自民党の河野太郎衆議院議員が、日本の原子力政策について批判を行っていたという2008年)の米国外交公電がWikileaksを通じて英ガーディアン誌で公表されたそうです。
当時は自民党政権時代であり、与党議員が政府の政策を批判したことになります。
元記事はこちら
http://www.guardian.co.uk/world/us-embassy-cables-documents/175295
これを翻訳されたサイトも見つかったのでリンクを貼っておきます。
http://wanderz.wordpress.com/2011/03/18/wikileaks-%E7%B1%B3%E5%A4%96%E4%BA%A4%E5%85%AC%E9%9B%BB%E3%80%8C%E6%B2%B3%E9%87%8E%E5%A4%AA%E9%83%8E%E6%B0%8F%E3%81%8C%E6%97%A5%E6%9C%AC%E3%81%AE%E5%8E%9F%E5%AD%90%E5%8A%9B%E6%94%BF%E7%AD%96%E3%82%92/
・日本の原子力産業に対して特に核再処理のコストや安全性、安全対策の問題をもとに強い反対意見を表明した。再処理は「ウランのリサイクル」であるという考えを世論に売り込むことに成功した日本の電力会社は、原子力に関わるコストと安全性の問題を隠蔽している。
・日本のテレビ局は原子力問題について彼に3部のインタビューを計画したが最初のインタビューの後に中止されたと言う。理由は高額な広告料を引っ込めるという電力会社の脅しによるものである。
・原発事故を隠蔽しその本当のコストと原子力産業に関する種々の問題を曖昧にする経産省を非難した。
・核廃棄物について、日本は永久の高レベルな廃棄物貯蔵所を持たないので、貯蔵には解決策がないという問題点を挙げた。日本の広大な地震活動と豊富な地下水源を引き合いに出し、この「火山列島」において核燃料を貯蔵するのに本当に安全な場所なのかという疑問を示した。
これを機会に、河野太郎衆議院議員のサイトを訪問してみました。
「ウィキリークスに公表された記事に関して」という3月18日の記事がありました。
http://www.taro.org/2011/03/post-948.php
そして、この記事からのリンクで、「再処理工場の稼働に反対する」という2008年6月9日の記事に飛べます。
http://www.taro.org/2008/06/saishori1.php
・「もんじゅ」計画が頓挫して、プルトニウムを燃やすことができなくなったため、経済産業省と電力会社は、大あわてでプルトニウムをウランと混ぜてふつう の原子炉で燃やすために「プルサーマル」という計画を立案しましたが、この計画もまだ実現していません。仮にプルサーマルの原子炉が一基稼働しても、38 トンのプルトニウムを燃やすのに、35年かかり、発電コストはウラン発電の約四倍になります。
・青森県の六ヶ所村にプルトニウムを取り出すために当初予算七千億円、完成してみたら二兆円のコストで「再処理」工場が完成しました。この再処理工場から は年間5トンのプルトニウムが生産されます。時々、日本は核兵器を作るのではないかという話が海外からありますが、疑われるのも無理ありません。
・マスコミはみんなこの問題に気がついています。しかし、新聞もテレビも報道してきませんでした。なぜならば、電力会社が莫大な広告宣伝費を使っているか らです。電力会社の広告はマスコミにとって大きな収入源になっています。だから、公に発表されるような事故でもない限り、原子力の政策に関する報道、とく に国の政策に異を唱えるような報道はマスコミはそろって避けているのです。
・経済産業省はいまだに核燃料サイクルの実現を至上の命題とした政策を遂行しようとしてあらゆる手だてを尽くし、挙げ句の果てには原子力発電の邪魔 になるような自然エネルギーを徹底的に妨害し続けてきました。(つまり太陽光発電や風力発電が増えれば、原子力発電はいらないではないかという声があがる のを恐れているのです)
・与党(当時自民党)の政治家は電力会社と経済産業省に鼻薬をかがされ、野党(民主党)の政治家は電力会社の労働組合から様々な支援を受けているためにモノが言えません。
・電力会社は六ヶ所村の再処理工場の近くに使用済み核燃料の貯蔵プールを作り、もし福島第二のプールが一杯になれば、六ヶ所村のプールに移動しようとしてい るのです。 ですから電力会社にとって、再処理工場本体が動くかどうかは問題ではありません。再処理工場に付属した貯蔵プールが使えれば良いし、使えなけ れば後一、二年で原発停止という事態になってしまうのです。
河野太郎氏はテレビ番組「TVタックル」などでしばしば目にしていて、かなり好印象は持っていたのですが、「自民党」という先入観も邪魔して、このような視点を持つ政治家だったとは残念ながら知りませんでした。
最新のブログ記事でも、
・原子力をめぐる不透明さ http://www.taro.org/2011/03/post-963.php
・計画停電でいいのか http://www.taro.org/2011/03/post-962.php
など、市民の視点に立ったいい主張をされています。
ぜひ一度訪問してみてください。
政府も、このような心ある野党の政治家の力も活用して現在の危機を無事終息させてほしいと願います。