。名優、橋爪功さんのインタビューにもその事が説明されていた。
“素人だからぶれない、素直なまま演技に入ってくる”
“こちらが良くなる分、素直だから、むこうも良くなる。”
“毎回、結構ドキドキしましたよ!”
つまり、名優がドキドキするほど、すごいテンションだったに違いない!
また、彼女に対して、すごくナイーブであると説明している。
緊張と緩和をうまく表現できた演技、それをコントロールできる才能は素晴らしく、誰にも真似できない彼女独特の物だ!それはこのドラマに対して大きな影響を与えた。それはTVドラマ物のありがちな非現実的な展開をも感じさせないほど、気にさせないほど、見る側を引き込み、演技か現実か分らない世界に誘い、ともに悲しみと希望を共有させる効果だった。その破壊力は凄まじく後半戦の名場面を作り出していった。それは奇跡的というべきか、考えてできるものではない瞬間で、才能のある人々にしかできないコラボレーションである。例えるならば、ジャズで言えばジョンコルトレーンなどの中期の名演に近い感覚だと思う。