彼は日本語がぺらぺらで漢字も敬語もほぼ完璧に使いこなすのですが、意外にも日本の本はほとんど読んだことがないのです。
過去にも何冊か薦めた本もあるのですが。例えば、以前にブログで書いた、アンモニア合成プロセス開発とそれに携わったハーバー、ボッシュの戦争に翻弄された人生についての名著。
「大気を変える錬金術 ハーバー、ボッシュと化学の世紀」
http://ameblo.jp/tomamx/day-20110305.html
大気を変える錬金術――ハーバー、ボッシュと化学の世紀/トーマス・ヘイガー

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まぁ、これはオリジナルが英語ですので、日本語で読む必要もないのですが。
その彼が、何かお薦めの本を教えて欲しい、と。
しかし、軽い読み物よりも、何か得られることのある本がいいと。
そこで、いくつか思いついたものを挙げてみました。
・「生命燃ゆ」 高杉良
昭和電工の大分製造所に石油化学コンビナートを建設する際、日本で草創期の分散型制御システム(DCS)を導入する仕事に携わったシステム課課長が、白血病におかされながらも仕事を成し遂げた実話に基づいた小説。
化学会社に勤めているからには(そうでなくても)読んで損のない、涙なしでは読めない感動の本です。
生命燃ゆ (徳間文庫)/高杉 良

¥800
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・「竜馬がゆく」司馬遼太郎
言わずと知れた、坂本竜馬が主人公の、司馬遼太郎の大傑作。坂本竜馬の人物像はこの小説で作り上げられたと言われます。大学生の頃に全8冊を一気に読み終えた、私の人生でも最も面白かった小説のひとつ。(でも、外国人にはイマイチですかね。)
竜馬がゆく〈1〉 (文春文庫)/司馬 遼太郎

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・「一神教と多神教」 岸田秀
独自の唯幻論を展開する心理学者(というか社会学者?)の岸田秀が、一神教であるユダヤ教・キリスト教・イスラム教の由来とその病理について、大胆な論理でひもとく。根拠薄弱との批判もありますが、目からウロコが落ちる思いを楽しめます。私は岸田秀の大ファンです。
一神教vs多神教/岸田 秀

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うーん。もっと一般的に人気の本はないのかなと思い、考えてみました。
海外でも人気の現代の日本人作家と言えば村上春樹やよしもとばななといったところでしょうか。
「1Q84」はがっかりでした。よしもとばななは、大昔に「キッチン」とかと読んだきり。それなりに印象深い小説ではありましたが。
そのほか、ノーベル文学賞受賞の川端康成や大江健三郎、それに三島由紀夫くらいでしょうが、そのどれもが彼の嗜好にはあまり合わないようで、今ひとつ。
そこで、ベストセラーを調べてみることにしました。すると色々と面白いことが…。
→…というところで、以下、明日にします。