MS-50G+ようやく入手、レビューそしてMIDIコントロール | とれすけのブログ

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ようやくMS-50G+が入手できました。

とはいっても4月には入手していました。ただ、買おうと思ったのは昨年末で、近場をはじめ、御茶ノ水まで足を延ばしましたがどこにも在庫はなし。結局近所のショップに1月に注文して、届くまで2ヶ月以上かかりましたね。今もまだ入手困難なんでしょうか。

 

さて旧MS-50Gユーザーとしては、スイッチ変更による足でのパッチ切り替え等の操作性のアップ、新しいエフェクトモデリングの追加、音質のアップなど、より”1台で完結する”方向性に期待をしていました。

 

まず操作性ですが、旧MSがマニュアルなしでもほぼすぐに使えたような直観性はやや落ちていて、基本は旧MSを踏襲しているものの、ちょっと操作に戸惑うこともありました。

ただ、数時間さわっていれば、ほぼ思うとおりに操作することが出来るようになると思います。

 

まずざっとエフェクトやパッチを見てみると、パッチの容量は50から100へ増えていて、自由度が増しているものの、エフェクト数は減ったという印象を受けます。

旧MS-50Gも発売当時はこのくらいのエフェクト数でスタートし、追加のエフェクトを順次有料で発売していたものが、バージョンアップで全部無料開放されて、倍くらいの数のエフェクトが選べるという状況でしたので、そういう印象になってしまうのだと思います。

ただ、実際旧MSで使っていたエフェクトがないという状況を生んでしまっているので、単純に旧MSからの代替を考えているとちょっと物足りなく感じる可能性はあります。

 

その代わりと言ってはなんですが、搭載されているエフェクトには、旧モデルからより進化したエフェクトも多く存在しています。

 

面白いのは、フットスイッチを利用してコントロールできるエフェクトですね。ENVELOPE GENERATOR FILTER、KICK FRANGER、HOLD DELAY、LOOP ROLLなどで、ENVELOPE GENERATOR FILTERはうまく設定すればワウペダルみたいな効果が得られます。

 

それから気がついたのは、旧モデルでは原音とエフェクト音があった場合にエフェクト音だけにすることが出来なかったのですが、新モデルではいくつかのエフェクトでエフェクト音のみの出力が可能になっている点です。

DRYとWETで設定できるのはOCTAVER、POLY PHONIC OCTAVER、POLYPHONIC PITCH SHIFTER、 GEMINOS DOUBLERで、このほかにBALのパラメーターがあるエフェクトは値を100にするとエフェクト音のみになるようです。

これがあるのは、LOWPASS FILTER、ENVELOPE GENERATOR FILTER、VIBRATO、 RING MODULATER、DUAL DELAY、REVERSE DELAYですね。ミキサーのセンドリターンなどで使うにはちょっと微妙な感じです、モジュレーションやディレイ、リバーブなどは、エフェクト音だけ取り出せると音作りの幅も広がるので、なんとか進化させて欲しいところですね。

 

それから、専用のダブラーエフェクトが追加されています。

旧モデルではディレイエフェクトでショートディレイを作っても、今ひとつらしい音にならなかったのですが、このダブラーはなかなかいい感じです。

 

ざっと見て来ましたが、実は一番進化したのは歪み系のエフェクトだと思っています。旧モデルと比べると、全体的に密度が増したような感じで、いいニュアンスを持っているエフェクトがいくつもあります。ファズなんて今まで使おうとも思わなかったのですが、この音なら使えると思ったりしました。旧モデルのMS-50Gは重宝していましたが、歪だけはどうも実機に追い付かない感じでしたが、今後はMS-50G+だけで完結できます。

 

私が今までメインに使っていたRiotは、VIOLET DISTORTIONという名称で、音色はちょっと中音に癖があるものの、実機同様密度の高い歪みが得られる上、チューブアンプに繋ぐとなんともいえない質感が出て、十分実機の代替になります。

 

それからリバーブ系では、新たに追加されたBRIGHT REVERB系が気に入りました。RoomとHallそれぞれありますが、ギターに合う感じのリバーブだと思いました。

 

もちろんアンプモデリングも健在で、ブギーのアンプが3種もラインナップされている他、マッチレスとかいいところが揃っている印象です。

ただ、アンプモデリングは旧MSと比べてパラメーターが減ってしまっているので、自由度が減った感じです。以前はアンプタイプとキャビネットなどを自由にえらべたものが、新モデルではそういったパラメーターはなくなっています。この辺は、コンセプトの変更というか、アンプシミュレーターというよりはプリアンプ的な用途に変化したという感じですね。

アンプのリターン刺しとか、卓へ送る用途は捨てて、アンプのインプット刺しに特化した感があります。

 

他のエフェクトも全体的にパラメーターは少なめになっているようで、より簡単に音作りができるようにしたのだろうと思いますが、個人的には物足りなさを感じる点ですね。iOSのエディターで別途エディット出来たりすると嬉しいのですが。

 

あと、特筆すべきなのはノイズの少なさです。歪み系を使っても、ほとんど気にすることなく使えると思います。単体で使う限りはノイズリダクションやノイズゲートといったエフェクトを使わなくてもいけそうな感じ。

 

もう一つ、チューナーがより"使える"進化を遂げています。

新旧比較の動画を見てもらえば分かると思いますが、マルチエフェクターにありがちなおまけレベルかから、実際に使えるチューナーになったなと思います。

 

 

実際に使っていて、視認性もよく、合ったところでディスプレイの色が変わったり、チューニングは合わせやすいと感じます。アナログメーターを再現したルックスもクールですね。

 

あとはもっとエフェクトが増えるのか、ですね。MS-70CDR+のエフェクトリストを見ると、MS-50G+にはないけれど、旧MS-50Gで後から追加されたエフェクトがたくさんラインナップされています。ぜひMS-50G+でも使えるようになってほしいなと思っています。まずはバージョンアップに期待というところです。

 

パッチチェンジについては、以前はフットスイッチで切り替わるパッチを限定できたのですが、新モデルではこの機能はなくなっています。その代わりパッチチェンジやエフェクトの移動のスイッチが、足で踏みやすいように大きくなっています。これはこれでいいのですが、欲を言えば、パッチチェンジのスイッチを下側に持って来て欲しかったですね。私の用途では現状の上側だと、足での操作は素足ならともかく靴を履いた状態ではちょっと厳しいです。

とはいえ、全体的にクオリティーがアップしたMS-50G+は、1台持っていて損はない一台だと思います。同シリーズでは空間系に特化したMS-70CDR+、ドライブ系だけで200種ものエフェクトを選べるMS-200D+、そしてベース版のMS-60B+も出揃いました。ぜひ手にとってみて頂きたいと思います。

 

 

 

で、いよいよMIDIコントロールのお話です。

 

旧モデルはMIDIでパッチチェンジが可能でした。

で、私のエフェクトボードには旧MS-50Gが配置されていて、これは以前の投稿の通り、自作のUSB MIDIでのプログラムチェンジ送出可能なスイッチャーによってパッチチェンジできるようになっています。これのおかげでいわゆる一般的なマルチエフェクター的な使い方が出来ていました。で、新しいMS-50G+でもプログラムチェンジが可能でしょうか。

 

現状の自作スイッチャーにつないでみたところでは、残念ながらパッチチェンジはできませんでした。ところが、以前にもやった通り、Macと接続してGT-8FxFloorBoardというアプリでプログラムチェンジを送ってみると、反応がありました。

ですが、なぜかプログラムチェンジの1〜10までしか受け付けません。MIDI信号をモニターしてみるとコントロールチェンジの32番に鍵がありそうでした。これはバンクチェンジ、LSBの信号です。他にも情報を探ってみるとバンクチェンジの0〜9でそれぞれプログラムチェンジの1〜10に対応して100パッチが選択可能になるようです。これは旧モデルとはちょっと仕様が違っているので、スイッチャーは別途用意する必要がありそうです。

 

そこで、以前作ったYAMAHAのフットスイッチMFC-06を改造したマシンにこの機能を実装することにしました。

 

コードを少し修正して、無事成功です。50パッチ分の切り替えですが、これでスタジオ練習やちょっとしたライブなら十分こなせると思います。

 

 

もうちょっと小型のスイッチャーも製作にかかっていて、もう少しなのですが、実は使用するUSBホストシールドが値段高騰で、今やひとつ2,500円くらいになってしまっています。

なので、いちかばちかアリエクで発注。これだと600円弱です。

今は到着待ち。

今までの集大成的マシンになる予定なので、また完成したらご報告します。