上野宝島夫妻殺害事件 | 猫好きのブログ

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 毎日新聞によると、宝島夫婦が前田容疑者(不動産業者)に以前、新店舗の仮契約金4000万円送金していた記録があった。

 

 契約は解除された後に未だ返金されていなかったが、前田容疑者が事件前日に自身の口座から数百万円引き出した。警察関係者によるとこれは預かった4000万円の一部の可能性があるという。

 

 現金は主犯格の関根容疑者に渡り、殺害に関与した容疑者達に支払われた報酬の原資は宝島夫妻のお金だったという見方が浮上している。とすれば、自分の金が報酬となって殺されたことになるから皮肉なものだ。

 

 前田容疑者は他の容疑者達に比べるとどことなくイケメンオタク風で違和感があったのだが、関根容疑者の参謀として積極的に関与していた可能性がある。

 

 まず、前田容疑者の管理する物件で宝島夫妻が殺害されていること。彼が物件を提供をしなければ殺人事件が起きなかったかもしれない。もし物件案内と偽って宝島夫妻を連行したのであれば、それは彼の発案であろう。

 

 ただ物件に入る前に宝島夫妻がふらついた様子が防犯カメラに映っていたため、睡眠薬を飲まされていたのではないかという見方が強まっている。

 

 殺されると分かると被害者だって必死に抵抗するので、例え数人が犯行に加わっても二人を殺害するのは容易ではないので、僕も物件案内説には疑問を持っていた。睡眠薬で朦朧とさせていたのなら、理屈に合う。

 

 では問題はどのようにして睡眠薬を飲ませたかだ。意外と難しいですよ。バーで女性がトイレに行った隙に男性がアルコールに睡眠薬を混ぜる事件が何度も起きているが、結構失敗してますよね。薬だから苦みがあるから普通は直ぐに気付く。それに大量に摂取しないと朦朧としない。コーヒーに混ぜた程度では難しいと思う。ましては夫妻二人を同時に朦朧とさせるのは更にハードルが上がる。

 

 関根容疑者と宝島夫妻とは対立関係にあったので、やはり不動産屋の前田容疑者が入らないと宝島夫妻は信用しなかったはずだ。そういう意味でも前田容疑者の存在は大きい。

 

 宝島夫妻は短期間にあれだけ店を増やし、他にも事業をやっていたほどだから、並みの人よりも直観力は強いと思いますよ。関根容疑者の情報から判断すると、夫妻を上手く丸め込めたとはとても思えない。それよりも物件の仲介等を通じて、前田容疑者は夫妻に信用されていたのではないだろうか。

 

 前田容疑者は関根容疑者から頼まれたというよりも、彼と財産を山分けしようと積極的な意思をもって犯罪に加わったのではないかと見ている。

 

 少なくても宝島夫妻が死ぬと預かった4000万円はうやむやになるので、4000万円が実質自分のものになる。それだけでなく、財産を山分けすれば数億円を入手できるかもしれない。犯行するだけの動機は十分ありますよ。

 

 

 また関根容疑者は自分が出店していた5店舗の成績が宝島夫妻の直営店よりも良く、上がりを上納させられていた。夫妻に店舗を接収されるかもしれないと思ってもおかしくない。実際、別の人に夫妻を消す依頼をしたことが分かっているので、ほぼ間違いなく犯人だろう。

 

 前田・関根容疑者の利害は一致している。とはいえ、顔見知りの間では信頼関係がないと実行は難しい。前田容疑者は宝島夫妻の仕事を通じて同年代の関根容疑者と親しくなり、宝島ファミリー内部の人間関係を把握していったのだと思われる。

 

 犯罪者には平均的な人よりも賢く、実行力があるタイプと、何も考えず勢いでやるタイプに分かれる。それぞれ単独で実行する場合もあれば、前者が後者をそそのかしたり、脅したりして実行する場合もある。