オンラインで2900個販売したケーキだが、無残に潰れて届いたとの苦情が次々と届き、苦情は900件になった。
問題がなくても潰れたと偽り、返金狙いの客もいるだろうから、900個全てとは言わないが、広範囲に事故が起きたことだけは間違いない。
ケーキは横浜の有名洋菓子店が監修したが、製造は埼玉県の業者であった。OEM(受託製造)の会社らしい。ちなみにこのケーキとそっくりな物がゆめタウンでも売られているが、4300円だそうだ。高島屋は5400円。デパートが絡むとどうしても高くなる。
誰に責任があるか?
・監修者の洋菓子店
・販売者の高島屋
・受託製造業者
・配達業者のヤマト運輸
以前、ヤマト運輸はクール宅急便の荷物を常温に近い状態で仕分けして問題になったことがあった。以後、そのような話を聞いていないが、不慣れな運転手の商品管理レベル、運転中の急ブレーキによってケーキが崩れる可能性はあるという。
年末のピークなので通常よりも取り扱いが荒くなりやすいが、凍った状態で崩れていたケースが多かったこと、相当の時間が経過しないとあのようにならないという専門家の指摘から、ラスト1マイルを担当するドライバーの不注意が主たる原因とは考えられない。
被害が広範に及んだことから、基幹仕分けセンターで起きたかもしれないが、可能性は低いだろう。一度問題を起こした企業は二度やると、致命的になるためにそれなりのレベルで管理していたはずだ。
監修者はアイディアと製造指導が役目だから直接責任はないだろう。後は高島屋と製造業者だ。
製造物責任法では製造業者の他、一般の小売業者も責任を負うので、高島屋が免責されることはないだろう。仮に免責されても百貨店の信用上、きちんと対処するはずだ。
TV局が製造業者を取材すると、答えることはない、高島屋の責任、調査中と拒否されていた。法的責任云々の前にかなり印象が悪い。監修者だって連日店に電話が入り、謝罪しているというのに。
専門家によると、製造個数を見ても製造業者に相当な負荷が掛かっていただろうと推測している。一般的には早い段階から作り始めて、冷凍していくという。冷凍さえすれば賞味期限は2~3カ月あるそうだ。
それでも売れ行きが不明の状態で早めに多く作るのはリスクが高く、どうしても製造日は出荷に近くなりやすい。そうするとオペレーションが乱れて、不手際が起こる可能性があるという。
ケーキは手作りで難易度が高い作業だという。今後の調査の進展で原因は明らかになるだろう。
以前、グルーポンおせちテロ事件もそうだったが、ネット通販で生ものを買うということは、こういうリスクがあるということだ。幸い、食中毒はでておらず、売主も高島屋ということで、誠実に対応してくれるだろうが、これが無名の企業だと、毒入りマフィン事件のように逃げられて泣き寝入りの可能性がある。
なお、出荷前に抜き取り検査を工場でやっていたら事前に防ぐことができたと思われるが、この製造業者はやっていただろうか?品質管理部門を工場に設けていただろうか?
TVで見た感じでは、中小の町工場に見えた。問題は企業規模ではない。品質管理体制があったかどうかである。