「好みじゃない男でも3回は会ってみろ!」
という言葉を聞いて、好みでもなく、会っても特段いいと思えない西郷どんと3回会ってみた私。
特別断る理由がないので、4回目のデートを約束。
4回目は、
「これから一緒にお出かけする場所を相談しよう!」
ということになり、西郷どんがお店の予約、私が東京のガイドブックを買ってくるという役割分担がされました。
当日、待ち合わせの時間の前に、
本屋で東京のガイドブックを物色していたのですが、
全然、ワクワクしないんですよね~。
ガイドブックを見ていたら、むしろ、気が重くなってきた。
西郷どんとデートスポットに行って、手つないだりするのか・・・・
いやいやいや~!
でも、一緒にいれば好きになれるかもしれない!
まずは、出かけてみなくては!!
気合を入れ直してみたものの、
気がちょっと重いままガイドブックを購入して待ち合わせ場所へ。
西郷どんは、上機嫌。
「今日は、半個室のお店予約したんですよ」
行ってみると、ほぼ個室だけど、
隣との間仕切りが薄くて、声がよく聞こえる部屋。
隣は話からすると、大学生の男女。
二人できているが、付き合ってはいないらしが、
男の子に気がある様子。
「彼氏いるの?」「好きな人は?」というのが丸聞こえ!
ということは、こっちの会話も聞こえてしまうってことね。
ま、いいですが。
さて、こちらは、
「マキさん、ガイドブック持ってきた?」
「さっき、買ってきました」
「どこか行きたいところある?」
あ~、また気が重くなってきた
「え~と、特には・・・」
あなたと行きたいと思えるところが・・・・
「え~、考えてよ~」
「え~と、う~んと、いまさら東京見物しなくても・・・」
「一緒に出掛けることが大事なの!
どこかないの?行きたいところ」
そうですよね~!
仲良くなるために一緒に出掛けることが必要!
正しい!あなたが正しいよ!西郷どん!
だがしかし、気がのらない・・・
申し訳ないと思うが、どうにもこうにも、テンションがどんどん下がっていく
「えっと、そうだ、浅草演芸場がいいかなぁ」
「え~、演芸場?」
と不満そうな西郷どん。
何か問題でも?行きたいところって言うから考えてみたんだけど?
「他にはないの?」
「西郷どんは行きたいところないの?(もう、考えたくない)」
などと話していると、どんどん西郷どんが近くに寄ってくる。
最初は、90度の位置に座っていたのに、気づけば隣に座ってきている!
距離が近すぎるのが嫌で、すこし離れる私。
また、近づいてくる西郷どん。
4回目だから、今までより親密にしても大丈夫だろう!
と思ったのだろう。
どんどん距離を縮めてくる西郷どん。
狭い半個室の部屋では、逃げ場はすぐになくなる。
あ~、ダメだ私、西郷どんに密着されるのムリ!
離れてくれ~!
もう、次のデートの行き先などどうでもいい!
やっぱり全然好みじゃなく、特別嫌なところがないだけの男とはムリだわ私
何が悪いわけじゃないけど、生理的にダメみたい
もう、ホントごめん!
「あのさ、近いんだけど」
「えっ?」
「距離が近くて落ち着かないんですけど!」
驚いた顔をしつつ、無言で離れる西郷どん。
そして、頭を抱えながら「はぁ~」と大きくため息をついた。
思いっきり、気まずい空気が流れる。
心なしか、隣も静かになった気がする。
悪かったよ!
でもね、でもでも、密着に耐えられなかったのよ!
気まずい雰囲気は、もうどうすることもできず、帰ることに。
いつもは、食事代は西郷どんが出してくれていたのですが、さすがに今日はそれをしてもらうのも気まずい。
「はい!これ!」と半額分を渡し、清算がすんだら、ささっと帰りました。
この日以降、西郷どんからの連絡が来ることはありませんでした。
当たり前だよね。実は、正直なところ、連絡なくなってほっとした。
そんなにタイプじゃなくても、
できる人もいれば、近づくだけで生理的にムリ!ってなる人もいる。
西郷どんはムリだった。
この違いって何なんだろう?
明確なものがあればいいのだろうけど、自分でもよくわからない。
ただ今にして思えば、
「外見で選ぶな!だからダメなんだ」
と何人もの人に言われて、
本当は全然気にいってなかったのに、
「いい人なんだから、そんなことで断っちゃダメ!」
って自分に言い聞かせて会い続けてた。
心の奥では、全然、納得行ってなかったんだよね。
やっぱりさ、いい人でも、気に入らないものは気に入らない。
他に好きになれる要素もなかったし。
だから拒絶反応が激しく出てしまったのかも。
自分の心に素直にならないっていうのは、相手にも嫌な思いさせる。
人に何と言われようと、自分の基準を貫いたほうがいいに違いない。
とはいえ、いまだに人の言葉に左右されがちですけどね。