客はスーパーを使い分ける | 猫好きのブログ

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資格試験とその応用

 土曜日にディスカウント食品スーパーに行ったが、物凄い人の数でレジで30分も並んでしまった。

 

 平日だと5分程度、長くても10分で済むので平日と土日の落差が分かる。平日は忙しい人が多い為、近隣の人が中心なのだろう。土日となるとまとめ買いの為、遠くから客が押し掛ける。

 

 とは言え、まとめ買いのみで普段の買い物が完結する訳が無い。生鮮食品は劣化が激しいので冷凍・常温保存できる物を除き、早めに食べてしまわなければならない。従って遠くから来店する人でも平日に近所のスーパーの買い物を週1回ぐらい入れる必要があるだろう。

 

 アンケート調査を見ても、スーパーを選ぶ理由は安さよりも近さの方が多く回答している。このことは時は金なり、つまり多少高くても時間を節約できるのなら、近場を選ぶ傾向にあることを意味する。土日は時間の制約が緩和されるために、遠くの安い店に行くというわけだ。

 

 ではディスカウント食品スーパーが安ければそれで良いのかというと、そんなことはない。安さ志向でも人々は一定の品質を求めており、品質に満たない店には安くても行かないものだ(但し、所得的な制約の大きな人は行く)。

 

 では近隣の人の買い物はどうかというと、これまた近いから安い店に行く訳ではない。実際、ディスカウント食品スーパーの近くに普通のスーパー或いは高質スーパーがあるが、どちらも賑わっている。

 

 所得の高い人でなくても、食に拘る人は少なくないし、高齢化・少食化が進んだため、高価な商品を食べやすいという面もある(成長期の子供が二人もいれば、家庭へのダメージは大きいが、子供が世帯分離した家庭にとっては、そのような制約はなくなる)。

 

 また高質スーパー故に週末に良い物を食べたいと思う人が遠くから来店することもあるだろう。

 

 人間の行動は個々人により異なり、それが複合して現れるため、現象を見ると同じように見えても目的、志向が異なっていることがあり、原因を見つけることは簡単ではない。

 

 例えば高い食材でも売れるのは、

・近隣の顧客の平均所得が高い、食に対するこだわりが強い

・所得は高くなくても、たまには贅沢したい

 

 この2層は別物だが、同時に現われることが多い。表面だけ見て、価格志向は無くなったとか、所得水準に関係が無くなったと考えるのは誤りである。実際、この店に来ない人も多くいる訳で、彼らが来店しない理由を探らないと、消費者像を立体的に理解することは出来ない。

 

 面白いことだが、半額弁当を買っている人が別の日には高級料理を食べていることは珍しくない。人間の行動はTPOによって変わる為、一つの局面だけ見てこれが原因だと考えるのは危険である。それでは吉野家の牛丼をよく食べる人=底辺と言ってるのと同じだ。

 

 ある人は、ファストフードを豚の餌を食べているようなものだと言っていたが、グルメの好きなはずの人はファストフードをよく利用している。彼はそれで時間を節約しているのだ。だから時間の制約のない時は、グルメの店で正反対の料理を食べる。