先日、森本英世氏の歌謡ショーを観に三重県へ行って参りました。
それに少し触発されて、今回は森本氏が1980年代最後にリリースした楽曲をご紹介したいと思います。
上の画像は1988年4月29日に東芝EMIよりリリースされた、『あなたにサ・ヨ・ナ・ラ』というシングルレコードです。
A面『あなたにサ・ヨ・ナ・ラ』は、1980年代後半という時代背景もあってか、ムード歌謡っぽい感じは控えめで、バラード調の「アダルトポップス」という表現で括られる楽曲になるかと思います。
作詞者がTETSU、作曲者がI・WA・WOというローマ字表記のお二人がクレジットされております。（正体は不明ですが…）
こういうところにもポップス感が前面に出ており、新たなイメージ、新たなタイプの楽曲にも意欲的に取り組まれていた頃なのかな？と想像するのですがどうなのでしょうか。
B面『ぶきっちょ』、こちらはA面よりかはムード歌謡の匂いが出ている楽曲です。
作詞は高畠じゅん子氏が手がけております。
『意気地なし』、『足手まとい』、『死にもの狂い』、『甘ったれ』など一風変わったタイトルの作品が印象的な高畠氏の作品なのですが、森本氏にも『どじ』という楽曲を提供されており、この『ぶきっちょ』はそれに続くユニークなタイトル楽曲です。
タイトルはユニークですが、中身はシリアスな別れ歌です。
「〽トレンチ・コートのえりをなおさせて
わたしができる さいごの仕事です〽」
タイトルと中身のギャップが相変わらず堪りません。
森本氏の歌唱は切々と女心を静かに優しく歌われており、主人公の女性が静かに身を引く状況を見事に表現しています。
こういうテーマの曲は森本氏の良さがよく出ているので、流石ムード歌謡歌手といったところでしょうか。
