カジノ資本主義 | 猫好きのブログ

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資格試験とその応用

 カジノについて記事をもう一本追加。

 

 日本でIR(統合型リゾート)に指定されたのは大阪市と佐世保市の2箇所になった。当初は5箇所で動きがあったのだが、色々な事情で断念が相次いだ。

 

 この中で興味深いと思ったのが北海道の苫小牧市の事例だ。新千歳空港を背景としたカジノ構想は国内外の観光客を念頭に置いたものだったはずだ。誘致に成功すれば、税収増や関連産業の雇用で地域は潤うことになる。

 

 だが環境問題がクリアできなくて断念することになった。北海道知事は候補地が希少な動植物が生息する可能性が高く、環境への適切な配慮が行うことが不可能だと述べた。

 

 この知事発言の前に書かれたIRの本を買って読んでみたのだが、確かに希少動植物のことが書かれていた。

 

 反対ではなく、賛成の立場でだ。計画によると稀少動物に麻酔を掛け、一体ずつ保護してセーフティーゾーンに移動させるというもので、それこそが「自然保護」だと著者は絶賛していた。

 

 開発の必然性がないにもかかわらず、自分達で環境を破壊しておき、保護とは論理が逆転しているが、欲に目が眩むと屁理屈を付けてでも誘致したくなるものらしい。この計画は明らかに無理があったので、知事がそう言わなくても環境アセスメントで通らなかったであろう。

 

 カジノにはそこまでして行うだけの魅力があるのは確かである。リゾート関連施設の5、6%に満たないカジノ場で利益の半分を稼げるからだ。

 

 ではカジノ場だけ作るか、カジノ面積率を高めればよいかと思うだろうが、そういう訳にはいかない。集客するためには、装置が必要になるからだ。

 

 例えば大阪市のIRだと国際会議場、超巨大ショッピングセンター、大型ホテルも同時に建て、カジノ場に誘導するようにしている。カジノ場だけぽつんとあっても、集客に限度があるのだ。

 

 例えばそこでイベントがあると、大勢の人が集まりますよね。彼らは飯を食うし、宿泊もする。その流れでカジノに集客する。

 

 ショッピングセンターもそう。超大型施設だと半径数百キロ、いや日本全国からも観光としてショッピングにやってくる。この客の一部をカジノに誘導するだけでも相当な人数になる。

 

 逆にカジノがあるという理由でそこで宿泊する人もいるだろうし、イベント会場にも選ばれやすい。このように異なる施設同士、相乗効果が高いのである。