甲府市の古い消火栓の蓋 FIRE HYDRANT | 東京蓋散歩 ~マンホール巡り~

東京蓋散歩 ~マンホール巡り~

マンホールや消火栓などの蓋、特に地味蓋を中心に観察しながら歩きまわります。タイトルとは裏腹に都外出没頻度も高いです。

大正二年事業開始という古い歴史を持つ甲府市上水道。教科書「マンホールのふた」に載っている「FIRE HYDRANT」と書かれた蓋を求めに訪問しました。本の記述に倣って資料をあたることに。 近代デジタルライブラリーにあった「甲府市上水道(昭和13年 甲府市編)」に当時の配管図が載っていたのでこれを参考に歩くことにしました。





まずは、甲府駅近くの愛宕山にある配水池へ。残念ながら(当然のことながら)中には入れず、周りにも特にめぼしい蓋はありませんでした。





ちょっと珍しいタイプの「制水弁」小蓋。右側の「D.V.」と書かれたものは配管の方向を示すものでしょうか?





」仕切弁」もコンクリートの塊の中央にあって矢印(V75)とセットで。





「甲府市上水道」の平面図を参考に甲府駅の北側を中心に12kmほど歩きましたがめぼしい蓋は見つかりません。





上の地図の(12)に左から近づいたところでいったん引き換えし、ガード下をくぐって県道<6>号線の方へまわろうとも思ったのですが、雲行きが怪しくなってきたのでやはりこのまま駅へいこうかどうしようか迷ったときに目の前にぼんやりとあらわれたのがこの蓋です。





「FIRE HYDRANT」の文字も特徴的なパターンもはっきりと見えます。もしかすると、大正時代に設置された蓋かもしれません。





後ほど、「マンホールのふた」の著者の林氏に伺ったところ、同書に掲載されている蓋を撮影された時(1984年1月)は甲府市駅周辺をざっと回られて4枚、このタイプの蓋を確認されたそうです(今回残存確認できた蓋は含まれず)。このパターン(地紋)の蓋としては他に「消火栓」と書かれた蓋や「SLUCE VALVE」と書かれた蓋もあったとのことで写真をいただきました。







この記事をまとめているときに甲府市のHPを検索していたら、大正元年の工事図面(開通式に発刊された工事平面図
)が載っていました。解像度がいまいちですが、消火栓の他、制水弇の位置も示されています。この図面を参考に駅の南側を中心に歩けば消火栓の他、制水弇の場所に↑の「SLUCE VALVE」の蓋が見つかるかもしれません。どうでしょうね。