おはようございます、
紙太材木店の田原です。

先週は全館空調講座で富山でした。
横浜組は懇親会の後
新幹線で帰りましたが
9時少し前でも帰れるとか
愛知県組は全員宿泊ですから
利便性には圧倒的な差があります。

最近、平屋がブームで
平屋専門を謳う工務店も出てきています。

来年の4月から4号特例が変わって
2階建ての木造住宅は
構造と省エネの計算書が必要ですが
200m2以下の平屋は
新3号建築物となって
従来通りの申請で建築が可能です。

構造や省エネの計算書が
必要と言うことは
それだけ手間も時間も費用も
かかりますが
平屋専門ならそんな余分な費用は
掛かりません。
でも、計算しなくていい訳ではありませんから
そこのところをお間違えないよう。

二階建てと違って平屋の場合
東も西も南も
お隣の家が建っていると
日射をどう確保するかに悩みます。

2階建てであれば
吹抜けで日射を確保できますが
平屋ではそれが出来ません。

Ua値ではいい数字が出ても
暖房費は日射が利用できませんから
それなりにかかってしまいます。

北向きの片流れの屋根にすれば
日射は確保できても
太陽光パネルが北向きになりますから
発電量が落ちることになります。

実はこんなルートもあります。
それは東西に切妻の屋根です。

建築用語的には妻入りと言いますが
切妻の屋根は三角になっていますから
その三角の部分に窓を持ってくるわけです。
その面が南に向いていれば
そこからの日射を確保することができます。

もちろん、
南側の隣家との距離にも制約されますが
手法としてはありです。

そうなると
太陽光パネルの発電量が気になります。
東西に向いている屋根では
南向きの屋根に比べたら落ちる。
確かに落ちますが
15%程度です。

でも
多くの方は南向きにパネルを設置します。
なので自由市場での売電価格は
南向きのパネルが発電している時が一番安い
現状でも余っているくらいですから
ほとんど価格はついていません。

でも
南向きの屋根の発電が落ちて
西向きの屋根が発電する頃から
需要は上向きになります。
つまり、南向きの屋根のパネルの発電が
少なくなるにつれ
売電価格が上向きになるということです。

妻入りの平屋は
住宅密集地で
東西南が隣家に囲まれ
そこに平屋を建てる場合の
一つの解です。

平屋で
南向き片流れの家は
一条工務店をはじめ
履いて捨てるほどありますが
多くはUa値とパネルの設置が
一つの判断基準です。

しかし、
暮らし易さの検討要素には日射、
つまり、お日様の役割がとても多くあります。

日射を使えるか使えないかで
自然温度差は何度も違ってきます。
暖房しなくても暖かい家
つまり、年間の暖房費に
相当程度の差が出てきます。

平屋をお考えの方は
南向き片流れ一択ではありません。
設計者がそんなプランを提示したら
パネルの発電を除いた
年間の暖房費を聞いてみてください。

FITの10年が終了した後の方が
長く住むことになります。

選択肢は南向き一択ではありません、
住まいの外観デザインの好みは人それぞれ
優先順位も同様です。
立地条件や住まい方など
様々な条件を設計者と相談してみるといいでしょう。

囲まれた敷地で平屋を計画する場合
上記の他にもパネルと日射
それに室内の明るさをどう検討するかは
設計者の腕の見せ所と言っていいでしょう。

こんな東電のサイト​もありますから
参考にしてください。
(現状の屋根にパネルを設置した場合)