お店に入ったら出てくる無料のお茶(水)について述べたいと思います。
韓国では80年代、食堂に入ると「トウモロコシ茶」が出て来ました。
香ばしくて(日本ではあまりないし)韓国に来たな~という感じがしました。
韓国語で「水(ムル)」というと、無料のトウモロコシ茶を指すこともありました。
それが私にとってはちょっと不思議でした。
また日本に来た韓国人が、普段私たちが日常飲みしている「麦茶」などを「茶」扱いせず、
「水(ムル)」と呼んでいるケースを見聞きしました。ああ、韓国人はお金を出して飲むお茶のみ
「茶」という認識をしていて、やかんで沸かす大衆的なお茶は水なのかなと思ったりしました。
それから2000年代になってからは、浄水器(大型ペットボトルを逆さにしたやつ)が普及したので
トウモロコシ茶は姿を消し、飲食店に入ると「水」が出てくるのが普通になりました。
そして日本についてですが、
私は50年間生きてきた経験でいうと、日本で飲食店に入ると出てくるのは「水」です。
これは韓国と同様、無料です。
ただ和食のお店などに入ると「緑茶」「玄米茶」「ほうじ茶」が出てくることがあります。
これも無料です。
中華料理店に入ると「ウーロン茶」「ジャスミン茶」「ブーアール茶」など、
中国茶が出てくることがあります。これも無料ですね。
何を書きたいのかというと
先日知り合いの韓国人がブログに書いてたのを見たのですが
京都の甘味処に入って茶色いお茶が出て来たんです。
そして写真入りで「ウーロン茶が出てきた」と書いていました。
あ、それは違うやろって思いまして、言いました。
このお茶は「ほうじ茶」と思われる。
和食のお店で(しかも京都…)ウーロン茶は出さないよ。って。
それで文化的な背景を知らないとなるほど難しいことだなと思うに至ったわけです。
文化的背景、ほどでなく、私は50年日本で生きてきたから感じるだけですが
京都の甘味処で「ぜんざい」と「ウーロン茶」ってブログに書かれてると、
すごい違和感があるわけです^^;(この気持ちわかってもらえますよね??)
韓国では「ほうじ茶」の認知度が低いです。
緑茶や玄米茶はありますが、ほうじ茶はないですね。
なので茶色なのでウーロン茶と思ったのでしょう。
検索すると「日本のホジチャって何?」という質問が結構あります。
ウーロン茶は中国のお茶です。
日本でメジャーになったのは80年代からですよね。
缶ウーロン茶が出て・・・。
あの、サントリーの小さい缶・・・。
そういえば10年ほど前によく聞いた話ですが、
韓国へのパッケージツアーで、団体で食堂に入ると店の人が
「飲み物は?ウーロン茶?」って必ず聞くそうです。
それで、団体旅行の日本人たちが無料だと思ったのか、雰囲気に乗せられたのか
「はい」とか「私も」とか言ったら、こ~んな小さいウーロン茶の缶が出て来て
3000ウォン(約300円)も取られたんですよ~と。
韓国はウーロン茶はあまり飲みません。
日本人観光客用として店に置かれているものです。
まあ日本でも飲み屋で、お酒が飲めない人がウーロン茶を頼む場合がありますが
食事に入った店でウーロン茶を頼む必要はなく(日韓とも)、「水下さい」と言えばいい話です。
「水下さい」と言えば、香ばしいトウモロコシ茶が出てくることもあります。
上記の甘味処も「ほうじ茶」は無料で出てくるが、
メニュー板にある「ウーロン茶」は300円でした。
日本でウーロン茶の位置づけって面白いんですよね。
ウーロン茶はお金とるけど、ほうじ茶や緑茶でお金はとらないですよね。普通。
韓国は伝統茶店では「緑茶 6000ウォン」だったりします。
やっぱり緑茶やほうじ茶は日本のお茶って認識があるから、
日本ではこれでお金をとろうとしないんだろうと思います。
日本の中華料理屋さんも、自国のお茶であるウーロン茶でお金をとろうとしないのと同様ですね。