福島第一原発の危機的状況は、まだ終わっていません。
冷却水が入らず、冷却水の水位が低くて燃料棒が露出し、そこが2000℃以上の高温になっているのではないかと想像されています。
また、格納容器の圧力を下げるためのベントの開放にもまだ成功していないようです。
ただ、一方で制御棒が挿入されているから「原子炉は停止」しているとの話もあります。
確かに、自分が想像していたような、われわれが化学工場での安全検討でシミュレーションする場合の加速度的に温度が一気に上昇する「暴走反応」の場合に比べて、長時間、危険な状態のまま維持されているのが意外です。
仕事が比較的専門に近い私のようなエンジニアでもよく理解できない状況ですので、一般の方は全く不安なことと思います。
今ようやく(?)TV朝日で、観測された1015マイクロシーベルト/時間は、健康には大きな影響のない量だとの報道がされていました。一般市民の「被爆」はもちろんあるべきではないし、報道されてしかるべきとは思いますが、一方であまりに大げさに被爆、被爆と報道されているのを苦々しく思っていただけに、この冷静な情報は評価したいです。
安全については、寺田寅彦のこんな有名な言葉を肝に銘じなければならないと、いつも考えます。
「ものを怖がらな過ぎたり、怖がり過ぎたりするのはやさしいが、正当に怖がることはなかなかむずかしい」 (・・・「小爆発二件」(1935年)だそうです。)
いたずらに危機感をあおるのでもなく、逆に無謀に危険を顧みないのでもなく、科学的知見に基づいた正しい危機意識を持って、正しく判断し、冷静に行動することが求められます。
しかしそれは、なかなか難しいことです。
そろそろ明日の仕事に備えて寝ます。
明朝起きたときには、今回の事態が無事終息していることを、祈りつつ。