北海道秋散歩 函館 その3 その他の古そうな蓋、珍蓋と思ったらまさかの教科書蓋 | 東京蓋散歩 ~マンホール巡り~

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マンホールや消火栓などの蓋、特に地味蓋を中心に観察しながら歩きまわります。タイトルとは裏腹に都外出没頻度も高いです。

その1で函館市の下水道創設期のマンホールの蓋、その2で教科書「マンホールのふた<日本篇>」に掲載されていたタイプの蓋についての記事を書きましたがいわゆる骨董蓋と言えるものが含まれていたかどうかはなかなかもやもやするものがありました。

 

今回の記事ではその1、2以外で気になった古そうな蓋や他では見ないタイプの蓋などを乗せていきたいと思います。

 

まずは「接」。おそらく水道の止水栓のことだと思いますがこのような表記の蓋は今まで見たことがなかったです。公共の配管から私設の配管への接続部の栓ということなのでしょうが、接続栓とか接続弁という名称も聞いたことがないです。市内の宅地脇でたくさん見かけましたがそれなりに古いものではないかと思います。

縦書きの「止水栓」はこの一枚だけ見かけました。私設の汎用品かもしれません。

 

防水器というものも初めて見ました。なにが防水されているのでしょう。後でも出てきますがこの紋章は函と水を組み合わせた函館市水道の紋章だと思うので上水道に関係するものと思われます。やはり宅地脇でいくつか見ました。珍蓋であり謎蓋とも呼べるかもしれません。字も独特ですね。

 

紋章だけで説明のない蓋ですが二枚目のお弁当箱風の形状から量水器の蓋ではないかと思います。少数ながらこれも宅地脇などで見かけました。

 

紋章部が小さな点の周りに放射状に6本の線になっています。「水」を表しているのでしょうが汎用品でしょうか?一応、右書きのような並びなので古い蓋の可能性もあるかと思いここに載せました。記憶があいまいですが2枚目の黄色く塗られた蓋は地上消火栓に付随した水抜き用かなにかの蓋のようでした。

 

函館水道は横浜に次ぐ日本で二番目の近代水道だそうで、古そうな蓋があるのではないかと期待して、創設期に作られた配水場へ行ってみました。

 

蛇体鉄柱式共用栓は現役でした。おそらくレプリカでしょう。

 

よさげな建物

 

煉瓦作りの建物の紋章は例の「防水器」の水の字と同じような直線的な「水」ですが石積みの建物には函水の組み合わせの紋章がついていました。

 

で、肝心の蓋ですが、敷地内にあったのは例の親子蓋たちでした。それなりに古いものだとは思いますが創設期のもと言えるかどうかはかなり怪しい見かけでした。この網目模様は明治33年創設の神戸の骨董蓋とも似ていますが、あれほどの古さは感じないですね。

 

他にこれはという蓋は見当たりませんでした。この配水場へ向かう坂にあった「減圧弁室」という蓋が唯一、配水場周りにありそうな蓋でした。

 

この配水場へ向かう前に別の種類の古いマンホールを見てきました。煉瓦の達人、たくあんさんのブログ「Anthology -まちの記憶-」(カッコいいタイトル!)の「煉瓦積みマンホール」という記事を見て今回の旅行の計画に入れていたポイントです。

 

そのマンホールがこれ。

 

 

地下に埋まっていたマンホールをそのまま掘り出したもののようです。現在のものであってもこうして目にすることはなかなかないですよね。内部は意外とシンプルでケーブルのつなぎ目のようなものが横に走っていました。実際はもう少し複雑な配線があったのかもしれません。

 

当ブログ管理人としてはやはり蓋が気になります。下から見上げるとこんな感じで穴が並んでいました。

 

で、表面を何とか撮影してみたところ、残念ながら電電公社のT字地紋蓋でした。おそらく現役のマンホールとして使われている間に蓋は更新されたのでしょう。この表面の蓋には穴がないのですがマンホール界の達人たちの話によると電話の蓋は2重になっているものがあるのだそうです。もしかすると内側の蓋は表のものよりも古いのかもしれませんね。

 

では下水道系の蓋を見ていきましょう。(実際の観察順ではないですが)

 

豊川稲荷神社の参道脇にあった蓋。鉄枠がないことから古いものではないかと思います。水と市を組み合わせたような紋章がありますが先に述べた水道の紋章とは異なります。場所的にも側溝の蓋のようです。暗渠なり雨水排水なりの蓋ではないかと思いますが、今回の訪問ではここ以外で見かけず詳細は不明です。

 

無印ながらよさげな2枚組大型角蓋

 

単品もいい感じです。縁石もあります。上の二枚組もこの蓋も水道の親子蓋のように網目模様付きなので、もしかすると水道の古蓋かもしれませんね。

 

ここまでつるつるだと何とも言えませんが単なる鉄板ではなく何らかのパターンが表面にあったのではないでしょうか? んんん? 今頃気づきましたが、この4つ穴、「マンホールのふた<日本篇>」に載っていた消火井の蓋にそっくりです。

 

なんで現地で気付かなかったのでしょう。林丈二氏は栄町で2枚見つけたと記されていますが、この蓋は大町の東坂にありました。黄色いペンキ枠の痕跡があることからも防火水槽の蓋でしょう。現地で気付かないどころか教科書片手で「その2」の記事を書いていたときすら気付いていませんでした。唯一、自分をほめたいのはこうして背景を含めた写真を撮っていたこと。やっぱりなにか引っ掛かりを覚えたのでしょうね。

 

こちらは「その1」の蓋たちの近くにあった蓋。隅に市章がありました。改めてみるといい蓋ですね。もっと探せばよかった。「その2」にも書きましたが、そもそもこの市章が平成に制定されたものだと思い込んだのが間違いでした。昭和10年制定と分かっていれば古蓋の可能性も考えてもっと付近をよく探索したのに。

これは暗渠ですね。

 

 

ずいぶん長い記事になりましたあと3枚行きます。

まあありがちな「瓦斯」。とは言え、あまり見かけませんでした。

函管。これは「函館管工事業協同組合」という事業者組合の蓋のようです。検索すると函館市防寒止水栓改良カバーなるものがヒットしました。これがその改良カバーかどうかは不明ですが。

 

〆はこれ。単なる電気の蓋のように見えて

キュートな「電」

 

函館篇、続きます。