機内アナウンスが聞き取れない・・・口を動かす | 東京Crew倶楽部 ~客室乗務員(CA)の世界~

東京Crew倶楽部 ~客室乗務員(CA)の世界~

フライトにまつわることからCAたちのプライベートまで♪ 元ベテランチーフパーサーが語っています

欧米の人と英語で話していて

聞き返されたことはありませんか

 

今回は口動かしの話です

 

特に早朝のフライトは

口の動きも鈍くなっている

 

そこで

出社途中の電車やバスの中で

口動かしの練習

 

チーフパーサーは毎フライト

アナウンスをしなければならない

 

「ア・エ・イ・エ・オ・ア・オ」

 

口を縦に開いたり、横に開いたり

とんがらせたり

 

まだ口の動きが悪い早朝便では

とにかく口の動かし練習をしておかないと

アナウンスがひっかかってしまったりする

 

加えて、英語のアナウンスでは

口の動きが悪いと

何を言っているのか

聞き取れないアナウンスになってしまう

 

英語は日本語以上に口を動かす必要がある

 

「We will be taking off soon.

     Please make sure your seat belt is fastened」

 

これは

離陸前に、CAがシートベルトの確認をするアナウンス文

 

「We will be・・・」のところでは

Wがあるので、「We」で口をとんがらし

次の「will」ですぐにまた口をとんがらさせないといけない

 

「soon」も「sure」も「your」も口をとんがらして発音

 

この文章だけでも

5回も口をとんがらさなければならない

 

加えて、「taking」「please」「seat」「belt」の「t」と「p」は

破裂音になるし、「off」や「fasten」の「f」は摩擦音

 

たとえば、「プリーズ」の「プッ」

「プッ」と言ったとき

破裂音が出ているなら

同時に、お腹がへこむ

 

英語は腹式呼吸と言われている

破裂音や摩擦音を出すときは

腹式呼吸にする必要がある

 

というか

破裂音や摩擦音を出しているうちに

自然と腹式呼吸になれてくる

 

そして、口も、英語の口になっていく

 

 

あと、アナウンスで大切なのは

「間」のとり方」だと思う

 

間のとり方が悪いアナウンスは

その内容がお客様の耳に残らない

 

お客様の呼吸(息継ぎ)と合わない

 

 

機内アナウンスの場合は

「皆様、おはようございます」とアナウンスしたとき

お客様は心の中で「おはよう」と言っている

その一瞬の時間を与える

 

さらには、アナウンスを聞いて

「ああ、そうなんだ」と

心の中で思っていただく一瞬でもある

 

また、間をうまくとってあげないと

お客様は息継ぎが苦しくなってしまう

 

 

落語家は

「間」のとり方を徹底的に仕込まれると

聞いたことがある

 

TVなどで見ていると

舞台の前で聞いているお客たちに

うなずく一瞬の時間を与えたり

笑いの時間を与えたり

 

そして、息継ぎをする時間をうまく与えている

 

                      T・K  ♂

 

1年前のブログ

「CAの時間」