音作りアイデアあれこれ | とれすけのブログ

とれすけのブログ

IT、Mac、音楽、ひとり旅、メイカーズ、その他ゆるゆると。
Slackでバンドサポート

音作りも佳境に入ってきた。題目は6曲あって、そのうち4曲はカッティングの音とリードの音を、2曲はリードの音を作っている。
やっていて、今までいかに無頓着に音を作っていたのかを再認識せざるを得なかった。大体エフェクターで定番の中庸なセッティングを作っておき、あとはアンプのEQを調整するくらいだった。スタジオでもライブでも音量があるからかなりの部分誤摩化せているというか、自分ではいい音出してるつもりになっていたという感じだろうか。エフェクターよりもアンプのセッティングによってかなりのバラツキがあったと思う。
今回は、スタジオでまずアンプのセッティングを決め、それに合わせてエフェクターのセッティングをさぐっている。セッティング表をEXCELで作って、弾いては録音し、それをまた記録して微調整を重ねている。

EQがあれば好みの音が簡単に作れそうに見えるが、波形なんかを見ているとそんな単純なものではなく、特に歪み系の音は、倍音成分が色んな帯域で山や谷を形成しており、帯域ごとの音量だけでなく、例えばダブリングによるフィルター効果があったり、位相差によって櫛形にフィルターがかかったりと、一筋縄ではいかない。まあ、であるからこそ世の中には無限とも言っていいくらいの歪み系エフェクターがある。
そして、これだけのエフェクターがあると、そのパラメーターの組み合わせは膨大な量になる。
もちろん、全部試すなんてことはしない。経験と勘で、大まかに範囲は限られる。
問題はここからで、では目指すものは何かということになる。
理屈はまったく関係がなく、耳で聞いたものがすべてということになる。

今回、音作りをしている中で、いくつか気がついたポイントやアイデアを記録しておこうと思う。

さて、空間系で使用しているYAMAHAのFX-550なのであるが、今回はアンプで鳴らすという前提のもと、モノラル出力での音作りを基本とした。
ここに落とし穴があって、FX-550はモノインステレオ出力なのだが、モノラル出力する時はLチャンネルのみをアンプへつなぐよう支持されている。
ところが、ブロックダイアグラム上は、このモノラル出力の際は、Rチャンネルの音がそのままLチャンネルにMIXされるだけなのである。
何が起こるかというと、端的に言えば、左右でディレイタイムを分けていた時などは、モノで両方のディレイが出力されてしまう。タイムにもよるが、大抵不自然になってしまうだろう。
もう一つは、このFX-550のパラメーターの中にステレオ接続した場合の左右の広がりを調整する為のWIDというパラメーターがあって、これは若干の遅延をもって左右に広がりを出そうという仕組みらしいので、これがモノチャンネルで重なると、フィルター効果を発生してしまうのである。
従って、モノ出力の場合にはこのパラメーターは0にしておかないと違和感のあるディレイ音になってしまうということ。
これらは新たな発見であった。

あと、アナログエフェクターならいいが、マルチのデジタルエフェクターを使用する場合には、やはりエクセルなどで各パラメーターをきちんと記録しておく方がいい。
容易に元に戻れるというのもあるが、効果と数字を耳において一致させておくという作業は、後々役に立つと思う。
思わぬ発見にもつながる。
大体、いい音、というのはかなり幅があると私は思っているので、そのいくつかのパターンを分析する事は、いい勉強になると思うのだ。

最後にディレイである。
これの使い方は奥が深い。
教科書的に音符に合わせるのもいいが、それ以外に、人間が生理的に欲するタイムのようなものがあるような気がしてならない。
空気感を付加するために190msあたりを追加したり、スローな曲でも、あまり長いロングディレイは浮くだけとか、リバーブとの組み合わせでもまた印象は違ってくる。
ダブリングも、フィルター効果的なものから、ライブ感を出すような使い方、ソロギターの音を太くするような用法と、定番なく色々試すことをお勧めする。
その際、必ず録音してみること、また、ギター単独、オケと合わせた音色の両方を録って最適な音作りを模索することが大事だと思う。

今回は、最初ボードの入口にベルベットコンプを配していたのだが、その前にバッファーを入れることでやはり音が替わった。インピーダンス的にこっちの方がマッチしているのだろう。

ということで、試行錯誤、色々やってみることがまずは肝要かと思う。
時に、無難なパラメータ設定ではなく、思い切った設定を試していくことも大事ではないかと思っている。

P.S.今活用中のループセレクターとMIDIスイッチャーの組み合わせは、やはりデジタルノイズに難があり、できれば今度は一体式のプログラマブルループスイッチャーとして再設計してみたい誘導に駆られている。モード切替式で作れれば、MIDIスイッチャーくらいの筐体に入れられると思うのだ。今度は電子スイッチ式にして、初段にバッファー内蔵、あくまでMIDIナンバーをKeyとしたプログラム、また、MIDIコントロールチェンジ信号出力モードも儲けて、ボリュームコントロールその他を実装してみたい。
無論外部MIDI出力、USBMIDI出力対応である。

技術的なハードルはそう高くない。
あとは資金と根気である。