からす | トムのブルース

トムのブルース

NO FUTUREな飼い主と、敏捷性に欠けているアビシニアン“トム”のブルース。トムさんは旅立ってしまったけれどブルースは鳴り続ける。

本業とは別に昼間お世話になってる職場の近くにいたカラスと仲良くなりつつある。

野生動物への餌付けは褒められた行為じゃないけどな。








フラれてから2週間。

最後に会ってからもうすぐ1ヶ月が経とうとしてる。

最初のころに比べると、仕事してる時は気が紛れるようになったりして徐々に慣れていってるような雰囲気だけどおそらくまだ全然受け入れられてない。

あの時もっと言葉に出していれば結果は変わったんじゃないかとか、まだ何かの拍子に戻れるんじゃないかなんて思ってしまったり、いつまでも往生際の悪い考えばかり浮かんでしまって、最後は40代になったのに一緒にいて未来のビジョンが浮かばないような生き方をしてきてしまった情けない自分を呪う。


それでも一番つらい時期は過ぎたのかもしれない。

一番つらくて五感がおかしくなるほどだったのは合鍵がポストに入れられていたのを確認した瞬間。

別れを告げられた日にいつの間にか入れられていて、彼女の別れたいという強い意志と、もう二度と会えないんだという予感、また8年前のように1人になってしまった不安、アイデンティティの消失等々、寝起きに色々なものが一気に押し寄せて来て一言で言ったらパニック。

視界も暗くなり、暑さも感じず、お腹も減らず、臓物が抜け落ちて足元もおぼつかないような状態がしばらく続いた。


今は多分もう一生独りなんだろうなという寂しさと漠然とした不安、あとはひたすら彼女が恋しい。

今度行こうって言ってたお店にすぐ行けばよかった。

一緒にやろうって言ってたこともすぐにやればよかった。















こういう話ができる友だちもいないのでほぼ毎日SNSなどで吐き出しているが、

おっさんの失恋話なんて気持ち悪いと思ってる自分もいるからうちのかわいい猫たちにバランスを取ってもらう。