春一番が吹くころになると思い出す
成田空港には写真左側A滑走路
右側B滑走路の2本だけで横風用滑走路がない
成田空港へ着陸まであと数分
だけど横風を受けて
飛行機が煽られている
それに負けないよう
パイロットが戦っている
ふかしているのかエンジン音が高い
普通、着陸寸前は音が低いのだが・・・
横風で機体が持っていかれる
そうすると滑走路から外れてしまう
外れないよう、風に負けないよう
着陸寸前までエンジンがうなっている
と思っていたら
エンジン音がさらに高くなり
飛行機が上昇し始めた
ダメだったんだ
ゴーアラウンドになってしまった
機内アナウンスをするか
「皆さま、この飛行機は強風のため着陸を中止し、いったん上空に上がります。機長より詳細が入りましたら、再度ご案内します」
機長から
「上空をひと回りして再トライするからよろしく」
との連絡
機内アナウンス
「皆さま、まもなく再度の着陸態勢に入ります。あと○○分後に着陸する予定です。シートベルトをしっかりお締めください」
飛行機がどんどん高度を下げていく
でも相変わらず横風が強そう
機体は横風に煽られているし
エンジン音も高い
今度はどうかな
CAたちもしっかりベルトを締めている
なにか起きたときに備え
頭の中でシミュレーションしているかもしれない
いつもどおり正面から
滑走路に向かっていくと
横風が強いと横に流されてしまう
今滑走路に向かっている
横風が右から吹いている場合
飛行機は左にもっていかれてしまう
そこで滑走路に向かって左側から
風と戦いながら
カニ歩きみたいな姿勢で
滑走路に向かう
2回目もそんな感じでアプローチ体制
あ、ダメだ
また上昇してしまった
上昇が落ち着いたので
今度は操縦室に入り
機長に状況を聞くことにした
かなり横風が強い
もう一度トライしてみる
それでダメだったら
羽田にいったんダイバートするしかない
羽田は滑走路が4本で井げたになっている
「皆さま、機長は3回目の着陸をトライします。もし成田への着陸ができない場合は、いったん羽田に向かいます。シートベルトをしっかりお締めかどうか再度ご確認ください。まもなく着陸です」
あいかわらずエンジンが高い
それでもなんとか着陸した
皆さん、不安だったことでしょう
客室からいっせいの拍手
35年の乗務生活で
ゴーアラウンド経験は先にも後にも
これ一回だけでした
TK ♂
以前のブログ
横風が強い時カニ歩き(Crab Approach)体制での着陸例(伊丹)