私が思うに、世の中に数多くある「便利な車」の中から、わざわざ「古く手の掛かる車」空冷ワーゲンを選び乗ることは、一見「ズレた」行動のようにも思えますが、実際そこから得られるメリットは多く、他の車では決して味わえないことばかり。
「現代人は多忙」と言われる中で広まる「時短」や「タイパ(タイムパフォーマンス)」を重視する考え方がある。一方それとは真逆な考え方とも言えるのが「丁寧な暮らし」。
そもそも「丁寧な暮らし」とは
日々の生活をただこなすのではなく、手間と時間をかけて日常生活に向き合うこと。料理や掃除などの日常に欠かせない家事を始め、普段の生活をいつもより少し丁寧に行うことで実現します。
「丁寧な暮らし」のメリットとしては、次のようなものが挙げられます。
・面倒に感じることも楽しめるようになる。
・心にゆとりが生まれる。
・暮らしの満足度が上がり、幸福感が増す。
・物事の本質が見えてくる。
など。
ただ、日々忙しく生活している方からは、「何が丁寧な暮らしだ!」と批判的な意見もあります。そもそも丁寧な暮らしの内訳は「物事を手抜きせずに行う」と言った、至って普通のこと。すべてを「手抜き」してしまうことは、物事の本質をも見失うことになりかねません。
ちなみに「丁寧な暮らし」の反対語はありませんが、強いて言うなら「粗略な暮らし」…
「粗略」とは、物事に対して十分に手を尽くさないこと、物事をおろそかに扱うことを意味します。また、そのさまやぞんざいさを意味します。
とは言え、多忙な生活をすぐに変えることはなかなか難しいかもしれません。そんなときは日々の忙しさを空冷ワーゲンでリセットしてみるのは如何でしょう?
ビートルに乗り初めてまだ間もないお客様が言っていましたが、
「仕事帰りにビートルで少し遠回りして帰ると、その日の仕事の疲れも吹き飛ぶし、気分よく家に帰れるんですよ。」
「国産に比べれば面倒なことや不便な部分もあるかもしれないけど、ビートルを中心にした生活は、毎日の充実感があるし、何より楽しい」
「丁寧な暮らし」がもたらすことって、まさにこんなことではないでしょうか?
「インスタントコーヒーをやめ、豆を挽きサイフォンでコーヒーを淹れてみる」
「炊飯器を使うのをやめ、ご飯を鍋炊きしてみる」
「新車買うのをやめ、古いワーゲンに乗ってみる」
など