『朝鮮雑記(1984年)』を読んだ後、イザベラバード(1831-1904)さんのことを教えてもらったので
図書館で借りてきました。噂は聞いてたけど本を読んだのは初めて。
『朝鮮奥地紀行1』 イザベラ・バード 朴尚得 訳 (平凡社)1993年
『新訳 日本奥地紀行』 イザベラ・バード 金坂清則 訳 (平凡社)2013年
この二冊を借りました。
イザベラ・バードさんの本(日本編)は、何冊も(複数の訳者の)翻訳本があるので注意が必要です。
金坂清則氏の翻訳は
『完訳 日本奥地紀行1~4』
『新訳 日本奥地紀行』
です。
私は上の『新訳 日本奥地紀行』しか読んでいないので、他の方の本はわかりませんが
金坂先生の翻訳は素晴らしかったです。
文学書を読んでいるような心地よさ。
それにイザベラバードさんの毒舌が痛快!!
通訳士「伊藤(イト)」とのエピソードが面白くてもっと読みたいと思う。
風景描写も美しいんですが
私は風景描写よりも人物描写、その土地に暮らす人々の描写が楽しみでした。
でもどこに行っても「異人さんが来た!」って人が集まってくるので大変。
バードさんの観察眼がスゴイ。
読むのに時間かかったけど、ハマりました。
19世紀後半、私のひいおじいさんが子供の時代かな~。
これは旅行記というより、フィールドワーク調査です。
江戸から長野、新潟、米沢、青森、北海道へ・・・
1878年5月~9月の記録です。
バードさん40代後半。通訳の伊藤(イト)20代前半。
アイヌ集落を訪ねての記録が超貴重で興味深い。
(学生の頃、外大でアイヌ語の集中講座があったんですよ。北海道の村崎先生をお迎えしました)
江戸にもどったあと、京都大阪にも来たらしいが、
それは『新訳』には含まれていなかったので
『完訳』の4を読みたいと思います。
図書館にあるかな?
ちなみに、川西図書館ではこれらは4階ではなく5階に置いてました。
5階は行ったことなかったですが(そもそも5階の存在を知らない)
誰でも階段で上がれるようです。
金坂清則氏の文章
https://www.nippon.com/ja/japan-topics/g00829/
http://kai-hokkaido.com/feature_vol46_bird2/
なお、『朝鮮奥地紀行1』については、
これは朴尚得さんという在日朝鮮人1世(1927年朝鮮生まれ 東大卒)の方が翻訳されています。
淡々とした訳でごく普通に思いましたが、『朝鮮雑記』と似たような感じだったので半分くらいしか読みませんでした。金坂先生の文章(日本編)が圧倒的に面白かったので、途中でそっちに没頭しました。同じイザベラ・バードさんの文章なはずですが、この違いはやはり翻訳者の違いなのだろうなと思いました。ただ、朴尚得さんの「あとがき」については興味深く読みました。「自分の親をえり好みできない宿命・・・」、「自分が朝鮮人であるのは絶対的宿命であり・・・」というあたり。なんか本の内容よりも訳者の人生について興味を持ってしまうのでした。もう亡くなられているかもしれませんが。
漫画本もあるよ。
数ページ立ち読みできるよ。
https://renta.papy.co.jp/renta/sc/frm/item/156573/

