昭和60年度 第65回全国高校ラグビー =本郷高校リベンジ= | ラグビーを楽しもう!  

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本郷高校ラグビー部の軌跡として忘れられないのが、昭和60年度、第65回全国高校ラグビーの戦いである。



初出場の我々昭和56年度から4年後の大会であったが、その間に58年度、59年度と連続出場を果たして、3年連続出場として常連の仲間入りを果たそうとしていた年であった。



春の大会で我々の時と同様に、準決勝で大東文化一高を28-11、決勝で国学院久我山を15-7で破り、2回目の都大会優勝を果たした本郷フィフティーンは、同じように関東大会で、熊谷工業を6-4で破り、Aブロック決勝では、相模台工業に3-7と僅差での敗戦で、力を示した。



秋の全国大会東京都第一地区予選では、1回戦シード、2回戦都立狛江戦 69-0、3回戦早稲田実業 28-6、準々決勝 早稲田学院 49-0と順調に勝ち上がって行った。



準決勝では、宿敵目黒高校との対戦。この対戦も24-6と退け、決勝は東京の古豪保善高校に対し、粘り強いタックルで18-3とノートライに押さえ、4回目の花園出場を果たす。第二地区の代表は、春準決勝で当たった大東文化一高に決まった。



この年のメンバーを見てみると、非常に粒の揃った良いチームで、粘り強いタックルで、接戦を物にするパタンが多かった。それはデータでも示されている。この年のチームの戦績データを見ると、20戦戦って、得点が437点、失点が88点と言う内容。56年度は、16戦戦って、得点が634点、失点が50点であった。



このデータを見るだけで、60年度のチームはいかに接戦を物にする粘り強さを発揮してきたかが分かる。1試合の平均得点が約22点とそれほど多くない。平均失点は4.4点。10点以内のロースコアに押さえている。56年度は、3年生中心のチームで、攻撃力が非常に強く、平均得点が約40点、平均失点が約3点。攻撃の強さで相手を抑えてきたことが分かる。つまり60年度はディフェンスの強さに特徴があったチームと言える。



全国大会の戦いぶりもまさにその特徴が出ている。2回戦からの戦いで初戦、石巻工業に16-10の6点差で勝利。3回戦新田に対しては、10-0で完封。と言うように、いずれも10点差以内の差で勝っている。初戦からかなり厳しい戦いを制して来たのだ。



そして、1月3日の準々決勝で、56年度引き分け抽選負けの相手、宿敵秋田工業との2回目の対戦が、同じ準々決勝の舞台で実現したのだ。各新聞社も4年前の再現、本郷のリベンジなるか!と言う見出しで取り上げた。我々OBも後輩に是非この秋田工業と言う壁を打ち破って欲しいと願い、応援に駆けつけたOBもたくさん居た。



この年のチームは、本当に粘り強いチームだった。この注目の対戦も、秋田工業のお株を奪うような攻撃と守りを見せ、14-3でノートライに押さえて、見事リベンジを果たしてくれたのだ。56年度のメンバーは皆、あの時の悔しさの一部を取り除いてくれた気がしたものである。



彼らの粘り強さは、次の準決勝でも発揮された。春の関東大会で3-7と負けている相模台工業との対戦である。この試合での彼らの粘りは凄かった。自らの手で春のリベンジを果たす戦いを見せ、12-10のゴール差で見事勝利。我々が果たせなかった、頂上決戦の切符を手に入れたのだ。本郷高校創部以来の夢舞台、花園の決勝へ大浦先生を連れて行ってくれたのだ。