一人だった。3 | tomchan's message 文房具とか闘病とか塗り絵とかスヌーピーとかキャンプとか好きなもの

tomchan's message 文房具とか闘病とか塗り絵とかスヌーピーとかキャンプとか好きなもの

初めまして。

tomchanです。

自宅療養中です。

よろしくお願いします。

鼻から息を吸い込む、口から細く長く吐く。
そんなことを繰り返し、私は深呼吸をする。
これが日課だ。
何はともあれ。

私はいつも疲れている。
私はいつも緊張している。
私はいつも幻聴にさいなまされている。
そんなことだろう。
他人事のように私は思う。

意識を失ってからも、私を取り巻く環境が変わるわけもなく、毎日が繰り返される。
痛みも辛さも消されるはずもない。

ある朝、その日もアラームで目覚めた。
記録された眠りは深かった。
前日にうまく眠れなかったからだろう。
睡眠薬を飲んだにもかかわらず。
よくそんな日がある。
というか、気にかかることがあったのだ。
そんな日は眠れないものだ。
誰にとっても夜は怖い。
深く深く怖い。

迎えの車が8時50分前後に来るはずだ。
それに乗り込めばいいわけだ。
車椅子を乗せて。
おぼつかない足で乗り込む。
ゆっくりゆっくり。
振り向きざまに、遮るように扉が閉められた。
違う世界に紛れ込んだように。
しかし、その場に馴染むのに時間はかからなかった。
天気は雨。
雨粒が車の窓を叩く。
雫が飛び去る。
かなりのスピードが出ているのだ。
あの時の交差点を同じように左に曲がる。
左に曲がると一体何があるんだい?

そこは未知なる世界なのか?
はぁーと深く息を吐く。
落ち着こう。