おはようございます、
紙太材木店の田原です。

杉も桧も
花粉はそろそろ終わりのようですが
くしゃみや鼻水は相変わらずで
何か?に反応しているようです。

先日JIOから
「図解 木造住宅トラブル
ワースト20+3」という
長い題名の本が発売されました。

JIOと言うのは
日本住宅保証検査機構のことで
住宅の瑕疵の保証を行う会社です。
業務の範囲には
住宅の品質の審査や評価があって
雨漏れをはじめとする
住宅の不具合から起こる
事故の保証を行っています。

そんな会社ですから
補償の対象になった事故や
不具合のデータが膨大にあって
今回出版された上記の本では
そのワースト20+3が紹介されています。

何が原因でその不具合が発生したか
それを防ぐにはどうしたらいいか
具体的な事例を挙げて
解説してありますから
現場での施工を担う
監督や職人さん必携の書と言っていいでしょう。

ワーストは全部で23あるわけですが
そのうちの3つが
軒ゼロに関してのもの

都市部のような市街地では
土地が狭小ですから
有効利用から
止む追えない面もありますが
シンプルなデザインになりますから
その必要性のない立地の場所でも
最近は多くあります。

もちろん、
デザイン面だけではありません。

軒をゼロにすれば
軒裏に張る軒天材や
その下地は不要になりますし
もちろん、大工さんの手間も
省くことができます。

工夫すれば軒樋自体も
減らすことができますし
準防火地域のようなところでは
対応した軒裏換気部材も使わなくて済みます。

ローコストな分譲住宅だけでなく
工事費を抑える手段として
一般の設計事務所や
工務店でも採用されています。

実際、
この軒ゼロ
雨漏れリスクが高いので
採用しない工務店や設計事務所も
多くあります。

理由は簡単で
現在の住宅では
外壁に通気層を確保しなければなりません。
もちろん屋根にも通気層が必要です。

壁と屋根で空気の流れる道を作り
同時にそこからは
水が入らないようにしなければなりません。

なかなかの設計と施工技術が必要です。

でも、
それが出来ていないので
ワースト23の内の
3つに挙げられています。
つまり
経験と勘で軒ゼロを施工

実績があり豊富な経験(失敗)があっても
更に失敗を繰り返す・・

コストが抑えられる
デザインがシンプルで
人気だから
雨漏れリスクはあるけれど
これなら絶対大丈夫?と思って
設計したら、工事をしたら
雨漏れしました。

JIOの本では
そういうHMや工務店、設計事務所が
まだまだ多くあることを伝えています。

誰も雨漏れを起こそうと思って
工事をするわけではありませんが
過信と未熟、
研究心や想像力の不足
経験と勘の優先など
住宅業界に存在する
悪しき習慣が
露呈した結果のように思えます。

住まい手の方は
軒ゼロのリスクを
重々意識する必要がありますし
設計者はその設計通りに
施工されているか
監理する責任があります。

現場にお任せの設計者も
多くいますし
そんな設計者に限って
雨漏れすれば責任回避に走りがちです。

軒ゼロの家をお考えの住まい手の方は
一度本書をお読みになると
リスクの高さが分かります。