オーバーツーリズム問題 | 東京Crew倶楽部 ~客室乗務員(CA)の世界~

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フライトにまつわることからCAたちのプライベートまで♪ 元ベテランチーフパーサーが語っています

 

Overtourism(環境公害)

 

コロナ以前(2019年)には

フランス、スペインには8000万人台

イタリアには6000万人台

イギリス・ドイツには4000万人前後

 

ヨーロッパ諸国には

1年間にこれだけ多くの観光客が訪れていた

 

一方、ヨーロッパ人の多くも

暖かい国へバカンスに出かけたりする

若いうちに世界を見ておくという考えも盛んなのだ

 

同時に

各都市は観光客が来すぎて

市民生活に支障をきたしたり

自然環境に影響が出たり

 

 

日本はまだ観光立国の途についたばかり

それでもすでに同様の問題が起きている

この問題はマスコミでもときどき取り上げている

 

早め早めに対策を打たないと

住民の生活環境の悪化を招き

市民生活を脅かすことになる

 

それが分かっていながら

観光庁や国は訪日外国人誘致ばかりで

オーバーツーリズムを口にするものの

これと言った徹底的な対策を立てていない

 

今年末には2019年並み訪日客数

3188万人まで回復する予想

これが4000万人、5000万人になったら大変なことになる

 

 国別外国人訪問者数

(出典) 日本政府観光局

 

各国の対策(総量規制)

 

アムステルダム市

 

*民泊営業日は年間30日まで

*2018年には市内中心部での民泊営業全面禁止

*市内中心部でのホテル建設禁止

*観光バスの市内乗り入れ禁止

*観光客向けのお店の出店規制(市内中心部)

 

 

ベネチア市

 

*旅行者の人気の地区への入場予約制導入

*観光客受入れ施設の新規オープン許可制導入

 

 

パリ

 

特定地区を除き市内の建物は

高さ37mまでしか建てられない

市民が高層ビル建築に反対(景観を保つ)

 

 

スペイン

 

住民の環境悪化による観光反対デモ多発

*新たな商業施設開設禁止

*観光客向け新規ホテル建設禁止

 

 

入場制限

 

ドブロブニク(クロアチア) 4000人/日上限

サントリーニ島(ギリシャ) 8000人/日上限

マチュピチュ(ペルー)  入場から4時間以内で退出

 

 

罰則規定

 

イタリア 

 

観光客がトレビの泉に飛び込んだり

コロッセオに落書きしたり

 

*歴史的建造物汚損 罰金6万ユーロ(約940万円)または収監

*風光明媚な湾を見下ろす道路で長時間駐車禁止

渋滞を発生させた観光客に279ユーロ(4万4000円)の罰金

*スペイン広場の階段に座ることや飲食禁止

ジェラートなどをこぼすことが多く、石段が痛み、修復に多大な費用がかかった

 

東京も大阪も京都も

町中はホテルの建設ラッシュ

しかも景観を損なう高層ホテルやビル

民泊営業はやり放題

 

都民・市民ファーストというより

大手不動産デベロッパーファーストの日本

 

ヨーロッパでの対策を参考に

早めに手を打たないと・・・

 

 

国力が落ち

今年も貿易赤字の日本

観光客が落とすお金に期待を寄せる日本

 

観光立国政策はほどほどにしないと

多くの人手は観光・サービス産業にとられ

ものづくり日本がすたれてしまう

 

日本の競争力は世界34位までに落ちている

(参考) IMD「世界競争力年鑑」より

 

 

T・K  ♂

 

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