9月に秋を感じに行った北海道ですが結局それなりに暑い毎日でした。
函館に上陸です。
函館には日本最古級の蓋が現存するということで見に行ってきました。
参考にしたのは市立函館博物館 研究紀要で公開されている「マンホール蓋が語る函館上下水道の系譜(石川 成昭氏)」という論文です。
以下に引用させていただいた図とともに「1899(明治 32)年に竣工した函館港改良工事における埋立地に当時の蓋が現存している」旨の説明がありました。
引用した図の記号を使って現状を見ていきましょう。
「イ」
路面電車の終点「函館どつく前」付近に角蓋がありました。全くすり減りがありません。鉄枠もあるのでもしかすると蓋自体は更新されたのではないかと思います。路面電車がここに引かれたのは1913年(大正2年)とのことですが、その当時の蓋にしても新しすぎる気がします。
「ニ」
残念ながら蓋は更新されていましたが四角い縁石が残っていました。
「A」
こちらは鉄枠もなくそれなりに古そうに見えます。
「B」
こちらもいい感じの蓋でした。
「C」
しっかりとした縁石に囲まれた角蓋がはまっていました。ほとんど車が通りそうにないことからか蓋に傷みが見られません。
蓋の下には水が溜まっていました。流れはなさそうです。
立派なレンガ倉庫。刻印は見つけられず。
電停の名前の「どつく」は会社名に由来するのですね。
「ヘ」の場所は会社の敷地内になります。先の論文によると「ヘ」の近くには自動洗浄槽が埋まっている可能性があるのだそうです。ゴボゴボ。
「イ」蓋はともかく、「ニ」や「C」の縁石は古そうでしたし、小型蓋のほうも穴の周りの丸みが古そうに見えたのですが本当に19世紀末の蓋かと言われると自信がありません。蓋のサイズが寸単位だったりすると骨董蓋の証拠の一つになるなと思って測ってみると「C」蓋は1辺625mmほどでした。「B蓋」は450mmでいずれも寸単位ではありませんでした。どうなんでしょうね。
続きます。