ここ数日、寒気の緩んだ温かく穏やかな日々が訪れている。


 しかし、先週の土曜日から週明けにかけて氷点下の厳しい寒さが続いた。

 そんな冷たい夜明の海は、幻想的な海霧で一面が覆われる。



 土曜日の早朝は氷点下2℃

 海霧が湯煙りのように舞い上がり、遠くの島々が空に浮き上がったように見える。




 そんな中、焚き火をしながら若者たちがヤエン仕掛けでイカを狙っている。何とも、楽しそう。

 この寒さの中、徹夜で頑張っているその若さに感心し、何故か、思わず「乾杯」と心の中で祝福したくなる。

 それは、老いて疲れてしまった私がとっくの昔に無くし、失ってしまったものに対する祝杯だ。



 そして、その土曜日。

 夜明け前、水平線上が少しオレンジ色に染まり始めた頃だった。

 何気なくいつものように寒くてかじかんだ手で淡々とリールを巻いていると、突然ひったくられるような強烈な当たりがあった。

 最後まで暴れ、しぶとく抵抗しながら上がってきたのは70㎝超えのメジロ。

 よく見ると、何と小さなコバンザメが一緒にくっついていた。



 そしてそれ以来、毎朝のようにこの海に通い続けるが今日まで当たりすらない。全く魚の気配が感じられない。見渡す限り釣れている人も見ない・・・。

 いつまで続くのか、この静かなる海。

 来週から訪れる強烈な寒気によって、ますます死の海と化してしまうのだろうか。




 トンとかんたろうはよく遊ぶ。

 戯れているのだろうけど喧嘩ばかりしている。




 トンが寝そべって下から攻撃しようとしている。



 すかさず、かんたろうの左フック。猫パンチ。



 怒声を浴びせながら、押さえ込みに入る。



 「まいった」と甘えるトン。

 のけぞるかんたろう。



 最後は仲直り。

 何とも、微笑ましいショット。

 思わず心が和み、笑顔がこぼれる。



 おやすみ。そしてありがとう、かんたろうと、トン。

 今日はいつもなら淋しさが身に染みる、クリスマスイブ。

 しかし、今年はトンも一緒に、とても賑やかで楽しいイブになりそうだ。




 師走も半ばが過ぎ、いよいよ慌ただしい年の暮れが近づいて来た。しかし、夜明けの海辺は真冬の静かな寂寥感に包まれている。


 澄み切った冷気の中、水平線からゆっくりと昇りゆく太陽が眩しい。


 寒さに震えながら、昇りゆく太陽の曙光に向かって、かじかんだ手でひたすらジグを投げ続ける。すると自然との一体感に包まれ、至福のときが流れる。
 しかし、この日も当たりすらない。


 平日だというのに、釣り人は多い。
 青物狙いのジギングに混じって、この時期は徹夜の若いイカ釣り師も多い。



 何も釣れないので、スーパで地元産朝獲れ天然鯛を買った。春先の綺麗な桜鯛より、冬場の方が脂が乗って美味い気がする。
 寝かして二日目から刺身でいただいた。


 これは昆布締めした三日目の切り身。わさびと塩でいただく。
 鯛は塩で食べると甘味がわかる。
 刺身も美味かったが、特に昆布締めは鯛の脂と昆布の旨味が重なり、ほんのりと上品な甘さが口の中にいつまでも残り、鯛の旨味が堪能できた。

 

 トンが少し大きくなった。いつもびっくりしたような顔で見つめ甘えてくる。
 昼間はかんたろうが寝ているので、けなげにひとりで遊んでいる。


 かんたろうに甘えるトン。
 しかし、固まってキリッとした表情のかんたろう。


 照れているのか、かんたろうはいつもトンに素っ気ない。


 ひとりで羽を伸ばすかんたろう。
 冬の優しく暖かい陽だまりで大あくび。そろそろ昼寝の時間。
 おやすみ、かんたろう。
 昼間もトンとも遊んでやってくれ。


 十二月また来れり。
 なんぞこの冬の寒きや。・・・・

 萩原朔太郎の詩ではないが十二月に入り夜明けの海岸は驚くほど寒くなった。
 冷気に煽られ海から水蒸気が湧き上がり、海霧が海面を覆いつくす。
 幻想的な光景が目の前に拡がってゆく。


 しかし、夜が明けるにつれ見事に海霧が晴れ上がってくる。 

 穏やかな冷たい寂寞とした冬の海を前に、今日もまた私は未知の「期待」を求めて夜明けの曙光を浴び、ただ竿を振り続ける。



 この日は綺麗なだるま朝日を拝みながら、未知の期待を、静かに祈る。
 すると突然強烈な当たり。いきなり竿を引ったくってゆく。思わず大きく合わせると、手元にずっしりとした重量感が伝わり、魚が乗った。


 最後まで暴れ、楽しませてくれたのは久しぶりのメジロ、70㎝超え。


 しかし、まだまだ痩せている。


 刺身はあっさりしていたので、バターたっぷりのムニエルに。美味かった。


 近くのスーパーの北海道フェアで、年甲斐もなくスイーツを買ってみた。
 ゆきむしスフレ。
 とても柔らかくてまさに初雪のようなふわふわスフレ。口の中でとろける美味しさ。


 トカチック・バスキュー
 濃厚チーズ味でこれも美味。 



 遊びに夢中のトンを優しく見守るかんたろう。
 自分も遊びたいのを、大人の素振りで我慢しているようにも見える。


 トンは一緒に遊ぼうと誘う。


 ついに、かんたろうも負けじと紐で遊びだした。


 
 これからクリスマスに、大晦日、お正月・・と世間はどんどん慌ただしくなる。

 おやすみ、かんたろう。
 今年は、トンも一緒で賑やかだ。