福島第一原発で、圧力抑制室が壊れている2号機のタービン建屋の水たまりから、作業員の方が被曝した3号機と比べて1000倍も高い濃度の放射性物質が検出されました。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20110327/t10014928251000.html
2号機のタービンがある建物の水たまりから運転中の原子炉の水のおよそ1000万倍という極めて高い濃度の放射性物質が検出されました。1号機や3号機で見つかった水たまりに比べても、およそ1000倍という濃度で、専門家は「2号機の原子炉から大量に放射性物質が漏れ出た可能性を示している」と話しています。
朝日新聞に乗っていた図で考えると、
http://www.asahi.com/special/10005/TKY201103260410.html
圧力抑制室(格納容器の下のドーナツ形状のところ)が壊れて原子炉建屋内で水が漏れているとしても、高さ関係から(もちろん、原子炉建屋(容器内でなく)もタービン建屋も常圧であるはずなので)、タービン建屋に水が浸入することは考えられません。
(この図では、たまり水のあるタービン建屋床面を原子炉建屋床面より、わざわざほんの少しだけ上げて描いてあるので、正しい位置関係を示していると想像しています。が、真偽のほどはよくわかりません。)
蒸気であれば高さに関係なく圧力差で流れるので、図では示されていない配管などから蒸気で流入しているものではないかと推定します。
いずれにせよ、このようなきわめて高濃度の放射性物質を含む水が溜まっていたら作業者が近づくことができず、排水すらできないので、対策の打ちようがないのではないかと怖れます。
何か安心できる内容を書きたいのですが、残念ながらなかなか見つかりません。
唯一、被曝された3人の方が、28日に退院されるというニュースがありました。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20110327/t10014931101000.html
このうち2人は、およそ2時間、くるぶしまで水につかった状態の作業で、局所的に2000ミリシーベルトから6000ミリシーベルトの強い放射線を受けたと推定されています。研究所によりますと、いずれも体内に入り込んだ放射性物質については治療が必要なほどではなく、また、被ばくした足の皮膚も今のところ変化は現れず、症状は安定しているということです。
「ベータ線熱傷」というらしいですが、局所的にかなり強い放射線を浴びたにしては意外に症状が軽くて、幸いでした。