福島第一原発 毎時10シーベルト・・・ | ナンでもカンでも好奇心!(tomamのブログ)

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硬軟取り混ぜた種々雑多なネタについて書いてみようかと思います。
全くまとまりがないと思うけど、それが自分らしさということで。。。

福島第一原発で、毎時10シーベルトという過去最高の放射線量が観測されました。

http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2011080100798

(引用開始)
過去最高の放射線量測定=毎時10シーベルト以上-福島原発、作業に影響なし・東電

 東京電力は1日、福島第1原発1、2号機の原子炉建屋の間にある屋外の排気筒の表面で、過去最高の1時間当たり10シーベルト(1万ミリシーベルト)以上の放射線量が測定されたと発表した。測定した作業員の被ばく量は最大4ミリシーベルトだった。
 これまでの最高値は、1号機原子炉建屋内で6月に測定された同4000ミリシーベルト。同10シーベルトを仮に6分間防護服などなしに浴びると、1000ミリシーベルトを被ばくすることになり、吐き気やリンパ球の急激な減少などの症状が出る。
 東電は半径数メートルを立ち入り禁止にするとともに、今後、付近に鉄板を設置するなどして放射線を遮蔽(しゃへい)する。ただ、この付近での作業は予定されておらず、今後の事故収束作業への影響はないという。
 東電によると、排気筒には非常用ガス処理系と呼ばれる配管が接続されており、この接続部で高線量が測定された。1号機では震災直後の3月12日、原子炉格納容器の圧力逃がし弁を開く「ベント」が行われたが、その際に、容器内の空気がこの配管の中を通った。東電は、通過した気体に含まれる放射性物質が配管内に付着し、何らかの理由で高い放射線量になったとみている。(2011/08/01-23:59)
(引用終わり)


テレビの動画もありました。





この件についての京大の小出先生のコメントを、ちきゅう座のサイトより引用します。
http://chikyuza.net/n/archives/12392

(引用開始)
 1,2号機の原子炉建屋の排気塔で、10シーベルト/時間以上の放射線量、計測器の限界以上であり、「想像を絶する強さ」なのです。今まで、ミリシーベルトでお話を聞きましたが、1万ミリシーベルト、7~10シーベルトの被曝で人間は死ぬ(2週間以内に死ぬ、JCO事故、10~18シーベルト被曝した二人を、日本の医学会が総出で助けようとして、83日間延命してもダメでした)のです。

 10シーベルト以上の原因、通常は考えられない、燃料(使用済み)そのものが近くに転がっている、「1、3号機の水素爆発で使用済み燃料のプールが爆発して、その中身が吹き飛んで来た」のか、と言うことなのです。燃料から直接でないと、10シーベルトは出ない(猛烈な放射線量がいる)、確認は難しく、測定者が4ミリシーベルト被曝して、しかし、10シーベルト/時間のところで4ミリシーベルトの被曝ならそこに1~2秒しかいられないのです。「防護服、マスクをしても防げない」のです。ガンマー線を遮るのは無理、鉛のスーツでも防げないのです。何をしても、10シーベルトならアウトです。

 そのため、10シーベルトあったところは、近づくことすら出来ないのです。が、水を入れる、汚染水処理もあり、瓦礫の撤去時の放射線量が10シーベルトなのですが、そこにあった瓦礫を誰が撤去したのか、撤去した人は大変な被曝をしているのです。作業員の被曝が心配なのです。

 10シーベルトと聞いて、「言葉を失った」ということであり、1シーベルトでも恐ろしいのに(そんな現場すら近づけない)、到底人間の行ける場所ではないのです。
(引用終わり)


東電の見解は、「震災直後3月12日に行った、原子炉格納容器の圧力逃がし弁を開くベントの際に、通過した気体に含まれる放射性物質が配管内に付着した」ということですが、小出先生は「燃料から直接でないと10シーベルトは出ない」とのことですので、ベントで燃料が外部に排出されたと言うことでしょう。

3月12日にメルトダウンしていたことは東電も認めています。

http://blogs.yahoo.co.jp/xoxdunubxox/20130076.html
(引用開始)
毎日新聞 5月15日(日)22時15分配信
 東京電力福島第1原発1号機で、地震発生から16時間後の3月12日早朝にはメルトダウン(全炉心溶融)が起きていた可能性が強まった。東電の解析では、燃料溶融は予想以上の速度で進行。弁を開いて炉内の圧力を下げる「ベント」作業を始めた時には燃料がすべて溶融していたことになり、今後、ベントの決断や外部からの注水のタイミングが適切だったかが改めて問われる。専門家は溶融した燃料が格納容器を損傷している可能性も指摘する。
(引用終わり)


ベントで何が起きたのか、ちょっと考察してみます。

(追記)一晩寝て考え直したら、以下の考察は正しくないと思い直しました。
メルトダウンした燃料に各元素が溶けているとすると、その濃度に対する分圧分しか蒸気になりません。定性的な傾向としてはこのようですが、各元素はもっと気体になりにくいです。

燃料ペレット(酸化ウラン)の融点は2,700~2,800℃です。
メルトダウンが起きたときには燃料がこの温度になり、圧力容器の底が抜けて格納容器に達し(メルトスルー)、格納容器の圧力が上がってベントを行った(10気圧から4気圧に下げた)、という経過になります。

放射性の各元素の融点、沸点は次の通りです。

ヨウ素:融点114℃、標準沸点184℃ (標準沸点は、1気圧での沸点)
セシウム:融点28℃、標準沸点671℃
ストロンチウム:融点777℃、標準沸点1382℃
プルトニウム:融点639℃、標準沸点3228℃

これら物性から考えると以下のようになります。
まず、格納容器に落ちた燃料は、温度は2800℃、圧力は最初10気圧、ベント後で4気圧です。

ベントの際、ヨウ素は気体として放出されたでしょう。

セシウムは、格納容器内で圧力が高かった間は液体になっていて、圧力を逃したときに気体となって放出されたのではないかと想像されます。

ベントで大気中に放出されて急速に冷えたら、沸点の高い物質は(濃度がそこそこ高ければ)まず液滴になります。急激な膨張で一気に冷えて液滴になるので、非常に細かい霧状になると考えます。そしてそれがさらに冷えると固体の微粒子になって、風に乗って日本中に拡散されたものと思います。

しかし、ストロンチウムは、ヨウ素やセシウムのように簡単には液体に、まして気体にはなりません。メルトダウンが起きた温度では、1気圧なら気体になりますが、ベント後でも4気圧ですので、ごく一部(蒸気圧分)だけが気体になったのでしょう。これがヨウ素やセシウムに比べて、ストロンチウムがあまり検出されない原因のひとつと考えます。(もちろん、圧力容器内の濃度も重要な因子ですが。)

プルトニウムは、燃料棒の融点2800℃において1気圧ですら気体にはなりませんので、ベントでもほとんど放出されることはなかったでしょう。


以上は、ベントの際に気体として排出されることを想定した場合の話です。
しかし、溶融した液が存在する容器から大量のガスを一気に放出する際、液滴を同伴してしまうことは十分に考えられます。

そうすると、メルトダウン(メルトスルー)した燃料そのものが格納容器からベントガスに同伴して液として飛散し、それが配管で急速に冷えて固化して付着しているというシナリオが考えられます。


毎時10シーベルトの原因が燃料そのものだとすると、プルトニウムですらここに存在している可能性があるということです。
ヨウ素131やセシウム134、セシウム137は、ベータ線とガンマ線しか放射しませんが、プルトニウムはアルファ線を放出します。プルトニウムは特に内部被曝に注意しなければならないようです。


また、こんな状況がまだ残っている敷地内に降った雨水は、全て海に流れ込んでいます。
海の放射線濃度のモニタリングは、文部科学省がわざと誤魔化している可能性が高いです。


もう事故発生から5ヶ月もたとうというのに、まだこんな問題がわかってくる。
福島第一原発の事故の問題は、予想された通り、いつまでも終わらないですね。