「君の顔が好きだ」った | トムのブルース

トムのブルース

NO FUTUREな飼い主と、敏捷性に欠けているアビシニアン“トム”のブルース。トムさんは旅立ってしまったけれどブルースは鳴り続ける。

彼女は控えめに言ってもかわいかった。

世界中の人に自慢したいくらいに。




こんなおっさんにはもったいないくらいに。

結果やっぱりこんなおっさんでは彼女の未来のビジョンには存在出来なかったわけなんだけれども。ガハハ





フラれてもうすぐ1か月。

そんなかわいい彼女がもういない事がまだ受け入れられないでいる。

資産が1億になって安心してたのに一晩で相場が暴落して無一文になった気持ちと同じようなもんだと思う。

かわいい彼女がいるから普段理不尽なことや腹が立つことなどあっても大抵のことはどうでもいいやという気持ちになれてた。

かつては猫たちでそんな気持ちになってたような気もするが、

彼女は僕の中では猫たち以上の存在になってしまっていたようだ。


そんな彼女に、

もう未来のビジョンが見えない。

一緒にいてつらい。

と自分の事を全否定されたかのような事を言われてしまって、自信もアイデンティティも消滅してしまった。

一年付き合ってどこでそう思わせてしまったのか考えても答えが出ない事をずっと考えてしまう。

自分を卑下したところでどうにもならないが、いつからか一緒にいてつまらない男になっていたんだろう。



しかしいつまでもこんな未練をたらたら書き連ね続けたところで彼女は戻って来ないんだよな。

明後日でちょうどフラれて1か月だし、仕事も休みだし、久しぶりに一人で馴染みの店にでも飲みに行こうかと思う。

一緒に行けたのは一度きりだったな。