『わが母の記』井上靖 | 韓国語教室 とるめんい川西

韓国語教室 とるめんい川西

2005年から兵庫県川西市で韓国語を教えています。

『しろばんば』の著書、井上靖さんのお母様が、今でいう認知症になられた様子を淡々と、
愛情持って描かれた作品。

https://www.amazon.co.jp/%E3%82%8F%E3%81%8C%E6%AF%8D%E3%81%AE%E8%A8%98-%E8%AC%9B%E8%AB%87%E7%A4%BE%E6%96%87%E5%BA%AB-%E4%BA%95%E4%B8%8A-%E9%9D%96/dp/4062772221

一部、二部、三部があるが、違う時期に雑誌に発表したものなので、重複している内容もあり
私としては一部だけ読めば十分かなという気がしました。

美しくて品があり読みやすい文章。
日本文学の香りがします。

1907年生まれ… えっ、ほとんど私の祖父母の世代ですね!
1964年~74年にかけての作品ですが、
当時としてはたぶん、庶民とは一線を画すハイソな生活ぶりが目をひきます。

映画「わが母の記」の泣けるエピソードは、原作ではさらりと書かれていたようでした。

記憶ができない母への戸惑いと、その後の「慣れ」は
私も同じです。
現時点での記憶しかない、5分前の会話・出来事はさっぱり忘れる。
でも対応的には結構慣れるんですよね~。
「今日は何月何日?」って10回以上聞かれるけど、
毎回優しく答えてます。それくらい何ともなくなりました。
だって日帰りで帰れるんだもの。(一人暮らし頑張ってる母に感謝)
これが同居なら余裕なくなってイライラするかも知れない。

井上靖さんも基本的にお姉さんや妹さんが同居して介護をされていたので
余裕を持ってお母様を観察されています。



(川西図書館で借りました)