把瑠都優勝 ~大相撲外国人力士に関するあれこれ | ナンでもカンでも好奇心!(tomamのブログ)

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硬軟取り混ぜた種々雑多なネタについて書いてみようかと思います。
全くまとまりがないと思うけど、それが自分らしさということで。。。

大相撲、ここ中東某国でも、日本語放送JSTVが数時間遅れで放送しているので、こちらに来てから久しぶりにじっくりと観ることになっています。

昨日、一月場所は、エストニア出身の大関、把瑠都が14勝1敗で優勝して幕を閉じました。
千秋楽では白鵬が意地を見せて、全勝優勝を阻みました。

把瑠都については、その好成績にもかかわらず、横綱審議会は2場所連続優勝でも横綱に推挙しない可能性を示しています。
http://www.nikkansports.com/sports/sumo/news/p-sp-tp3-20120121-892702.html

 問題にされているのが、12日目の稀勢の里戦で見せた立ち合い変化。

(引用開始)
「大関が立ち合いで変化してはダメ。模範を示さないといけない。大きな体で、ああいうことをしては見苦しいし、評価されない。ああいうことをやっていると、綱どころじゃない」

 ◆横審横綱推薦の内規 (1)横綱に推薦する力士は、品格・力量が抜群であること(2)今後の横綱推薦に対しては、横綱審議委員会は大関で2連続優勝した力士を横綱に推薦することを原則とする(3)第2項に準ずる好成績を挙げた力士を推薦する場合は、全委員の3分の2以上の決議を必要とする(4)品格については、協会の確認に基づき審議する。
(引用終わり)

だそうです。「品格」がないと、横綱にはなれない。

確かに、あの相撲はいただけないですね。さらに、土俵上や取組み後の花道で、勝った喜びを隠し切れずにしばしばニコニコ笑っているのも気になるところでした。

でも、18歳でたったひとりでエストニアから全くの異文化である大相撲の世界に飛び込んだ27歳の若者。親方をはじめ周りがしっかりと教育してあげてほしいものです。素直な明るい性格のようで、人間的には好感を持ちます。

なぜエストニアという日本人にはあまり馴染みのない国の若者が相撲取りになろうと思ったんだろうと知りたくなってWikipediaを読んで、プチ感動しました。

(引用開始)
早くに父を亡くし生活苦に喘いでいたこともあり、バーの警備員を務めていたこともあった。また、その優しい性格と太り気味の体格からいじめを受けていたとされる。

そのようなホーヴェルソン少年の相撲との出会いは12歳、小学6年生の時であった。相撲の国際的な普及を図る国際相撲連盟の理事夫妻がラクヴェレを訪れ相撲の指導を行った際、多くの子どもが初体験の相撲に戸惑う中、ホーヴェルソン少年だけは目を輝かせて相撲を取っていたという。

後に把瑠都もこの日の事を、「何で裸になるんだろうと思ったけど、力と力の勝負が本当に楽しかった。今思えば、これも運命でしょう」と述懐している[5]。把瑠都はこの夫妻を今もなお日本の両親と慕い、大相撲への入門もこの夫妻と国際相撲連盟の会長の尽力があって実現した事であった。
(引用終わり)

母子家庭、生活苦、いじめ…。
日本の大相撲の頂点に立った外国人力士が、若いときにこんな苦労をしていたとは。

(引用開始)
とても親孝行者としても知られている。遠く離れた日本で力士としての生活を選んだのは、今まで女手一つで兄弟3人を苦労して育ててきてくれた母親を助けたい一心だった。エストニアの関係者も、「日本に来る前に“家族を幸せにしたいから”と話していた」と明かしたという。
(引用終わり)

優勝が決まった今場所、千秋楽に急遽エストニアから呼び寄せた母親が再三テレビに映っていましたが、このような背景があったのですね。
(ついでに奥さんは綺麗な人ですね。ロシア人だとか。和服を着ているところがまた…。)


一方、横綱の白鵬。今場所は12勝3敗と、白鵬にしては芳しくない成績でした。
負けたときの信じられないというような顔を3度も見ることになりました。
それにしても白鵬は、とんでもなく強くて、そしてそれこそ品格のある横綱です。まだ26歳ですね。びっくり。

白鵬はご存知の通り、モンゴル人。今場所初めに、両国国技館に飾られている大相撲優勝額から日本人力士が消えたことが報じられました。

http://www.yomiuri.co.jp/sports/sumo/news/20120107-OYT1T00349.htm
(引用開始)
 8日に初日を迎える大相撲初場所を前に7日、東京・両国国技館で館内の四方の壁に飾られている優勝額の掛け替えが行われ、日本人力士で直近の優勝だった2006年初場所の大関栃東(現玉ノ井親方)の額が取り外され、史上初めて32枚の額すべてを外国出身力士が占めることになった。

(中略)

 7日に栃東を含む2枚の額が取り外され、昨年秋場所と九州場所を制した横綱白鵬の2枚の額が新たに飾られた。今年の初場所で飾られる32枚は、モンゴル出身の白鵬20枚、朝青龍9枚、日馬富士2枚、ブルガリア出身の琴欧洲1枚となる。
(引用終わり)

最近32回の優勝力士のうち31回はモンゴル出身力士、1回がブルガリア出身だと。そして今回はエストニア。これが日本の国技。

日本で行われているスポーツの中で、最も外国人が活躍しているのが、皮肉なことに大相撲ではないかと思えます。

今場所新しく大関になった稀勢の里、先場所に大関になった琴奨菊の二人の日本人力士の今後の活躍に期待するしたいところです。


それにしても外国人力士が多すぎるのではないかと思って調べたところ、(知っている方は知っていることでしょうが)ちゃんと人数制限はされているようです。
Wikipediaより

(引用開始)
1992年、小錦・曙らの躍進を機に、師匠会の申し合わせで、現役の外国人力士を総数40人以内におさめることが定められた。その後数年はどの部屋も外国人力士の採用を自粛してきたが、98年から再開され、モンゴル人力士らが隆盛する。そして2002年、先の40人という枠を撤廃するいっぽう、外国人力士は1部屋1人までと制限する方針に変更。当時相撲部屋は54部屋なので、54人が上限となった。

それでも、制限は「外国人力士」つまり「外国籍を持つ力士」にしか及ばないため、これを利用して力士に日本国籍を取らせ、新たに外国人を弟子に採る部屋が後を絶たなかった。2010年1月場所時点で外国出身力士の総数は57人に及んでいたという。さらに2008年の露鵬らの大麻問題や、2010年1月の引退まで朝青龍が起こし続けたような騒動の再発防止という必要もあって、同年2月23日に理事会は先の制限を、帰化者含む「外国出身力士」を1部屋1人までに制限するものへ強化することを決定した。
(引用終わり)

このように1部屋1人までに制限していても、これほど外国人力士の活躍が目立つのは、結局、それだけ実力のある力士が多いということでしょうね。しかし、部屋にたった一人しか許されないとすると、よく素質のある少年をうまく選んでくるものだと感心します。


さて、外国人力士のことをさらに色々調べてみて、興味深い事実もいくつか見つかりましたが、長くなるので、この続きは明日にでも。