おなか一杯。でも、何かが足りな
い。そう、デザートですね。
「天竹」でのデザートは、メロン
とかの「果物系」で、いまどき
女子がよろこぶ「スウィーツ」
ではないのですね。何せ、
「昭和」ですから。
そこで、お店を出て、
「デザート食べに行こう」と、
彼女の手を取って、「勝どき橋」
方面、つまり、左に曲がる。
「えっ、銀座方面じゃないの?」
という彼女の期待を軽く裏切って。
夜、大きな橋を歩いて渡るのは、
ちょっとした非日常。車はそこ
そこ走っているものの、この橋
には、両側に歩行者専用道路が
ある。歩いている人は、まばら。
適度に暗く、これなら、彼女も
手を握らせてくれるはず。ここ
では、必ず、進行方向右側の
歩道を歩こう。その理由は、
あとでわかるから。
そして、彼女に、隅田川にかかる
この勝どき橋は、いわゆる「跳ね
橋」で、東京オリンピック(もち
ろん、前回、1964年ですね)の直
前までは、現役で、1日に数回、
潮位が上がった時に、中央から開
いて、船を通したんだ、、、なん
て話をしよう。
そんな話をしている間に、まもな
く、橋を渡り終える。その直前に、
彼女を振り返させる。そう、ここ
で、彼女は初めて気づくはず。
築地市場の向こうに紅く輝く東京
タワー。
ここで、君は、当然思う。極めて
自然なことだ。
プルプルお肌に触りたい。コラー
ゲンたっぷりのフグを、2人で食
べたんだから。ご馳走したのは僕
なんだから、当然、触る権利はあ
るはずだ。できれば、プルプル
ほっぺに手を添えて、彼女のプル
プル唇に、チューしたい。
ここで、彼女の警戒心を解く言葉。
「東京タワーのほぼ、全容が見え
る、奇跡的な場所があるんだ」
そう言って、彼女を誘おう。この
言葉で、彼女の警戒心も薄れるは
ず。
橋を渡って、ビルの横の、隅田川
沿いの歩道をちょっと下る。する
と、そこからは、遮るものが何一
つない、奇跡的なアングルに東京
タワーが、紅く煌めいている。し
かも、こんなに素敵な場所なのに、
人通りはほとんどない。
彼女は、ひれ酒で、普段、飲みな
れない日本酒を呑んで、ふわふわ。
目の前は、ゆらゆら揺れる隅田川
の水面。そして、遠くに、キラキラ
輝く東京タワー。寒いから、自然
と体を寄せ合う二人。
この状況で、チュー出来なければ、
おそらく君に希望はない。この先、
彼女の、ただの都合のいい
「メッシー君」止まりだろう。
*注 メッシー君
1980年代、バブルがはじける前
の、ホイチョイが生んだ流行語
のひとつ。ご飯をおごらせるだ
けのメッシー君。他に、車係り
のアッシー君、プレゼントしま
くる貢君、などというバリエー
ションがあった。
さてさて、結果は、どうあら、本来
の(建前の?)目的である、「寒い
から、暖かいところで、デザートを
食べよう」と彼女を誘い、道路の向
かいにある、デニーズへ。
えっ、「大人のデートの締めに、
デニーズ??」を思った君、そう、
その感覚は、基本的に正しい。僕も、
ファミレスには、ほとんど行かない。
ましては、デートで行くことは、
基本的にない。但し、ここのデニーズ
だけは別。そう、おそらく、デニーズ
の中でも、日本では、立地No.1ではな
いか、特に夜。
席は、窓際の禁煙席に座ろう。隅田川
沿い。先ほど見た、対岸の東京タワー
が僕らを見守っている。
最近のファミレスのデザートは侮れ
ない。デザートは、彼女に選ばせる
のが基本だが、ここでは、一つは、
必ず「パフェ」を頼むようにしよう。
そして、スプーンは2つ。そう、
例え、先ほどのチューで失敗して
も、もし、ここで、パフェを二人
でつっつき、そして、
「あーん、パク」が成功すれば、
君は、おそらく、彼女のメッシー君
ランキングでも上位だ。今後、継続
的な努力をし、運が良ければ、
メッシー君から格上げされる、
かもしれない。
そして、フグで、冬の鍋を堪能した
彼女を次に誘うのは、やはり、鍋。
「冬の鍋シリーズ」などど、
シリーズ化してキャッチフレーズを
つけると、次に彼女を誘うハードル
はぐっと、低くなる。彼女も、当た
り前の様に、君と、グルメデート
を重ねるだろう。心理とはそういう
もの。
一応、彼女の好みは、今までの会話
で、さりげなく、掴んでおくのは、
言うまでもない。次も、お魚系?
それとも、お肉系?どちらでも対応
できる様に、普段から、情報収集を
しておくことだね。
さあ、次回はどのな鍋に連れて行
こうかな。
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